焔と渦巻く忍法帖 第二話

「ルークのにいちゃん!俺、下忍になったってばよ!」
そう元気に叫びながら金髪の少年は朱色の髪の青年に嬉しそうにとびかかっていった。
「よかったなナルト!よし、俺が祝いとして一楽のラーメンを奢ってやる!」
「マジで!?やったってばよ!!」
抱きつかれた青年はその報告に同じ様に嬉しそうに答え、少年とその場から足早に一楽へと向かっていった。



「は~、いっぱい食ったってばよ~」
「確かに久しぶりに食べたな、俺も」
至極満足そうな顔をしている二人。腹ごなしに道をブラブラ歩いてると二人の上に鳥が旋回している姿があった。
「じっちゃん?また任務かな?」
「行けば分かる。いくぞ」
「了解だってばよ」
その会話を終え、二人は目にも止まらぬ速さで火影の元へ向かった。






「「火影様、お呼びでしょうか」」
「・・・来たか」
いきなり目の前に現れた二人の暗部に驚くことなく火影はあくまで冷静に対応している。
「変化は解いてよい。言葉使いも元に戻してよい」
「「御意」」
そういい変化を解くと先程の二人組の姿になった。
「何の用だってばよじっちゃん?」
「そうだぜ?今日は完璧な休みだろ?」
姿を解いた瞬間にこの口調・・・本来なら咎められる所だろうが言われた本人はさして気にしていない。その場に注意する者がいないのでその点はスルーされている。
「・・・ナルトに新たな任務を命じるためじゃ」
「ナルト一人に?」
ナルトとルーク、この二人は現在暗部で活動している。例外を除いてナルト達はコンビでの活動しか行っていない。
「そうじゃ。今度の任務はナルトにしかやれん。しかもいつ終わるか分からん任務になる」
「で、どんな任務だってば?」
「下忍の班にうちはサスケをナルトと同じ班に組み込んでおる。任務はうちはサスケの監視じゃ」
「監視?ずいぶん穏やかじゃないな」
ルークがそういうと火影は苦そうな顔をした。うちはは里の名族、そしてサスケはうちはの里内の最後の生き残り・・・そんな人物なら監視ではなく、護衛の筈では?ルークはそう思っていた。






「・・・上層部でうちはの生き残りについての争論があった」
事情を説明することに多少戸惑っていた火影だったが、意を決したのか静かに話し始めた。
「うちはがイタチによってサスケ以外滅ぼされた事で上層部ではうちはを再興させるかどうかという議論がなされた。その際うちはを再興させる事が里の為だという再興支持派と無理に再興させても得はないという否定派に分かれたのじゃ。どちらの意見も間違っておらず、どうしたものかと思い、肝心のサスケの気持ちを確かめたがイタチへの復讐心でいっぱいで一族の再興への執着心はあまりみられなかったそうじゃ」
「あまり?ってことは少しは再興の意思はあるのか?」
「そう言っていたと聞いておる。そこでわしは表向きは担当上忍のカカシに監視を頼んでうちはサスケの状況報告をすると上層部に話した」
「でも本当は俺がやるって事?何でカカシ先生じゃ駄目なんだってば?」
「うちはサスケはまだ子供じゃ。子供同士交流すれば様子を自然と見る事が出来る。それに下忍のフリをするついでの任務だとおもえばいい」
「そういうことか」
「そうじゃ。それでうちは一族の再興ができるかどうかの最終判断はお主に任せる。尚、この任務に至ってはうちはサスケの意思を尊重するため、決定した事柄には極力従うように」
「了解しましたってばよ」
そういい、ナルトは丁寧に頭を下げた。





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