「・・・分かっていたこととは言え、やはり新一が蘭と付き合うことはあまり心地好くないか」
「まぁそれはな・・・昔から二人の事は知ってるからそうなるんじゃないかって言うのは予感はしていたけど、年が経つにつれて感じてしまうんだ・・・今は蘭は毛利さんと距離が空いてるし工藤家に嫁ぐなら問題はないって思いたいんだが、毛利さんのことを酷い見方や言い方をするんじゃないかって思うとどうしても気分は良くない・・・」
「確かに気持ちは分かる。だが蘭が行かず後家になることなど毛利さんは望んでいないだろうし、何より蘭は新一としか付き合おうとしてないだろうし新一もまた蘭以外の相手を見付けようという気にはならんだろう。それに何より俺達の一存だけであの二人を別れさせるような事など、普通に考えれば許されることではない」
「それは分かっているさ・・・まぁこればかりは俺の気分だから仕方ないんだけどな」
「気持ちは分かるさ。俺も同じような物だからな」
その様子にルルーシュは理由を聞くが何とも言いがたそうに返していくカミーユの姿に、苦笑気味に同意する・・・蘭の小五郎に対する態度もそうだが、新一の事をあまり好きになれない二人であっても想いあう二人の恋路を気に入らないだけで邪魔するのは流石にいけないと感じている為に。



















・・・そんな会話をした明後日。学校が休みということに加えて昼はまず事務所にいると小五郎に聞いた二人は、一緒に昼御飯を食べようと買い物をした後に小五郎の事務所に向かった。



「・・・お父さん、入るよ～」
「蘭・・・って、なんだそのガキは・・・？」
・・・食事も終わり、片付けも済んで三人でテーブルを囲みゆっくりしていた時間の中・・・唐突に一年ぶりに訪れてきた蘭もそうだが、その手に引かれて入ってきた子どもに小五郎は怪訝そうに表情を変える。いかにもいい服を来た眼鏡の子どもで、利発そうな様子の子どもを見て。
「っ・・・」
「・・・？」
そしてその傍ら、その子どもを見て僅かに眉を寄せるカミーユにルルーシュは僅かに表情に疑問を浮かべる。
「ほら、自己紹介してコナン君」
「うん・・・僕、江戸川コナンって言うんだ。よろしくね！」
「っ・・・！」
ただ蘭が笑顔で子どもに自己紹介をするように言って子どもが元気よく笑顔で名前を言う様子に、カミーユは一層ゾクリとしたように体を震わせた。
「・・・おいどうした、カミーユ？」
「い、いえ・・・それよりその子どもはどうしたんだ、蘭？」
「あぁ、その事なんだけれど・・・お父さん、コナン君の事をちょっと預かってくれない？」
「はぁ？久しぶりにここに来たと思ったら、いきなり何を言ってんだ？何で俺がいきなりそいつを預からなきゃなんねーんだよ？そんな初めて会うようなガキをよ・・・」
流石にその反応に小五郎も心配そうに声をかけるが、カミーユが動揺しつつ話題を元に戻そうと蘭に話を振ると、いきなりの要求に何故と目を細めながら問い返す。縁もゆかりもないどころか初対面の自分に預けようとする意味が分からないと。
「それがね～・・・最初新一が帰ってきてないかって家に行ったんだけど、新一は帰ってない代わりに阿笠博士とコナン君がいたの。それで話を聞いたら博士の親戚の子だって事らしいんだけど、しばらく両親と離れて暮らさないといけない事情があって阿笠博士に預かってもらいたかったらしかったらしいんだけど、阿笠博士もちょっと都合が悪いらしくて・・・」
「おいちょっと待て・・・そいつをお前が面倒見るって言って英理ん所に行くっつーんなら俺に反対することは出来ねぇが、何で俺の所に来るんだよ？」
「それがコナン君、うちの事を話したら女の人しかいない所は嫌だって言って聞かないのよ・・・でも他に頼れる男の人のいるところなんてないし・・・」
「だからって安請け合いすんなってのもそうだが、そもそもそういった事情があんなら連絡くらいしてこいよ・・・」
蘭はその声にいかにも困ったと言うようにコナンの身の上とここに来た理由を話していくが、その中身に思わず脱力しかけながら小五郎は文句を口にする。いきなりここに来たこととそんな子どもを自分の判断だけで連れてきた事実を前にし。









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