焔と渦巻く忍法帖 第十四話

・・・時は少しだけ進みデオ峠の中核に位置する峠で1番高い場所、そこに修頭胸達は休息していた。










「・・・すみません、僕の為に休憩時間を取ってしまって・・・」
「いえ、イオン様に何かあればそれこそ一大事。これは必要な事です」
へたりこみ、峠の高配に疲れたのであろう。イオンが申し訳なさそうに謝る。だが、修頭胸はイオンが来る事は当然、アクゼリュス到着の遅れにはならないと平気な顔で宣っている。
「そうですよぅ~、イオン様は気にする事なんて何もないんです!」
「まぁあの親善大使のお坊ちゃんに使う時間などありませんがね」
「全く!役目を放棄して雲隠れするなど青き王族の血が流れている者の態度とは思えませんわ!代わりに私が親善大使の代役を務めあげなければいけないとは・・・!」
「・・・ルーク、お前どうしちまったんだよ・・・?」
主を諌める事もなく、脳天気に平気だという。和平に来た国の貴族を罵倒。自らの立場を省みず、人の行動の批判と勝手な決定。主を理解出来ないと、自分の意見が正しいのだという事を曲げようとしない。






相も代わらない愚考を見せる一行・・・そんな人物達をもう二人が許すはずもなかった・・・






‘ブゥン!ブォーン!ザザザザザ!’



「・・・!な、なんですか!この風は・・・!」
突如吹いて来た木の葉混じりの突風、一同は異質なその風に手で目をガードしながら突風が吹いてきた方を見る。するとその先から小さな竜巻のような物が一行に近づいてくる。その物体に全員が目を細めて警戒の色を強め武器を握る。するとその小竜巻は速度を緩めず、一同の前に位置付くように急激にストップをかける。



・・・そして小竜巻の正体は木の葉降りつつある中で、姿を回転を止めて表した。



「やあやあ!ご機嫌いかがかな?親善大使の供の諸君!?」
「「「「「「・・・ルーク!?」」」」」」
「その間抜け面だと全員元気そうだってばね!よかったよかった!」
「・・・ナルトも・・・?」
木の葉舞い散る中、満面の笑みを見せながらルークとナルトは一同に話し掛ける。
「じゃないといたぶりようがないから、困る所だってばよ」
「ナルト。お前拷問するときそんなこと気にして拷問しねぇだろ」
「そんなことないってばよ?拷問のランク上げるかどうかくらい体調で考えるってばよ」
「・・・あー、もうなんなのよ!あんたら!」
朗らかに会話するルーク達に、ようやく文句を言おうとポカンとしていた顔からキッと目を鋭くさせてコウモリ娘が口を出してくる。
「今更何よ!あんたはイオン様を助けなかったんだから、親善大使失格になったんじゃない!」
「・・・う~わ。まっさかそんなこと勝手に決めれるとか思ってんのってどうかな~?」
首をかしげ、目をつぶりながら首筋をかくルーク。その表情は先程までと違い、不機嫌そのものといった様子だ。
「何を言っていますの!あなたが勝手に役割を放棄した・・・っ!?」
コウモリ娘に続きルークの様子を見た猪思考姫がルークを罵ろうとする。だが途中で猪思考姫を息を詰まらせる。
「一体何を根拠にルークに偉そうな事言えるんだってばよ?この猪」
「・・・ふっ・・・くっ・・・!」
誰にも反論出来ないようにとナルトは殺気を全体に広げ、辺りに構わずそれをぶつける。案の定猪思考姫は反論出来ずに口を濁し、回りの面々も同調の言葉を言いたそうではあるが殺気を受けて同じように息を詰まらせて押し黙る。
「まぁいいだろうナルト。俺が親善大使失格かどうかはこいつらをさっさとアクゼリュスに連れて行けばわかんだからよ」
「・・・そうだってばね!なら一刻も早く連れて行くってばよ!」
ルークの諭しの仲介に、ナルトは口元を嬉しそうに間を空けて歪ませ印を瞬時に組む。組み終わるとそこにナルトの影分身が人数分姿を表す。一同が殺気が緩まった事で反論しようとしたが、影分身を見て言葉を無くす。
「さて・・・行くってばよ?」
ナルトの一言に影分身が一斉に一同の体を掴みだす。その行動に全員動揺を表すが、時既に遅くルークとナルトの二人とともに影分身は一同を追い掛けすごいスピードで走り去って行った・・・




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