あるべき形とは何かを見失う者達と見定める者達

「・・・まぁ目暮警部もどうかとは思うが、工藤新一も工藤新一でそれではい事件に関わるのを止めますみたいな風にするなんざ有り得ねぇってなるだろうよ」
「これは角田課長・・・話を聞いていたのですか?」
「ま、隣だからね。コーヒーもらうよ」
そんな時に組対五課から角田がカップを持ちながら現れ、入口辺りに置いていたコーヒーメーカーに向かう。
「・・・まぁ話を聞いてたから俺の立場からも言わせてもらうと担当してるモノが色々と違うってのを前提にしても、一般人に警察の仕事の解決の片棒をかつがせるのは違うというのをちゃんと考えるべきだと俺は思うよ。だってそれを認めるってなるなら俺のとこでもどうにか動いてくれってなるだろうしね」
「組対五課の仕事か・・・確かに時々荒事やらも絡んでくる事を考えると探偵を名乗るだけの一般人を巻き込むなとなるでしょうね」
「まぁ流石に目暮警部もそこまで頼るのは違うとは言うだろうが、肝心の工藤君は俺がもし協力を願ったら簡単に頷きそうだって感じになると思うんだよ。探偵として頼られてるんだし、自分がいなけりゃ事件が解決しないんなら喜んでってな。ただ伊丹が言ったように荒事も珍しくないのもそうだが、何より本来なら組対五課がやるような仕事ってのは結果だけを発表するくらいなら警察や五課が敵視されるだけで済むが、あの工藤新一の様子を考えると事細かに詳細を明かして面倒事を引き起こすのは目に見えるんだよ。それが関連の組織やら何やらからしたら面子を壊されただとか厄介者を始末するって風に動くって感じの面倒事をな」
「あ〜・・・今の時点でも恨みを買ってる可能性だってあるのに、そんなことになれば組対五課としてもだけれど工藤新一を敵視する可能性が高くなるってことですか」
そうしてコーヒーを入れつつ自身の目からの話をしていく角田に、伊丹もそうだが米沢も微妙そうに納得する表情を浮かべた。もし組対五課にも協力と言う未来があったら、ろくでもない未来が目に見えると。






・・・警察は一般人からすれば一般人の味方なのだが、それはやましいことをしていない人達からすればだ。その点で確かに新一はマスコミからの取り扱われ方もあって警察の救世主としてヒーローといった扱いになっていたが、それは警察に逮捕される側からすれば新一に目を付けられれば厄介極まりない事になるということにも繋がる。

その上で組対五課は薬物銃器対策課という別名があってそれらを取り扱う者達・・・いわゆる反社会的勢力が大抵相手になる部署であって組織だって行動している相手がかなり多いのだが、そんな相手は警察相手なら迂闊な行動を取れないと見るだろうが個人として動く上でヒーロー気取りな新一が、自分達やそこに近い者達を排除しようと動こうとすると言ったならどうなるか・・・簡単に言っても新一を一人になった時に排除しにかかることは明確であった。マスコミに多大に取り上げられていることもあり、むしろ警察を相手にするより新一一人を排除すれば警察の驚異が大幅に下がると見る形でだ。

そうなれば新一がそれらの手をどうにか出来るかどうかは分からないが、そうなればマスコミは新一の行動をあげつらうよりも警察の責任があるのではと言うことだろう。新一がこんなことになったのはお前らの不行き届きだろうと、様々な視点からの言葉でだ。だからそうなれば警察の求心力は一気に下がり様々な不都合が起こることだろうことを角田は言ったのである。新一に協力をする是非についてを。









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