子を持てば親として、大人として成長するか? 後日談

「じゃあ改めて話を戻すとは言ったけれど・・・まぁ取り敢えずマンションを買って引っ越す事についてまで戻すけど、これに関しては貴方はまだまだ早いとか言うと思うけれど、私の終活も兼ねての事よ」
「えっ・・・終活?」
そうして改めて話を開始と蘭は雰囲気を戻して言うのだが、終活との言葉に新一は何故といったような反応を浮かばせる。
「これに関しては優作さん達が買った物ばかりだとしても、この家に物が多いことよ・・・特に本に関しては貴方の方が知っているでしょうけれど、見る人が見ればこの本があるなんてって驚くような貴重な物が結構あるんでしょ?」
「ま、まぁそれは俺もよく知ってはいるけど・・・それと終活に何の関係があるって言うんだよ・・・?」
「貴方がこの家やこの家の中にある物をどうするかに関しては一先ず置いておくにしても、私としてはビルの事もそうだけれど他に私の遺した物で楓の面倒になるようなことにしたくないから、マンションへの引っ越しについてを考えていた時にもうこの際だからそれからの生活で必要な物と不必要な物を分けたいというか・・・分けるべきだって思ったのよ。もう私も歳だからやれることなんて限られてきてるのもあるし、思い出だからでこの家に持ってはきたもののもう長いこと使ってない物もいくつもある。だから楓に迷惑をかけないためにもだし、一度目の終活として今使ってない物をスッキリさせるためにもマンションへの引っ越しをしようって決めたの。もうその時に今必要ない物を捨てて、もうマンションでも暮らせないってなるくらいに体が駄目になる前の時に最後の終活をするようにしようってね」
「・・・だから一回目の終活って言ったのか・・・」
蘭はそこでこの家の事を言いつつも自身の物に関してを考えたことを話していき、新一もそういったことからの言葉かと納得した。一回目という言葉は次があるからこその物であり、今からそれを考えてるのだと。
「ただここで置いておいたこの家の中にあるものに関してだけど・・・ある意味これに関しては家そのものを残すより難しいことだって優作さんは言っていたわ」
「えっ・・・ど、どういう事だよ・・・?」
しかしここでこの家の物についてもだが優作の名を蘭が出してきたことに、新一は不安げな表情を浮かばせた。家そのものより難しいとの不穏な言葉に。
「仮にこの家と一緒にここの物も一緒に残すとするなら、私は絶対に楓に後始末をさせないようにという手続きをするようにはするわ。そしてそれでもいいってなった後で誰かにここに住んでほしいと言うなら、もうこの家や土地の権利なんかは誰か個人でここを買いたいという人に売るか、不動産屋さんに売るかのこの二つくらいしかないって優作さんは言ってたけれど・・・」



「その時に家に関してはいいだろうし家具や家電はアンティーク物だとかちょっと古めの物になるくらいでそういった物付きの物件として売れる可能性はあるけれど、本まで含めてとなると買い手がつかないことは十分有り得ることもそうだけど、売り手になった管理する不動産屋の人だったりその家を買った人が本はいらないからって処分するなり、その本の価値を分かるか分からないかは別にしてとっとと本を売り払ってしまうといった可能性が高いってことらしいわよ」



「!?」
・・・そしてそのまま新一が思うようなこの家を保全したいと思っても死後にどうなる可能性が高いかと蘭から聞いて、たまらず目を見開かせた。本付きとまでなると家が売れないばかりか、本がむしろ邪魔物扱いされてしまう可能性が高くなるという優作の推測に。









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