焔と渦巻く忍法帖 第十二話

「これが・・・本当の事なのかどうかというのは正直信じたくはありません。ですが、あなた方がアクゼリュス救助に来られたという事に間違いはないのですね?」
不安に揺られた瞳の当然の質問に、ルークは自信を持って笑顔を強める。
「えぇ、それは間違いありません。現に救助の為の人員は既に街の外に待機させています。後はあなたが私達に救助を一任すると言って下さればすぐに住民の皆様を助けさせていただきます」
ルークの顔を見て、パイロープは疑う目から縋る目を向けルークの腕にしがみつく。
「・・・あなた方が言っていることが本当だというなら今この場に救助が来る可能性というのは無いんですよね?それに今ここで苦しんでいる人達はホントに危険な状態の人がいっぱいなんです。だから・・・救助をお願いします。預言だからと見捨てられて死ぬのを待つのは私も嫌ですし、他の人達も多分そういうと思います・・・」
「では私達に救助を任せてくれますね?」
優しく声を出すルークに、パイロープはただコクりと頷く。それを見たルークは優しくパイロープの肩に手を回し、視線を合わす。
「心配しないで下さい。手早く済ませていきますから・・・じゃあナルト、いくか」
「了解」
微笑をパイロープに見せると、すぐにルークはナルトに真顔で振り向く。
「いいってばよ」
ナルトが入口側に少し戻って手を振りながら声をかける。すると、すぐに大量の白光騎士団の黒バージョンといった服装の兵士達がアクゼリュスの中へ各々バラバラに移動していった。
「あの・・・この人達は?」
その兵士達を見て、どこの軍の兵士なのかとパイロープがルークに視線を向けてくる。
「彼らは私達の私兵です。キムラスカやマルクト、ダアトとは全く関係ありません。彼らは私達の言う事だけしか聞きませんので、安心してください」
実際はこの兵士達はルークとナルトの作った影分身で、本当は暗部の姿の時の影分身を救助役としてもよかったが場所を考えて騎士姿にしたのだ。
「さあ、パイロープさん。あなたも街の外に。救助は私達が行いますので、障気がない場所を確保したキャンプ地にまで下がって行ってください」
「はい・・・よろしくお願いします」
ルークの言葉に頭を下げると、パイロープはその場を去っていった。



「・・・よし、ナルト。サクッと手早く行くぞ」
パイロープがいなくなるのを確認すると、ルークは手を組み前にぐっと押し出して伸びをする。
「わかってるってばよ」
ナルトもかがみながら足を横に伸ばす。
二人とも伸びを終え、普通に立つ体制に入ると突然ルーク達は近くにいた住民を背負っていた影分身兵士とともにアクゼリュスの街中から姿を消して行った。





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