焔と渦巻く忍法帖 第二話
「けれどじーさん、どうして呼び出しなんて掛けたんだ?今日は休みだけど明日から暗部としての任務で顔合わせんのに」
ルークは話を聞いて今言う内容でもないために首を傾げながら疑問を言った。
「呼び出したのはナルトの為だけではない。寧ろルーク、お主が主題じゃ」
「俺?」
話の主役はナルトだと思っていたルークだったが不意をつかれて少し戸惑ってしまった。
「ルークよ、『向こう』にはちゃんと戻っているのか?」
火影の言う『向こう』・・・それはルークの生まれた世界、オールドラント。
「一年前までは二週間に一回って所だったけど、ここ最近は一ヶ月に一回あるかないかって所だな」
ルークはナルトに修行をつけてもらっている最中、一週間に一回の頻度でナルトの影分身と入れ替わりながらオールドラントに戻っていた。ルークはヴァンや屋敷の人間との対応が影分身とずれてしまわないようにと時折ナルトの力を借りて戻って来ていた。
しかし、ルークが暗部の『朱炎』としての力を手に入れた前後からルークは単独でオールドラントを行き来していた。影分身も自分の力で出せるため、屋敷での情報も一括して影分身から得ているのだ。
「何かあるなんて事があっちじゃ滅多にないんだよな。ならこっちで活動することの方が断然マシだし」
言外にあっちは嫌だと言っているのが話し方から分かる。
「それにこっちならナルトがいるし、アンタもいる。感謝してるよ、俺みたいな奴を受け入れてくれた事・・・」
そう言ったルークは恥ずかしそうに顔を背けてしまった。火影はある日ナルトがルークといる場面を目撃してしまった。その際にナルトから事情を説明してもらい、その事を踏まえた上で火影はルークを受け入れたのだ。火影からすればナルトと同じ様な孫同然の存在が増えたということ、ルークからすれば初めて肉親の愛情をくれた人物になる。
「お主の言っていた者の企みとやらはまだ先ということか?」
ルークがまだ照れ臭そうに顔を背けているので、仕方なく話を戻すために火影が切り出した。ルークもそれを感じとり顔を火影に向きなおした。
「ん~、まだだな~」
「そうか・・・」
「けどじーさん、何でそんなこと聞くんだ?」
「息子の事を知るのは親の義務じゃ。それに今はワシは休憩中なのでな。それでルークと話したいと思ったついでにナルトに任務の事を伝えただけじゃ」
息子・・・里内でのルークの立場は火影の養子として中忍で活動している。
里内にはルークのような鮮やかな朱色の髪を持っている者はいない。そんなルークが里の中を歩けば不審者として見られる事は間違いない。それで火影が孤児を引き取ったという名目でルークを里の一員として正式に迎える事が出来たのだ。
「あー、そういうこと」
口調は何でもない様に言っているが、ルークの頬は赤くなっていた。
「もしかしてルーク照れてるってば?」
それを見たナルトは意地悪くわざとらしく指摘してきた。
「ばっ!!そっそんなんじゃねーよ!!」
分かりやすい。見た目からは想像は出来ないが実際ルークが産まれてからこれまで歩んできた時間は七年である。見た目は十七でも中身は七歳。それでも一般人が経験する七年と、今までルークが過ごしてきた七年では詰め込まれたものが違うので見た目の年齢以上の知識はある。知識はあるがこういったからかいには経験がなく、実年齢と同じ態度になってしまうのだ。
このほのぼのとしたやりとりを火影は微笑んで見守っていた。
(感謝してるのはわしも同じじゃよ、ルーク)
火影はルークとナルトを見て、心からそう思っていた。
「あー!じいさん話はもう終わったんだろ!!俺は帰るぞ!!」
ナルトに散々からかわれて居心地が悪くなったのか、ルークは強引にナルトの言葉を遮り大声を出した。
「そうじゃのう、話も終わったしもうよいぞ」
そう言い終わるのと同時にルークはその部屋から姿を消した。
「まだからかり足りないってばよ!!じゃあじっちゃん、また明日ね!!」
そう言いナルトもニヤニヤしながら姿を消した。
「ふふっ・・・」
自然と溢れる笑み。火影は確かに幸せを噛み締めていた。
