子を持てば親として、大人として成長するか? 後日談

だからそういったように考えた小五郎が考えたのが自分に対しては何処かしらおっちゃんだからとなめた態度を取るだろうから、結婚する前の蘭だったらむしろ同調していただろうが今の蘭なら時間が経っても新一にどのように言い寄られても大丈夫だろうということから、新一の処遇を任せたいと考えたとの事だった。そして所有権を任せるのはそれらを為し遂げてもらうための報酬も兼ねての物でもあるのだと。

そこまで聞かされて蘭は小五郎の本気の度合いの高さを感じたものの、それならもういっそ新一にあそこを買い取らせた上で新一が亡くなったら解体が自動的に出来る段取りを組むようにすれば、新一の事でどうこう考える必要はないんじゃないのか・・・というように問い掛けた。後の事を新一一人に押し付けた方がいいんじゃないかと。

だが小五郎がこれは優作さん達や英理と四人で話し合った結果だと告げたことや英理が静かに頷いた事に、蘭はどういうことなのかと混乱することになったのだが・・・四人で話し合った中身の核心についてを聞かされた蘭はそういうことかと納得すると共に、自分も協力すると即決したのである。百歩どころかどれだけ譲っても新一の為になんて言えないような話の中身だったが、自分も新一をこれまでのようにさせるつもりはないと考えたが為に。

そしてそれを実行に移す時が来たと断じる事にしたのは、病床の小五郎が俺の死をきっかけにしろと言ってきたからである。理屈攻めだと屁理屈や駄々をこねる可能性は高いが感情に訴えかけるような状況・・・言うならば俺が死ぬ前に願っていた事だというように言えば、新一は勢いを失って話を通しやすくなるだろうからと。

だから蘭はその言葉に頷くと共に、ここで優作達から言われたことについてもまとめて片付けるために新一との一対一の構図を作り出したのである。新一の性格上後でなんて事にされたら自分の都合を優先しかねない上に、まだ小五郎が亡くなってから一週間も時間が経ってないという状況を利用して全部終わらせるためにと。






「・・・というか新一。お父さんの最期の頼みになるのに、お金が入るならその方がいいだろみたいに言ったのは流石に聞き逃せないわよ・・・いくらなんでも貴方がそういう風にしたくないからって、そんなことを言うなんて思わなかったわ・・・!」
「っ!わっ、悪い!今のは流石にいくらなんでも俺が駄目だった!おっちゃんが亡くなったばかりだってのにそんなこと言っちまって・・・!」
ただそこで蘭は静かに怒りを滲ませつつ漏らした声に、新一もすぐに焦りと共に謝罪の為に頭を下げた・・・蘭も小五郎も納得済みでやっているとは言え、いくらなんでも死んだことより金を取れと言われたことは蘭も我慢が出来なくなって、新一もたまらず謝らざるを得なくなる程に怒りが沸いた為に。
「・・・本当に悪いと思ってるなら二年後には絶対にあの事務所を出るようにして。別に貴方が探偵を辞めるようにと言っている訳じゃないんだし、事務所自体は何処かを借りれば済む話でしょう?」
「そ、それは・・・」
「今すぐそうしろって言ってる訳じゃないの。二年っていう時間があるんだから仕事があるから探せないなんて言い訳は使わせないわ・・・もしその時にそんなことになったら待つなんて事はしないから、探偵を続けたいなら新しい事務所の場所は自分で探して契約ももし貴方に何かあったら貴方で留まらせて貴方だけで終わらせられるような形にして。いいわね?」
「っ・・・わ、分かった・・・そうするようにする・・・」
しかし怒りを滲ませつつも冷静に将来の為に言うべき事は言っていく蘭の言葉に、まだ怒りのプレッシャーを感じているのもあって新一は圧されつつ頷く以外に出来なかった。









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