焔と渦巻く忍法帖 第十一話
「おーっし、身代わりご苦労さんっとっ」
部屋に戻ったルークは自らの影分身へと慰安の言葉を渡す。それと同時に影分身は役目を終えて消える。
「・・・猪思考姫(読み方はちょしこうき、突撃的考え方しか出来ないお姫様にはピッタリだろ?byルーク)から城に呼び出しか。アクゼリュスに行かなきゃなんねーから来い、ってか?」
消えた影分身から情報を手に入れたルーク、その表情にはけだるそうな感じがありありとしている。
「しゃーねぇ、行くか」
この茶番に付き合うのも後少しだと、ルークは言い聞かせて部屋のドアから普通に出て行った。
屋敷から出てすぐそこにある城に入ると、いきなり目の前に不快感を感じずにはいられないツーショットをルークは発見した。
(うざってぇ姿さらしてんじゃねぇよ、朝っぱらから。視界の毒だから俺の前から消えろ、ダアト所属の不敬上司と不敬部下一号)
この二人の無作法もここまで来れば見事なもので、何やら重大な秘密を普通の音量でルークと名を呼び捨てにするおまけつきで話している。もうこれは拙いとか言う次元の話ですら無くなってしまっている。
(盗み聞きしたじゃなく普通に聞こえましたっていうレベルだぞこれ。秘密にしてぇなら個人レッスンで内密に部屋でやってこい)
もうこいつらは話す価値すらないと、ルークは不敬師弟を無視してさっさと先へと進んだ。
「ルーク・フォン・ファブレ、只今参りました」
謁見の間に入り、ルークは丁寧に頭を下げる。
「おぉ、待っていたぞ、ルーク・・・して、モースとティアはどうした?二人もこの場に来るはずであるが・・・」
陛下はルークとともに不敬師弟も来ると思っていたのだろう、一緒に来なかった不敬師弟の存在を気にして陛下はルークに怪訝な顔で尋ねる。
「お二人でしたら私が入口のお側で何やら重大な話をされている現場を目撃いたしました。余程重大なお話だったようで、私が近づいても気付かれませんでしたよ。私は二人の様子から話し掛けない方がいいと判断しこちらに参りました」
実際は声をかけることも出来た訳だが、話し掛けることすら無駄な時間だとルークは断じたために声をかけなかっただけだ。
「そうか・・・ならば少し待とう。後は二人だけだ。入口の辺りにいるということであるし、すぐに来るだろう」
陛下はルークの言葉を受け皆に待とうと命じた。
しかし二人が謁見の間に姿を現したのは30分近く経ってからであった。
「・・・モースよ、時間を取りすぎではないか?」
大分待たされた陛下以下部屋にいる面々は、陛下の言葉に同調しているかのような視線を不敬師弟達に一斉に向ける。
「そ、それはルーク様をお待ちしていたのです・・・ですが、ルーク様が既に謁見の間に入られているとは・・・」
その視線を感じているモースは居心地が悪そうに陛下に言い訳をする。
「ルークはそなたらが何やら話している姿を見て、何も声をかけない方がいいと判断したそうだ。ルーク、そなたが二人の横を通った時に二人はそなたに気付いた様子はあったか?」
「いえ、全く」
即答で答えるルーク、だが別段ルークは気配を消していたわけではない。普通にしていたルークにさえ気付かなかった二人に非がある。
「ルークを待つというのはよいが、話に夢中で当の本人を見ていないというのは不注意であろう」
「・・・はっ、申し訳ありません」
「では話を始める、大分皆を待たせた分早く済ませよう」
やはり待たされた事に少し腹を立てていたのか、若干不敬師匠に対する嫌味を含めた言葉で開始を促す。
(これは俺がどうこうじゃなく、こいつらの不注意以外の何物でもないだろ)
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部屋に戻ったルークは自らの影分身へと慰安の言葉を渡す。それと同時に影分身は役目を終えて消える。
「・・・猪思考姫(読み方はちょしこうき、突撃的考え方しか出来ないお姫様にはピッタリだろ?byルーク)から城に呼び出しか。アクゼリュスに行かなきゃなんねーから来い、ってか?」
消えた影分身から情報を手に入れたルーク、その表情にはけだるそうな感じがありありとしている。
「しゃーねぇ、行くか」
この茶番に付き合うのも後少しだと、ルークは言い聞かせて部屋のドアから普通に出て行った。
屋敷から出てすぐそこにある城に入ると、いきなり目の前に不快感を感じずにはいられないツーショットをルークは発見した。
(うざってぇ姿さらしてんじゃねぇよ、朝っぱらから。視界の毒だから俺の前から消えろ、ダアト所属の不敬上司と不敬部下一号)
この二人の無作法もここまで来れば見事なもので、何やら重大な秘密を普通の音量でルークと名を呼び捨てにするおまけつきで話している。もうこれは拙いとか言う次元の話ですら無くなってしまっている。
(盗み聞きしたじゃなく普通に聞こえましたっていうレベルだぞこれ。秘密にしてぇなら個人レッスンで内密に部屋でやってこい)
もうこいつらは話す価値すらないと、ルークは不敬師弟を無視してさっさと先へと進んだ。
「ルーク・フォン・ファブレ、只今参りました」
謁見の間に入り、ルークは丁寧に頭を下げる。
「おぉ、待っていたぞ、ルーク・・・して、モースとティアはどうした?二人もこの場に来るはずであるが・・・」
陛下はルークとともに不敬師弟も来ると思っていたのだろう、一緒に来なかった不敬師弟の存在を気にして陛下はルークに怪訝な顔で尋ねる。
「お二人でしたら私が入口のお側で何やら重大な話をされている現場を目撃いたしました。余程重大なお話だったようで、私が近づいても気付かれませんでしたよ。私は二人の様子から話し掛けない方がいいと判断しこちらに参りました」
実際は声をかけることも出来た訳だが、話し掛けることすら無駄な時間だとルークは断じたために声をかけなかっただけだ。
「そうか・・・ならば少し待とう。後は二人だけだ。入口の辺りにいるということであるし、すぐに来るだろう」
陛下はルークの言葉を受け皆に待とうと命じた。
しかし二人が謁見の間に姿を現したのは30分近く経ってからであった。
「・・・モースよ、時間を取りすぎではないか?」
大分待たされた陛下以下部屋にいる面々は、陛下の言葉に同調しているかのような視線を不敬師弟達に一斉に向ける。
「そ、それはルーク様をお待ちしていたのです・・・ですが、ルーク様が既に謁見の間に入られているとは・・・」
その視線を感じているモースは居心地が悪そうに陛下に言い訳をする。
「ルークはそなたらが何やら話している姿を見て、何も声をかけない方がいいと判断したそうだ。ルーク、そなたが二人の横を通った時に二人はそなたに気付いた様子はあったか?」
「いえ、全く」
即答で答えるルーク、だが別段ルークは気配を消していたわけではない。普通にしていたルークにさえ気付かなかった二人に非がある。
「ルークを待つというのはよいが、話に夢中で当の本人を見ていないというのは不注意であろう」
「・・・はっ、申し訳ありません」
「では話を始める、大分皆を待たせた分早く済ませよう」
やはり待たされた事に少し腹を立てていたのか、若干不敬師匠に対する嫌味を含めた言葉で開始を促す。
(これは俺がどうこうじゃなく、こいつらの不注意以外の何物でもないだろ)
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