焔と渦巻く忍法帖 第十三話

途端に鋭くなった目と声に、煙デコは悶絶の表情に目を見開き何だとと聞きたそうな目をしている。だがルークは立ち上がると途端に印を結ぶ。
「今度起きた時にテメェに絶望と同時に全てを教えてやる。テメェがどれだけ馬鹿なのかもな」
そして印を結び終えてしまうと同時に、目の前に鳥の羽がいくつもヒラヒラ落ちてくる。その光景を見た煙デコは意識を失い、眠りに落ちて行った。
「・・・面白かったのは喋らせなかった時までだったな」
「やっぱり声出させるとカンに障って仕方なかったってばよ」
はぁ~ぁと、ハモらせた溜息をついて二人は煙デコを見下ろす。
「とりあえず老け髭達連れてくるか」
「そうだってばね」
その一言で二人は姿を一瞬で消す。






そしてタルタロスから二人は出て来ると、兵士達の前に位置する。
「お待たせしました。中にいる神託の盾兵士達は全て気絶させてきました。後は中にいる兵士達を片して住民の皆さんをアクゼリュスからマルクト領に送り届ける事です。さぁそれでは皆さん、タルタロスの中に住民の皆さんを案内してください。中の神託の盾を片付けるのは私の手勢がやりますので」
「「「「はっ!」」」」
敬礼を返すと、兵士達は住民の元へ向かい、影分身兵士達はタルタロスの中へ向かう。二人は様子を見届けると、近くに放置されていた老け髭達の元に近づいてルークは老け髭の縄を持ち、ナルトはリグレットを肩に担ぐ。
「・・・流石にタルタロスに何千人も乗せれねぇだろうし、ちょっとの間はマルクト領を行ったりきたりしねぇといけねぇな」
「その間にあいつらは来る・・・ってばよ」
あいつら、ナルトの指す人物達は紛れも無く修頭胸達。恐らく、というよりも確実にここにくる。散々ルークへの見当違いの罵倒を口にしながら・・・
「・・・さーて、いらついてきたー!」
「虫ずが走るってばよ!あいつら思い出すと!」
表情爽やか、声も爽やか、だが言葉自体は負の感情丸出し。
「他の人達を脅かさないようにさっさとマルクトに送るか!」
「血も内臓も見せちゃいけないからそうするってば!」
ハハハッとうすら寒い程の嘘くさすぎる笑い声、だがルーク達は本心からその笑いを見せている。もうすぐ潰せる、その気持ちはもう誰にも止める事は出来ない。
ナルトは丁寧にリグレットを担ぎ、ルークは老け髭をわざと地面に引きずってタルタロスに嬉しさを隠さず向かって行った・・・





最凶を見るは自らの愚かさ


墜ちゆく命運は朱炎と虚空が逃さず担う・・・



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