子を持てば親として、大人として成長するか? 後日談

そして探偵となってからの友人が出来なかったのは、単純な話として表面上の顔はいいのだがその実として推理や探偵以外の事に関しての興味だったり、趣味嗜好が合わない相手と新一が付き合うような気持ちになれなかったからだ。

ただたまにそういったことに興味ありますとか好きなんですというような人物だったり、何なら弟子入りしたいといった人物も来ることはあったのだが、そういった人物達はことごとく探偵としてを優先していくプライベートの新一の姿を見て去っていく事を選んだのである・・・この辺りは流石に新一程探偵や推理の為にプライベートを全て捧げられる程に熱狂していなかった事もあるし、少なからず蘭達との事についても聞いていったからこそそういった人物達も少なからず考えたのだ。新一のようになることは自分は出来ないし、この探偵や推理以外にほとんど趣味も興味もないような男とどう付き合っていいか分からないというように。

だから新一には仲良くだとか弟子になれる筈だった面々は時折現れるがことごとくいなくなる事になって、何度か依頼に来るような人だとか仕事がない時に立ち寄る店だとかで顔見知りといった関係まではなれても、揃って友達なんて関係にまでなる程にはならずに新一は人との出会いこそは沢山あったものの・・・主に蘭達との関係や自分がやってることが正しいと信じて止まないことから、探偵となってからの友達なんて一人も出来なかったのである。推理や探偵についてを深く話し合うだとかもそうだが、新一の行動を諌めたり家族も含めての将来を考えろと勧めてくれるような友達など一人たりとて・・・






「・・・そんな反応なのは誰一人も貴方にこういったことだとかに限らず色々話せる友達とかって出来なかったんだろうし、服部君とかにも話をしたりとかしてこなかったのは分かるわ。ずっと自分はこれでいいし仕事もちゃんとやってるから、別に仕事以外で小難しく何か考える必要はないし話す必要もないってね」
「ぅっ・・・!」
蘭はその反応に察したというように呆れを隠せず漏らすが、新一は否定したそうだが我慢するよう声を漏らすしか出来なかった。言われたことに嘘も否定出来る要素も無かったために。
「・・・本当だったら貴方には今日でこの家の解体に関してを頷いてもらいたいって思っていたけれど、もう今日は終わりにしましょう新一。後は優作さんには私から連絡するから、この家の本の片付けをする時までに考えてきて。私もその時には一緒に片付けるようにするから優作さんと結論を聞くわ」
「そ、それは・・・」
「今の貴方はちゃんと冷静に考えられるような様子じゃないと思ったからこう言ってるの。それともここで無理矢理でも今どうするか決めろって言われたいの?」
「そ、そんなことねぇよ・・・分かった・・・取り敢えずその時までにはどうするか決めるようにする・・・」
しかしそこまで来てもう後は優作との片付けの時にというように言い出した蘭に何かを言いかけた新一だが、考える時間についてを言われるとシュンとなりながら頷くしかなかった・・・新一としては家を守りたいという主張を曲げる気はなかったのに、気を遣われたという事に加えて実際ほとんど平静とは程遠いのは新一自身も理解は出来ていた為に。









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