焔と渦巻く忍法帖 第十三話
「・・・これは・・・!」
「こいつらは気絶させてるだけだから気にしなくてもいいってばよ?」
リグレットが扉の先に見た光景、それは進路上の兵士が全て横たわっているもの。
「こんな下っ端達にまで事情説明する時間なんて勿体ないから手っ取り早く眠ってもらったってば」
「馬鹿な・・・」
呆然と呟くリグレットは目の前にいるナルトに恐怖を抱かずにはいられない。倒れているのは兵士達、ずぶの素人を倒すのでも難しい叫び声一つあげさせずにこれだけの集団を倒しているのだから。しかも殺さず、眠らせるだけ。だがナルトは一向にリグレットに構わず、まっすぐ歩みを止めずに目的の場所ヘ向かう。
「ま、そんな事はどうでもいいってば。さっさとアッシュのいる船室に行くってばよ」
「・・・わかるのか?アッシュの居場所が」
「この前俺らが閉じ込められてた部屋に見張りつきで閉じ込められているんだろ?大方導師イオンの情報を敵に渡したから閉じ込められてる、そうだってば?」
「な、何だと・・・!?」
まさか知っているのか、とリグレットは詰まる。
「あ、やっぱりその反応からするとそうなんだってば。イオンがここにいないのはあの自称正論者の馬鹿達に連れていかれたんだってば?」
「・・・っ!」
何故、何故とリグレットはナルトに目で訴えている。知りすぎている、お前は何なんだ、とも。
だがナルトはリグレットの声にならない目で語る疑問に、全く意に関する事なく先に進んでいった。
そして船室にたどり着いた二人。そんな二人に気付いた見張りの兵士は一瞬時を止め、戸惑いながら敬礼する。
「・・・ご苦労様です。リグレット様、如何されたのですか?その子供は」
「・・・気にするな」
兵士にリグレットは彼女らしく毅然とした態度で返す。だがリグレットは実際には背筋に汗をかきながら対応している。
・・・刺すような殺気、今にも気を抜けば意識を飛ばしていてもおかしくはない。ナルトから向けられた自らへの殺気に、リグレットは理解している。‘下手な事を言えば即死’だと。
「それより私はアッシュと話をしにきた。少しばかり席を外せ」
「はっ!」
再度敬礼を返し、兵士はその場を離れていく。
「はーい、演技ご苦労様♪」
殺気を解除し、ナルトはリグレットに声をかけると封印が施されている部屋の前に楽しげに姿を表す。
「よっ!おバカさん!」
「・・・なんだ、テメェは!」
いきなりの罵倒に煙デコは何を言われたのかとキョトンとしていたが、悪口だとわかった瞬間ベッドから勢いよく立ち上がり、一瞬で沸点に達した怒りをぶつけてくる。
「あれ?俺の事覚えてないってば?」
「テメェのことなんざしらねぇよ!」
「・・・ああ、ルークしかカイツールで見てなかったんだってば。バカな上に視界まで狭い、こんなんがよく人をまとめる立場に立てるってば」
「テメェ・・・!」
どこまでも見下しているナルトの笑みに、煙デコは目の前にある封印にギリギリまで近づき射殺さんばかりの目をナルトに向ける。
「おー、立派立派。バカにしちゃ結構な殺気だってばよ。あ、違う違う。バカだからこうやって相手威嚇して言う事聞かせようとする事だけを覚えたんだってば」
「このクソガキ!」
「リグレット、この封印解いてやれってば。適当にあしらってやるから」
「リグレット!早く開けろ!」
やはり沸点に到達していると他の事に事情を気に回せないようで、リグレットがいることに気を寄せず開けろと怒声でいう。
そのリグレットが煙デコをなにやら憐れんだ目で見ると、封印解除のスイッチを押す。そして封印壁が消えるとその瞬間、煙デコはすかさずナルトに一目散に駆け出した。
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「こいつらは気絶させてるだけだから気にしなくてもいいってばよ?」
リグレットが扉の先に見た光景、それは進路上の兵士が全て横たわっているもの。
「こんな下っ端達にまで事情説明する時間なんて勿体ないから手っ取り早く眠ってもらったってば」
「馬鹿な・・・」
呆然と呟くリグレットは目の前にいるナルトに恐怖を抱かずにはいられない。倒れているのは兵士達、ずぶの素人を倒すのでも難しい叫び声一つあげさせずにこれだけの集団を倒しているのだから。しかも殺さず、眠らせるだけ。だがナルトは一向にリグレットに構わず、まっすぐ歩みを止めずに目的の場所ヘ向かう。
「ま、そんな事はどうでもいいってば。さっさとアッシュのいる船室に行くってばよ」
「・・・わかるのか?アッシュの居場所が」
「この前俺らが閉じ込められてた部屋に見張りつきで閉じ込められているんだろ?大方導師イオンの情報を敵に渡したから閉じ込められてる、そうだってば?」
「な、何だと・・・!?」
まさか知っているのか、とリグレットは詰まる。
「あ、やっぱりその反応からするとそうなんだってば。イオンがここにいないのはあの自称正論者の馬鹿達に連れていかれたんだってば?」
「・・・っ!」
何故、何故とリグレットはナルトに目で訴えている。知りすぎている、お前は何なんだ、とも。
だがナルトはリグレットの声にならない目で語る疑問に、全く意に関する事なく先に進んでいった。
そして船室にたどり着いた二人。そんな二人に気付いた見張りの兵士は一瞬時を止め、戸惑いながら敬礼する。
「・・・ご苦労様です。リグレット様、如何されたのですか?その子供は」
「・・・気にするな」
兵士にリグレットは彼女らしく毅然とした態度で返す。だがリグレットは実際には背筋に汗をかきながら対応している。
・・・刺すような殺気、今にも気を抜けば意識を飛ばしていてもおかしくはない。ナルトから向けられた自らへの殺気に、リグレットは理解している。‘下手な事を言えば即死’だと。
「それより私はアッシュと話をしにきた。少しばかり席を外せ」
「はっ!」
再度敬礼を返し、兵士はその場を離れていく。
「はーい、演技ご苦労様♪」
殺気を解除し、ナルトはリグレットに声をかけると封印が施されている部屋の前に楽しげに姿を表す。
「よっ!おバカさん!」
「・・・なんだ、テメェは!」
いきなりの罵倒に煙デコは何を言われたのかとキョトンとしていたが、悪口だとわかった瞬間ベッドから勢いよく立ち上がり、一瞬で沸点に達した怒りをぶつけてくる。
「あれ?俺の事覚えてないってば?」
「テメェのことなんざしらねぇよ!」
「・・・ああ、ルークしかカイツールで見てなかったんだってば。バカな上に視界まで狭い、こんなんがよく人をまとめる立場に立てるってば」
「テメェ・・・!」
どこまでも見下しているナルトの笑みに、煙デコは目の前にある封印にギリギリまで近づき射殺さんばかりの目をナルトに向ける。
「おー、立派立派。バカにしちゃ結構な殺気だってばよ。あ、違う違う。バカだからこうやって相手威嚇して言う事聞かせようとする事だけを覚えたんだってば」
「このクソガキ!」
「リグレット、この封印解いてやれってば。適当にあしらってやるから」
「リグレット!早く開けろ!」
やはり沸点に到達していると他の事に事情を気に回せないようで、リグレットがいることに気を寄せず開けろと怒声でいう。
そのリグレットが煙デコをなにやら憐れんだ目で見ると、封印解除のスイッチを押す。そして封印壁が消えるとその瞬間、煙デコはすかさずナルトに一目散に駆け出した。
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