子を持てば親として、大人として成長するか?

「まぁそこに関しては楓の言う通り後で話すことにするが、少し休むと言うなら家族サービスにも時間を回す予定はあるのか?」
「えぇ、それくらいはさせてもらいます。日本への挨拶回りに関しては俺の都合で学校もあるから来なくてはいいとは言いましたけど、それからは時間もしばらく取れますからやれることはやろうと思います」
「そうか・・・ならいい。たまに会う時には楓はそういったことは時間が取れるならやっているとは聞いているし、楓がそう思い込んでいるだけではないことは奥さんや子ども達の言葉から分かっているからな」
ただそれで空気を変えるよう優作は話題を家族サービスについてに移行すると、楓は当然というように返す姿に安心といったように返す。






・・・最初優作や蘭達は楓が結婚するという報告を受けた時、色々な意味で大丈夫かという考えが浮かんだ。アメリカという場にいる以上自分達がそうそう簡単に行き来出来るような事じゃないし子育てなども手伝える状態ではないこともだが、何より子育てに関して楓が新一と似たような考えにならないかということだ。自分は父親とは違うから大丈夫などと言いつつも、同じような行動を取りかねない可能性についてを。

だが楓が結婚した相手は楓というバスケットのトッププロという立場もあって奥さんの親戚が子育てやらは大変だろうとこぞって手伝いに来てくれたこともだが、楓自身もトレーニングや練習以外の時間で割ける時間は言葉は少ないなりに、子どもの面倒を見たり相手をしてくれるとチャットで顔を見ながら陰の一切見えない笑顔を見せてきた事だったり、実際に顔を合わせて子ども達も含めて話をした際にそれが嘘ではないことは証明されたのだ。

それらの行動について優作達もちゃんと親としての務めを果たしているのだなと楓を素直に誉めたのだが、少し言いにくそうにしながらも新一を反面教師にしたからこそだと返したことに何とも言えない様子になるしかなかった・・・楓は性格的にバスケットでの試合なら勝つためのプレーをすることも含め派手な事をすることは全然平気なのだが、基本的にそれ以外での時の楓は目立つことや面倒な事はあまり好きではないのだ。そしてそれは奥さんとなった女性もそんな性質についてを理解していた。

だから結婚式に関しては挙げる事は挙げる事にしたが、身内のみで慎ましやかでいて小さな物にする形で奥さんの親類を招く形を取って日本で行ったのだが・・・そこで流石に新一も楓の結婚式には出席したのだが、それで新一は蘭達と一緒にアメリカに行くだとかしないばかりか、子どもが産まれたからと日本に連れてきた時は一応笑顔を浮かべて抱き上げたりもしたのだが、結局それ止まりでしかなかったのである。自分の初孫であるというのに積極的に関わろうとせず、また仕事が忙しいということから顔を合わせる事すらろくにないというよう。

そんな新一の姿勢に許容範囲の広い楓の奥さんとなった女性もどうかというように言ったわけだが、あれが自分の父親だということは事前に言っただろうと共に嘘でも大袈裟でもないと分かっただろうし、あれを見て自分が父親を頼らないと決めた理由が分かっただろう・・・そう言われてあれ程とは思っていなかったと奥さんは肩を落とした上で、その光景を傍目で見ていた蘭達も辛いという顔を浮かばせるしかなかった。楓から新一を頼るつもりなどなかったと、親を頼る事を選択肢から除外せざるを得なかったのだと聞いたことで。

だがそこから蘭が気を取り直して新一があんななのの代わりに自分達が貴方達を助けるし気にかけるというように言い、それで優作達も続いたことで新一以外の親類とは仲が良くなった訳だが・・・結局それで新一は以降も積極的に楓達一家の事を気にかけずにたまに家に帰ってきて様子を聞いて満足するようにいたことから、前々から考えられていたとは言え優作達も新一のことについてをもういいと思うように思うようになったのである。新一が子育てやら孫が出来てもあんな様子なのはもうあれが新一なんだから気にする必要もないのだというよう、もう矯正だったりを始めとした事は考えなくてもいいだろうと。









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