焔と渦巻く忍法帖 第十三話
「やっぱこんなもんだってば」
走って来た煙デコを見て、たいした興味を寄せるでもなく嘲笑を変えずに呟く。
「!?」
剣を抜き、子供のナルトにおとなげなく全力で振り下ろす煙デコの剣にナルトは触れるかどうかというところで姿を消す。
‘ドゴッ!・・・ドン!’
「・・・やはりな」
一瞬で終わった対決と呼べぬ対決にリグレットは止めなかった事には気をとめずにそっと呟く。まあ止めても聞きゃしなかっただろうからリグレットの判断は間違いではない。
リグレットが見たのは剣が空を切った後、ナルトが煙デコの死角からオーバーアクションの振り下ろしパンチを煙デコの頬にお見舞いし、パンチの勢いに逆らわずに煙デコが壁まで吹っ飛んで行ったというもの。そのパンチを喰らった煙デコには既に意識などなく、ズルズルと壁にもたれ掛かりながら床とお友達のように寝そべる体勢になった。
「あー、すっきりした!やっぱ一発くらい俺が殴っても罰は当たらないってばよ!」
爽快感溢れる笑顔と同時に即座に煙デコの体をエビぞり状態に体を起こさせ、手首と足首を無理矢理くっつけさせてロープで体勢を維持させるようにきっちりナルトは結び込む。
「ちょっと待て、アッシュにはこれをやるためにだけ来たのか・・・?」
何やら楽しむ為にだけしか今のこの光景を生んだとしか思えないナルトの言動に、リグレットは不審気味に質問する。
「いーや?途中いらんところで出て来られても困るから先に俺が拘束するために来たってば」
「・・・この体勢である意味は?」
「ただの嫌がらせ。なんならもっと変な体勢で拘束するってばよ?」
「・・・」
無邪気に告げられるなんでもないような言葉にリグレットは沈黙する。それもそうだろう。本当にその気になればなんでもやってしまいそうなナルトにふざけて物を言えるはずがない。
「さーて、何もないならブリッジに戻るってばよ」
返事が返って来ないのでナルトが戻ると言い出す。だが、リグレットは手と足を繋いでいる部分から長く延びた綱を持って煙デコを引きずっていくナルトに目を見開く。その驚愕している気配にナルトはリグレットへと振り向く。
「どうしたってば?あっ、もしかして代わりにこいつを引きずってってくれるってば?」
「い、いや・・・そういう訳ではないが・・・」
「あ、そう?ま、下手なやつが引っ張ったら余計これが傷つくからやらないで正解だってばよ」
答え終わると、ナルトは煙デコを引きずりながら歩き始める。だが引っ張り方からして、明らかに怪我をしないように配慮した引っ張り方ではない。というよりも明らかにわざと壁にぶつけるよう、蛇行している。気絶しているからだろうが、文句一つ言わない煙デコの姿は見る見るうちにボロボロになっていく。
(・・・めちゃくちゃだ・・・)
だがリグレットはその一言を飲み込む。その態度一つで相当なまでにナルトが今引きずっている人物を嫌いだということを。そして今やっていることを激しくはしても、抑えるといった事は自分の指示では絶対にしないと理解しているからリグレットは何も言葉にせず、ナルトの後を追って行った。
それからまた少ししたアクゼリュスから少し離れた住民のキャンプ地、そこでまったりしていたルーク達の目にタルタロスが飛び込んできた。
.
走って来た煙デコを見て、たいした興味を寄せるでもなく嘲笑を変えずに呟く。
「!?」
剣を抜き、子供のナルトにおとなげなく全力で振り下ろす煙デコの剣にナルトは触れるかどうかというところで姿を消す。
‘ドゴッ!・・・ドン!’
「・・・やはりな」
一瞬で終わった対決と呼べぬ対決にリグレットは止めなかった事には気をとめずにそっと呟く。まあ止めても聞きゃしなかっただろうからリグレットの判断は間違いではない。
リグレットが見たのは剣が空を切った後、ナルトが煙デコの死角からオーバーアクションの振り下ろしパンチを煙デコの頬にお見舞いし、パンチの勢いに逆らわずに煙デコが壁まで吹っ飛んで行ったというもの。そのパンチを喰らった煙デコには既に意識などなく、ズルズルと壁にもたれ掛かりながら床とお友達のように寝そべる体勢になった。
「あー、すっきりした!やっぱ一発くらい俺が殴っても罰は当たらないってばよ!」
爽快感溢れる笑顔と同時に即座に煙デコの体をエビぞり状態に体を起こさせ、手首と足首を無理矢理くっつけさせてロープで体勢を維持させるようにきっちりナルトは結び込む。
「ちょっと待て、アッシュにはこれをやるためにだけ来たのか・・・?」
何やら楽しむ為にだけしか今のこの光景を生んだとしか思えないナルトの言動に、リグレットは不審気味に質問する。
「いーや?途中いらんところで出て来られても困るから先に俺が拘束するために来たってば」
「・・・この体勢である意味は?」
「ただの嫌がらせ。なんならもっと変な体勢で拘束するってばよ?」
「・・・」
無邪気に告げられるなんでもないような言葉にリグレットは沈黙する。それもそうだろう。本当にその気になればなんでもやってしまいそうなナルトにふざけて物を言えるはずがない。
「さーて、何もないならブリッジに戻るってばよ」
返事が返って来ないのでナルトが戻ると言い出す。だが、リグレットは手と足を繋いでいる部分から長く延びた綱を持って煙デコを引きずっていくナルトに目を見開く。その驚愕している気配にナルトはリグレットへと振り向く。
「どうしたってば?あっ、もしかして代わりにこいつを引きずってってくれるってば?」
「い、いや・・・そういう訳ではないが・・・」
「あ、そう?ま、下手なやつが引っ張ったら余計これが傷つくからやらないで正解だってばよ」
答え終わると、ナルトは煙デコを引きずりながら歩き始める。だが引っ張り方からして、明らかに怪我をしないように配慮した引っ張り方ではない。というよりも明らかにわざと壁にぶつけるよう、蛇行している。気絶しているからだろうが、文句一つ言わない煙デコの姿は見る見るうちにボロボロになっていく。
(・・・めちゃくちゃだ・・・)
だがリグレットはその一言を飲み込む。その態度一つで相当なまでにナルトが今引きずっている人物を嫌いだということを。そして今やっていることを激しくはしても、抑えるといった事は自分の指示では絶対にしないと理解しているからリグレットは何も言葉にせず、ナルトの後を追って行った。
それからまた少ししたアクゼリュスから少し離れた住民のキャンプ地、そこでまったりしていたルーク達の目にタルタロスが飛び込んできた。
.