焔と渦巻く忍法帖 第十四話

・・・そこには障気が並々限界まで注がれている透明なガラスで作られた風呂桶が現れた。






「・・・な、なんなんですか!?これは一体?」
いきなり現れた異質な現象と物体に、イオンが愕然と驚きを見せる。
「何って・・・障気だよ。で、これを踏まえてお前らにはこれを飲んでもらうぞ」
一同イオンに習い、何やら続きたそうにしている。だがそれを遮りルークは胸元から丸薬の筒を取り出し、パッパッと手に出す。だがその中から出て来た丸薬の色は不吉そのものといった紫色原色そのまま。
「ほら、残さず飲み込めよ。つっても飲み込ませるけどな、絶対」
その丸薬を人数分手に取るとルークはナルトの影分身達にその丸薬をピピッと指で飛ばしていく。影分身達が飛んで来た丸薬を受け取ると、それと同時に一人一人に影分身が足払いをかける。
「「「「「「・・・!?」」」」」」
「はい、仕上げ」
何が起きたのか理解しきれていない。一瞬で地に押し倒された面々にナルトが声のトーンをあげて呟くと、一斉に影分身が丸薬を呆然と口を開けている面々に放り込む。口の中に丸薬が入ったのを確認して、更に顎を掴み影分身は強制で上を見上げさせる。
「はーい、水だってばよ~♪」
そこに影分身は水筒を取り出し、水を口に入れていく。その行為に一同はガボガボとイオンを除き、必死に水を飲むまいと抵抗しようとする。だがそんな事も意味なく、呼吸に皆困りゴクリと音を立てて水を飲む込む。



その様子を確認したルークとナルトは眉をあげ、互いをみやり嬉しそうに笑った。





「・・・ゲホッゲホッ・・・あなた達・・・一体何のつもり!?」
影分身からの拘束が緩み、苦しそうにしながらも修頭胸が敵意を新たにルーク達を見据えて声を出す。だがナルトもルークも視線を修頭胸に向けた時、嘲りを含んだ物へ目を変えていた。そしてそれと同時に勢いよくルークは手を前に出し、開いた掌を見せる。



「痛みを知れ」
一言、開いていた手をにぎりしめる・・・その瞬間だった。



「あっ!あぁ・・・!な、何・・・い、痛い・・・!?」
「な、なんですの・・・!?体の自由が・・・ききませんわ・・・!」
「あ・・・うっ・・・」
「イ・・・イオン様!うっ・・・」
「いっ、一体何が・・・」
「ル、ルーク・・・」



拘束から立ち上がり一気に敵意を存分に含ませた言葉を放とうとした面々が動作一つ起こしただけでバタッと一斉に地に膝をつく、この光景にルーク達は表情を引き締める。
「苦しいか?けどお前らはこの程度で済む程罰は少なくねぇぞ?」
「ルーク・・・お前ら、俺達に何をした・・・?」
「何を?馬鹿な事言ってんじゃねぇ、てめぇらの馬鹿さと罪が帰って来ただけのことだ・・・けど理解出来てねぇようだから教えてやるよ」
フェミ男スパッツの絶え絶えな言葉に、ルークは風呂桶に近寄る。
「これは俺達がこのアクゼリュスで治療した住民の体の中から摘出した障気だ。まぁお前らにやり方を説明する気もないし、しても意味がねぇからそれは省く・・・それを踏まえてお前達に飲ませた丸薬、あれはこの住民の体から摘出された障気から作った俺とナルト特製の障気丸だ」
「障気丸・・・!?」
「あの一粒にこもってる障気の質量は十人を一気に殺せる程重いもんだ。今お前らが感じている痛み・・・それはあくまで行動に支障が出だす程度に俺が調節した障気量だ。その気になれば致死量を一気に全員に撒き散らす事が出来んぞ・・・?」
これは障気丸に二人が自らのチャクラを込めて作った事によるもの、障気が自然に体から出ていく事のない習性を利用した物で、そのことに着目した二人は障気をチャクラで操る事にもルーク達は成功した。チャクラに支配された障気はもはやルーク達の道具そのものなのだ。
「・・・何故、僕達にこのような事を・・・?」
すると辛そうに悲しそうな顔でイオンが苦しそうに呟く。ルークは言われがないと言わんばかりの周りの目を受け、風呂桶に手をかける。








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