あるべき形とは何かを見失う者達と見定める者達

・・・ただそのように新一が様々な気持ちを抱きはするが事件自体は解決していることから目暮達は後片付けを終えたからもう帰るとなり、新一ももう帰らざるを得ないとなって場を解散となった。






(・・・出来ることなら新一君に協力したいところだが、今のままではやはり無理というのはどうしようもないか・・・)
・・・それで撤収となり警視庁に帰るパトカーの中、目暮は何とも言い難そうな様子で窓枠に肘を当てこめかみに拳を当てながら思案していた。優作からの付き合いもあるからこそ新一のことをどうにか出来ないかというように。






・・・警視庁内で特命係の事を歓迎する気運が高まっている中、敢えて特命係の事を歓迎しないとまでは公言しないものの歓迎出来ないという気持ちになっている者自体は存在している。これは目暮のように新一に頼ればいいと考えている者であったりそこまで仕事に従事するような人物でなかったりもだが、特命係の面々に関してを気に入らないという者もいることからだ。

特命係を気に入らないというのは何故かと言えば単純に所属している人が気に食わないという事からである。これは特命係の長である杉下もそうだがそこに所属している面々の事を気に入らない者も少なくないからだ・・・この辺りは人間同士の事であるから人が人を嫌いになることはある程度は仕方無い事であるし、仕事に従事したいと思わないような考え方をしていない者にとっては特命係の教えは絶対に受けなければならない物でこそはないが、周囲の意識が高くなることに居心地が悪いと感じる者も出て来ている事があるからなのである。

ただ目暮達に関しては事情が異なるというか、新一というか親である優作からの関わりもあって単純に新一との付き合いやその気質から、特命係の事は嫌いではないが新一の活躍を妨げる何とも言い難い存在という私情が混ざった気持ちを抱いていた。うがった物の見方はあまり出来ないタチではあって、それでも特命係を設立したその狙いや行動に関しては素直に警察の為になるとは感じてこそいるのだが・・・目暮達としては新一がマスコミに警察の救世主というように扱われていることを肯定的に捉えると共に、新一がいる場や自分達が向かう場なら特命係を差し向けなくてもいいのではという気持ちをだ。

だが現実はそうはならず特命係が設立されてからは自分達も行くからと新一への連絡についてを牽制され、次第に警察内でも自然と事件が起きれば自分達だけでなく特命係に連絡を行かせるのは当然となってしまって、とても新一へと連絡など出来なくなってしまった。そんなことをしてしまえば前は同じ一課にいて仲は元々から良くはなかったが、特命係へと出向となり杉下の相棒と見られている存在からの敵視からの皮肉にまみれた嫌味な言葉が向けられるのは容易に想像がついたからだ。

ただそれでもと新一を呼ぶことを強行しようと思ったことも事件解決の為にと考えないでも無かったのだが、それは特命係というか杉下がことごとく事件を解決した事により立ち消えになってしまって目暮も杉下の実力を認めざるを得なくなってしまったのである。杉下は新一に勝るとも劣らない実力を秘めているということを。

だがそうして実力を認めざるを得ないのと新一が自分も事件解決の為に動きたいと思う気持ちをどうにかしたいという考えとは別物であり、目暮としてはどうにかならないかと考えるようになっているのてある。それが本来なら警察の人間ではない存在を頼るという本来あってはならない行動だということを考えもしないままに・・・









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