あるべき形とは何かを見失う者達と見定める者達
「そういうことだが、工藤君はそんなことになっても自分ならどうにでも出来るとでも思うだろうから、仮に俺から組対五課に協力をしてくれなんて言い出したら一も二もなくはいって頷くのが想像出来るんだよ。今の捜査一課が特命係の影響で工藤君に協力をしてくれなんて言える環境じゃないってのも相まって、それで改めて自分の価値を認めさせて前のような関係にしてやるってな」
「ですがそんなことにしてしまえば特命係が設立された意味が無くなりますし、仮にそれで工藤君が襲撃されようものならどうなろうが角田課長は責任を問われる問題となるでしょうな」
「まぁな。だから俺もそうだが他の課に関しても工藤君に協力をなんて言いはしないだろうが、目暮警部に関しちゃそういった遺恨だ危険だなんて事は有り得ねぇって思うどころか、考えてすらいねぇんだろうよ。事件を解決する工藤君が恨まれることなんてねぇだとか、事件を解決すればはいそれまでで終わりだとかって風に思ってな」
「あぁ・・・確かにそんな感じでしょうな。あの方の様子なら」
そうして新一についてもだが目暮についても自分の感じたことを口にしていき、米沢も納得する中で角田はカップに口をつける。
「・・・ま、そこら辺はお前らで頑張ってくれ。俺は特命係の邪魔する気はないし変に場をかき乱すような事をするつもりはないからよ」
それで角田は口元を笑ませた後で言いたい事を言うと特命係を後にしていき、三人はその姿を見届けた後で杉下が口を開く。
「・・・まぁ角田課長もあのように言ってくれた事ですし、我々はこれまで通り頑張っていきましょう。今日に関しては工藤君が早めに事件を解決してしまったのでどうしようもありませんが、やるべきことは他にもありますからね」
「えぇ。取り敢えずは講義の準備をしていきましょう」
「では私はこれで失礼します」
そうして新たにやるべきことをやると口にする杉下に伊丹も同意するよう頷き、米沢はそんな二人のやり取りを見て場を後にすると言ってその場から立ち去っていく。
(・・・前のように伊丹警部は杉下警視に反目するような様子は見えませんが、元々あの時は捜査権が無いのに普通に現場に立ち入ってくる事からであり、本人に聞けば仕事だからというように返しそうではありますが・・・やはり元々の相性自体はそこまで悪くはなかったんでしょうな。伊丹警部からしたなら単純に決まりを破ってまで勝手を行うその姿勢が問題だと思ったのであって、そうでないのなら素直にとは言わないものの頼る事は杉下警視の能力もあって出来るのでしょうから)
そんな米沢は伊丹が聞けば確実に否定するだろう事を内心思いつつ場を去っていく。以前であれば決して有り得なかっただろう光景を思い返しつつ。
・・・杉下と伊丹というか、今は同じ特命係に所属していて場にいなかった芹沢に三浦といった面々は以前は杉下とは然程仲は良くはなかった。だがそれは米沢が考えていたように捜査権が無いのに杉下達が勝手に事件に首を突っ込む事を良くないと思っての行動であって、実際のところとして人間的な意味で本当に伊丹達は杉下達を心底から嫌っていたなんて事はなかった。そしてそれは杉下達からしても同様の物でもあった。
だがその事を言えば米沢という人物だったのも相まって伊丹が不機嫌に文句を言うだろう事が想像出来た為、米沢は黙ることにしたのである。ある程度の腹芸は出来るが必要のない場面では態度を取り繕うような事はしないあけすけな部分がある伊丹だからこそ、特命係に配属されて実質的な杉下の相棒と見られていることに不満を持っていない姿が見える事についてを言ったらそうなると見えたが為に・・・
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「ですがそんなことにしてしまえば特命係が設立された意味が無くなりますし、仮にそれで工藤君が襲撃されようものならどうなろうが角田課長は責任を問われる問題となるでしょうな」
「まぁな。だから俺もそうだが他の課に関しても工藤君に協力をなんて言いはしないだろうが、目暮警部に関しちゃそういった遺恨だ危険だなんて事は有り得ねぇって思うどころか、考えてすらいねぇんだろうよ。事件を解決する工藤君が恨まれることなんてねぇだとか、事件を解決すればはいそれまでで終わりだとかって風に思ってな」
「あぁ・・・確かにそんな感じでしょうな。あの方の様子なら」
そうして新一についてもだが目暮についても自分の感じたことを口にしていき、米沢も納得する中で角田はカップに口をつける。
「・・・ま、そこら辺はお前らで頑張ってくれ。俺は特命係の邪魔する気はないし変に場をかき乱すような事をするつもりはないからよ」
それで角田は口元を笑ませた後で言いたい事を言うと特命係を後にしていき、三人はその姿を見届けた後で杉下が口を開く。
「・・・まぁ角田課長もあのように言ってくれた事ですし、我々はこれまで通り頑張っていきましょう。今日に関しては工藤君が早めに事件を解決してしまったのでどうしようもありませんが、やるべきことは他にもありますからね」
「えぇ。取り敢えずは講義の準備をしていきましょう」
「では私はこれで失礼します」
そうして新たにやるべきことをやると口にする杉下に伊丹も同意するよう頷き、米沢はそんな二人のやり取りを見て場を後にすると言ってその場から立ち去っていく。
(・・・前のように伊丹警部は杉下警視に反目するような様子は見えませんが、元々あの時は捜査権が無いのに普通に現場に立ち入ってくる事からであり、本人に聞けば仕事だからというように返しそうではありますが・・・やはり元々の相性自体はそこまで悪くはなかったんでしょうな。伊丹警部からしたなら単純に決まりを破ってまで勝手を行うその姿勢が問題だと思ったのであって、そうでないのなら素直にとは言わないものの頼る事は杉下警視の能力もあって出来るのでしょうから)
そんな米沢は伊丹が聞けば確実に否定するだろう事を内心思いつつ場を去っていく。以前であれば決して有り得なかっただろう光景を思い返しつつ。
・・・杉下と伊丹というか、今は同じ特命係に所属していて場にいなかった芹沢に三浦といった面々は以前は杉下とは然程仲は良くはなかった。だがそれは米沢が考えていたように捜査権が無いのに杉下達が勝手に事件に首を突っ込む事を良くないと思っての行動であって、実際のところとして人間的な意味で本当に伊丹達は杉下達を心底から嫌っていたなんて事はなかった。そしてそれは杉下達からしても同様の物でもあった。
だがその事を言えば米沢という人物だったのも相まって伊丹が不機嫌に文句を言うだろう事が想像出来た為、米沢は黙ることにしたのである。ある程度の腹芸は出来るが必要のない場面では態度を取り繕うような事はしないあけすけな部分がある伊丹だからこそ、特命係に配属されて実質的な杉下の相棒と見られていることに不満を持っていない姿が見える事についてを言ったらそうなると見えたが為に・・・
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