焔と渦巻く忍法帖 第十話

その後モースと二人の話し合いは夜になるまで続いた。






「・・・という流れでよろしいですな」
「うむ、わかった」
ようやく話が終わったのを見て、ナルトはさっさとルークと話に外に行こうと思っていた。
「ではわしは臣下を呼んでこのことを伝えよう」
そういうと、インゴベルトは部屋の扉を開ける。
「これ、重臣一同を今から集めよ。和平についての話し合いを始めるとな」
「はっ」
兵士とのやり取りを終えると、インゴベルトはドアを閉めようとする。ナルトはその瞬間にまた凄まじい早さでドアから出ていった。






「オーッス、ルーク」
すっかり夜になって薄暗い部屋に窓から入り込み、ナルトはルークの名前を呼ぶ。
「おう、どうだった?首尾は?」
ベッドに座った形をとっていたルークはナルトと向かい合う形で立ち上がる。
「・・・すっきりさっぱり綺麗に白状してたってばよ~?」
「やめろやめろおまえのその笑顔の時が一番怖ぇ」
声と顔は笑っているのに、話している内容が一般から掛け離れている時。それはすなわちナルトが激昂しているときの前兆、ルークはよくそれを熟知しているため余程の事があったのだとも理解した。
「まぁまぁ、ルークに対してじゃないんだからこの状態でもいいってばよ」
「・・・ごめん、早くナルトが得た情報を提示してください。お願いします」
じゃないと怖いんです、俺が。その言葉をルークは飲み込み、早く激昂している理由を知れば流れに自分も乗れるとナルトの顔に内心怯えながら話を促した。
「んじゃ、話すってばよ」
ルークに促されたナルトは寸分もその笑みと上機嫌そうな声を違わせる事なく、先程のやり取りの事を話始めた。
(うわぁ・・・怖ぇ)






「・・・って訳だってばよ」
「・・・うわぁ、想像以上過ぎる・・・」
中身は確かに想像以上、流石に内容を聞けばこれは拙いものになる。
「けど、ここまで聞いたならもう行動の制限も減るってばよ」
「・・・まぁ、そうだな。ここまで来れば後は流れにそって策を練れば話は全く違うことになる」
さっきまでのナルトに多少怯んでいたルークも、これからの流れを紡ごうと真面目な表情になる。
「・・・なぁ、ナルト。どうせだから意趣返しして『向こう』に行こうぜ」
するとルークは真面目な表情のまま、思い付いたようにではなく前から考えていたかのように言い出す。
「何言ってるんだってばよ、ルーク。ヤらずに戻るなんて俺の気持ちが納まらないってばよ」
言われたナルトはルークが言い出さなければ自分が言い出していたという感じで、ルークに同調する。
「だよなー。じゃあそれも合わせて色々考えようぜ」
「そうするってばよ」






それから二人は夜が明けるまで楽しそうに話し合いを重ねていった(中身自体はえげつなさ百パーセントでしかなかったが)。




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