文句一つ言う隙間など与えるなく、二人はアクゼリュスへと即行で向かう。その二人の表情は一行には見せてはいないが、抑える気もない凶笑が浮かび上がっていた・・・






・・・そして一時もしないうちにアクゼリュスにたどり着いたルーク達。街の入口に到着すると、ナルトの影分身は一応丁寧に腰から手を離し一行を自由の身とする。
「さぁ、入るぜ？・・・おっと、言いたい事は中を見てからにしろよ？じゃねぇと・・・テメェの血を肉体一部損失って形で見る事になるぞ」
凶笑から人当たりの良く見える笑みを見せ、クイッと親指で歩きながら振り向いてアクゼリュスを指差す。だが続いて出て来た言葉に一同戦慄する。
その言葉にはナルトの殺気に負けず劣らずの殺意が篭っており、尚それに＋して一瞬で一行に放たれた言葉通りのイメージが沸き立ったのだから。
そんな一行が植え付けられたイメージには無表情で自分達の体をばらばらにしていくルークの顔が鮮明に焼き付いている。そしてその傍らにはナルトも共に・・・
実力差が明らかが故の強者の見せれるこの芸当、まざまざとそれを見せ付けられた一行は先程までの威勢の良さをどこへやったのか、ルークとナルトの後ろをひたひたとただ付いていく。


だがその素直さもすぐに消える。
「・・・え？住民の方々が一人もおられませんわ・・・」
パッと見えた障気の街の全景、その中には人の姿なんか一つたりともない。その光景を見た猪思考姫が他の疑問を代表するようにそれを口にする。
「それもそうだろう。住民の人達は全員俺らが救助したんだから」
「・・・ルーク達が？」
「じゃなきゃ誰がやるんだってば？親善大使と任じられたルークが住民を助けるのは当然だってばよ？」
ハッと鼻でナルトはフェミ男スパッツを笑い、視線の温度を冷やして一同を見渡す。
「何を言っているの！あなたはイオン様奪還を放棄したじゃない！そんな人が親善大使なんて誰が認めるのよ！」
・・・さっきの沈黙はどこへやら、二人に怒声で修頭胸は勘違いの転戦に応じてきた。だが二人はあえて殺気で圧殺する気はない。
「へぇ？ならこの街の現状見て俺らが早くここに着かなかったらここの人達どうなってたか、予想ってつく？答えてみろよ」
「・・・それは・・・私達が来るまでここの人達は苦しんで・・・」
「うーわー、はい失格～。そんな言葉出て来る時点で駄目だろ、任務の重要性っつー以前の問題で何を第一に行動してるのかが丸分かりだし」
「一体何が言いたいんですか、あなたは！？」
おどけたように肩を上下させ尚嘲笑しながら一行の回りを歩くルーク、だが失格と言われ猪思考姫は修頭胸に代わりなんなんだと怒りをぶつけてくる。
「俺の言いたいことが理解出来ない・・・？」
「言葉じゃわからないんだってば？へぇ・・・」
だが根底どころか上っ面ですら話を理解しようとしていないのに二人は怒りどころか、喜色満面というべき笑みを一同に向ける。それと同時にルークはバババッと瞬時に印を組み出した。






「なら身を持って理解しろよ」
「文字通り骨の髄まで教えてやるってばよ。それからだってば、言の葉を丁寧に叩き込むのは」



・・・ナルトの言葉が終わると同時にルークも印を組み終わる。するとルークの隣にボンと口寄せ特有の白い煙が沸き立つ。そこに現れたのは・・・







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