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ルークは話を聞いて今言う内容でもないために首を傾げながら疑問を言った。
「呼び出したのはナルトの為だけではない。寧ろルーク、お主が主題じゃ」
「俺?」
話の主役はナルトだと思っていたルークだったが不意をつかれて少し戸惑ってしまった。
「ルークよ、『向こう』にはちゃんと戻っているのか?」
火影の言う『向こう』・・・それはルークの生まれた世界、オールドラント。
「一年前までは二週間に一回って所だったけど、ここ最近は一ヶ月に一回あるかないかって所だな」
ルークはナルトに修行をつけてもらっている最中、一週間に一回の頻度でナルトの影分身と入れ替わりながらオールドラントに戻っていた。ルークはヴァンや屋敷の人間との対応が影分身とずれてしまわないようにと時折ナルトの力を借りて戻って来ていた。
しかし、ルークが暗部の『朱炎』としての力を手に入れた前後からルークは単独でオールドラントを行き来していた。影分身も自分の力で出せるため、屋敷での情報も一括して影分身から得ているのだ。
「何かあるなんて事があっちじゃ滅多にないんだよな。ならこっちで活動することの方が断然マシだし」
言外にあっちは嫌だと言っているのが話し方から分かる。
「それにこっちならナルトがいるし、アンタもいる。感謝してるよ、俺みたいな奴を受け入れてくれた事・・・」
そう言ったルークは恥ずかしそうに顔を背けてしまった。火影はある日ナルトがルークといる場面を目撃してしまった。その際にナルトから事情を説明してもらい、その事を踏まえた上で火影はルークを受け入れたのだ。火影からすればナルトと同じ様な孫同然の存在が増えたということ、ルークからすれば初めて肉親の愛情をくれた人物になる。
「お主の言っていた者の企みとやらはまだ先ということか?」
ルークがまだ照れ臭そうに顔を背けているので、仕方なく話を戻すために火影が切り出した。ルークもそれを感じとり顔を火影に向きなおした。
「ん~、まだだな~」
「そうか・・・」
「けどじーさん、何でそんなこと聞くんだ?」
「息子の事を知るのは親の義務じゃ。それに今はワシは休憩中なのでな。それでルークと話したいと思ったついでにナルトに任務の事を伝えただけじゃ」
息子・・・里内でのルークの立場は火影の養子として中忍で活動している。
里内にはルークのような鮮やかな朱色の髪を持っている者はいない。そんなルークが里の中を歩けば不審者として見られる事は間違いない。それで火影が孤児を引き取ったという名目でルークを里の一員として正式に迎える事が出来たのだ。
「あー、そういうこと」
口調は何でもない様に言っているが、ルークの頬は赤くなっていた。
「もしかしてルーク照れてるってば?」
それを見たナルトは意地悪くわざとらしく指摘してきた。
「ばっ!!そっそんなんじゃねーよ!!」
分かりやすい。見た目からは想像は出来ないが実際ルークが産まれてからこれまで歩んできた時間は七年である。見た目は十七でも中身は七歳。それでも一般人が経験する七年と、今までルークが過ごしてきた七年では詰め込まれたものが違うので見た目の年齢以上の知識はある。知識はあるがこういったからかいには経験がなく、実年齢と同じ態度になってしまうのだ。
このほのぼのとしたやりとりを火影は微笑んで見守っていた。
(感謝してるのはわしも同じじゃよ、ルーク)
火影はルークとナルトを見て、心からそう思っていた。
「あー!じいさん話はもう終わったんだろ!!俺は帰るぞ!!」
ナルトに散々からかわれて居心地が悪くなったのか、ルークは強引にナルトの言葉を遮り大声を出した。
「そうじゃのう、話も終わったしもうよいぞ」
そう言い終わるのと同時にルークはその部屋から姿を消した。
「まだからかり足りないってばよ!!じゃあじっちゃん、また明日ね!!」
そう言いナルトもニヤニヤしながら姿を消した。
「ふふっ・・・」
自然と溢れる笑み。火影は確かに幸せを噛み締めていた。
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