子を持てば親として、大人として成長するか? 後日談
小五郎がそうした理由に関してだが、これは楓が産まれてからの新一の態度が主な理由だった。仕事ばかりで家に帰らないし、帰ってきてもろくに家の事はしない新一の様子に・・・かなり後で小五郎は蘭に暴露する事になるが、このままが続けばいずれ二人が離婚すると共に楓を引き取ることになる可能性が有り得ると見たから、そうなった場合に備えて蘭が使える金を持たせておきたいという気持ちからだとの事だった。
しかし当時の小五郎はそんなことはおくびにも出さずもしもの時の金として俺を介さずに貯めるだとか使うようにするためだから、新一にはその金の事を言ったら面倒な事になるだろうからあいつには内緒にしながら受け取れと言われて、蘭もそういうことならとその当時は特に疑うことなく事務所の分の家賃を受け取ることにした。金はあって困るものではないし、小五郎が真剣にそうしようと勧めてきた事で自分達の為になるようにしたのだと聞いてだ。
ただそうして時間が経って小五郎が還暦という節目に立ってその挨拶に英理と共に向かったのだが、そこで事務所の家賃についての真実を告げられたこともそうだが蘭にあのビルの所有権に事務所の下の店舗の家賃もやるようにすると言われたのであるが・・・そう告げられた蘭は混乱する以外になかった。百歩譲って事務所の家賃に関してはそんな狙いがあったのはまだともかくとしても、ビルに関する全てをやるなんてどういうことなのかと。
ただその理由に関しては後に繋がることになるのでここでは割愛するが、それらの話を受けて蘭はビルの所有者という立場になった。しかしその所有者になったという話に関しては優作達にはその時の経緯も交えて話をしたが、新一には小五郎が70になった頃にもう生前贈与も兼ねて所有権を譲り受けたとだけしか話さなかった・・・この辺りを詳しく新一に話しても否定やら何やらといった事ばかりを口にして面倒になるのが目に見えていたからだ。だからとっくの10年前に受け取っていたとは言わなかったのである。
それでそうしてビルの所有者になって建築法やら老朽化の件から家賃を引き下げる事については流石に新一に言わなければいけないかと蘭も考えていたが、そこは小五郎も優作も共にそんなことしなくていいと言ったのである。何も言ってこないならそのまま家賃を徴収すれば蘭の物だということもだが、上の居住区の事を含めれば妥当どころか今でも破格の値打ちなのだと言えば黙らざるを得ないだろうからと。
「・・・それで次に第三の理由だけど、お父さんの気持ちとしてはもうあのビルについては私には申し訳無いけど、私が元気な内に私に終わらせるようにしてほしいっていう要求があったからなの。もう下手にあのビルの解体はまだ先でいいだろうとか思わないようにって以上に、あのビルの後始末をもう私達が亡くなった後に楓がやらなきゃいけないような事態を避けるために蘭がやってくれって」
「えっ・・・楓がやるってどういうことだよ?」
「・・・もっと分かりやすく言った方がいいなら直接的に言うけれど、私やお父さんからしたら貴方がずっとあそこで探偵をやりたいからで居座り続けて、それでタイミングをどうするかってなってる内に貴方も私も死ぬなんて事にならないようにするためよ。要は・・・楓に面倒をかけないために、貴方にその二年であそこから出ていって欲しいのよ」
「っ!?」
それでこれが肝心要だと蘭が告げた第三の理由と直接的な本音の言葉に、新一はたまらず顔色を青くして絶句してしまった。いくら楓の為というちゃんと理由があるとは言え、蘭に亡き小五郎から事務所を追い出すといった言葉を聞きたくなかったというよう。
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しかし当時の小五郎はそんなことはおくびにも出さずもしもの時の金として俺を介さずに貯めるだとか使うようにするためだから、新一にはその金の事を言ったら面倒な事になるだろうからあいつには内緒にしながら受け取れと言われて、蘭もそういうことならとその当時は特に疑うことなく事務所の分の家賃を受け取ることにした。金はあって困るものではないし、小五郎が真剣にそうしようと勧めてきた事で自分達の為になるようにしたのだと聞いてだ。
ただそうして時間が経って小五郎が還暦という節目に立ってその挨拶に英理と共に向かったのだが、そこで事務所の家賃についての真実を告げられたこともそうだが蘭にあのビルの所有権に事務所の下の店舗の家賃もやるようにすると言われたのであるが・・・そう告げられた蘭は混乱する以外になかった。百歩譲って事務所の家賃に関してはそんな狙いがあったのはまだともかくとしても、ビルに関する全てをやるなんてどういうことなのかと。
ただその理由に関しては後に繋がることになるのでここでは割愛するが、それらの話を受けて蘭はビルの所有者という立場になった。しかしその所有者になったという話に関しては優作達にはその時の経緯も交えて話をしたが、新一には小五郎が70になった頃にもう生前贈与も兼ねて所有権を譲り受けたとだけしか話さなかった・・・この辺りを詳しく新一に話しても否定やら何やらといった事ばかりを口にして面倒になるのが目に見えていたからだ。だからとっくの10年前に受け取っていたとは言わなかったのである。
それでそうしてビルの所有者になって建築法やら老朽化の件から家賃を引き下げる事については流石に新一に言わなければいけないかと蘭も考えていたが、そこは小五郎も優作も共にそんなことしなくていいと言ったのである。何も言ってこないならそのまま家賃を徴収すれば蘭の物だということもだが、上の居住区の事を含めれば妥当どころか今でも破格の値打ちなのだと言えば黙らざるを得ないだろうからと。
「・・・それで次に第三の理由だけど、お父さんの気持ちとしてはもうあのビルについては私には申し訳無いけど、私が元気な内に私に終わらせるようにしてほしいっていう要求があったからなの。もう下手にあのビルの解体はまだ先でいいだろうとか思わないようにって以上に、あのビルの後始末をもう私達が亡くなった後に楓がやらなきゃいけないような事態を避けるために蘭がやってくれって」
「えっ・・・楓がやるってどういうことだよ?」
「・・・もっと分かりやすく言った方がいいなら直接的に言うけれど、私やお父さんからしたら貴方がずっとあそこで探偵をやりたいからで居座り続けて、それでタイミングをどうするかってなってる内に貴方も私も死ぬなんて事にならないようにするためよ。要は・・・楓に面倒をかけないために、貴方にその二年であそこから出ていって欲しいのよ」
「っ!?」
それでこれが肝心要だと蘭が告げた第三の理由と直接的な本音の言葉に、新一はたまらず顔色を青くして絶句してしまった。いくら楓の為というちゃんと理由があるとは言え、蘭に亡き小五郎から事務所を追い出すといった言葉を聞きたくなかったというよう。
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