あるべき形とは何かを見失う者達と見定める者達

「・・・さて、こうして警視庁にまで来ていただいてありがとうございます。工藤優作さんに工藤有希子さん」
「「・・・」」
・・・警視庁の中のとある部屋の中にて。
椅子に座る杉下は机越しの対面上の椅子に座る優作と有希子に話し掛けるのだが、その表情は暗く重い物であった。
「・・・何故こちらに呼ばれたのかその様子では薄々予感はされているかと思いますが、先日の事件で工藤君が警察を呼べたにも関わらず通報をすることなく事件の推理を行い、そしてそこで犯人の抵抗により工藤君自身もですが現場に居合わせただけの方々も巻き込まれる形で怪我をした件に関してになります」
「「っ・・・」」
そんな二人にハッキリ何故呼び出したのかに関してを杉下は口にして、二人は息を呑むしかなかった。改めてそのことだと認識させられたことに。






・・・新一は事件に出会す際に以前だったらすぐに警察に通報するようにしていたが、特命係の事を受けてから事件が起きたら自分が事件を解決してから通報するという行動を取るようになった。これに関しては本人に聞けばたまたまだとか忘れていたというように言っていたが、ハッキリと自分が事件を解決するために連絡を遅らせることを意図的に行っていた。

ただ新一がそうしていることには杉下達も気付いてはいたが、事件が起きて通報が無ければ現場に向かうことなんて出来ないことからどうにも出来なかった。新一がしらばっくれてるのもあり、どうとも言いようがないという形でだ。

だから杉下達もどうにか出来ないかもだが何か取り返しのつかない事が起きる可能性があるのではと不安視していたのだが、それが杉下の言ったことのような形で現実となってしまったのである・・・推理により犯人は明らかになったのだが、その犯人の抵抗により新一もそうだが容疑者となっただけの者達も怪我を負うという事になってだ。






「一応犯人は取り押さえられる事になり更なる死人は出ることはありませんでしたが、それは今別室に来てもらっている毛利蘭さんが現場に来てその犯人を撃退しなければ、工藤君自身も含まれる形で亡くなる可能性もありました。そして既にマスコミも工藤君の負傷を含めて今回の件を報道していますが、だからこそ今回お二人に毛利さん達をお呼びしたのです。今後の工藤君に関してを話し合う為に」
「「っ・・・!」」
しかし杉下は二人が辛そうな様子を見ながらもハッキリ今回呼び出した理由を言葉にしていき、二人はより一層辛そうな表情を浮かばせるしかなかった。予想出来ていた部分があったとは言え、改めて息子のやったことや置かれている状況を認識させられて。






・・・一応というかそんな犯人に関しては新一が園子と共に場から離していた蘭が騒ぎを聞きつけ、襲い掛かった犯人を空手で撃退したことにより事なきを得ることになった。そしてその後始末の段になって警察と共に救急車も呼ぶことになるのだが、最初新一は今回の件に関してはマスコミに情報が流れないようにしてくれないかと救急車に乗る前に現場に来た目暮に願った。流石に今回の件に関してが情報媒体に流れるのは色々とまずいと感じたことでだ。

だがそんな新一の考えなど知ったことではないとばかりにマスコミはその事件の事を報道したのである。推理で犯人が明らかになった後の抵抗で新一達が怪我をしたことだとかが明るみに出る形でである。

この事に何でと病院にいる中で新一は呆然とすることになるが、優作達はそんな中で警視庁に来てくれという要請が来てそれを断れずに蘭達と共に警視庁に来たのである。今回の件に関して色々と話をしなければならないと、明らかに良くない雰囲気を感じる形でだ。









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