「ただその中でも蘭ちゃんに対する気持ちがあったことから、どうにかまた自分の隣にいてほしいというように言ってきたから今回の件に派生する事になった訳だ」
「今更そんなことを言われてももうそんな気にはなれないんですけれど、それだけ新一からしたら私への気持ち自体は薄れてはいないということなんですよね・・・私にやらせようとしていることがあまりにも都合が良すぎていて、本当にそんな気持ちがあるのかと思えるくらいに私がなっていることなんか気にせず・・・」
「・・・これは蘭ちゃんや楓に聞かせるのはどうかと思いはしたが、その辺りは新一の考え方に感性といった物が高校生の頃からほとんどと言ってもいいレベルで変わっていないことが原因と言ってもいいだろう。確かに新一からすれば歳を取って大人となりれっきとした職業としての探偵になった事から、新一個人としては誰より立派な大人となったと思っている事だろうが・・・こと恋愛と結婚に関しては昔からの関係性の延長線上でしか蘭ちゃんの事を新一は見れていなかなったのだろう。このような言い方は私もどうかとは思うが結婚したことも楓が生まれたことも、蘭ちゃんのことが好きだからこその結果でしかなかったんではないかとな」
「っ・・・」
「それは・・・」
しかし蘭への気持ちは確かにあるともいうように言った優作ではあるが、自身でも言っているようにどうかという推測についてを話していくと流石に楓の表情が嫌そうに歪み、蘭もそこまで言うのかといった微妙そうな様子を浮かばせた。
「・・・私の言い方が悪いことは重々承知の上だ。しかし今の新一の様子を考えてみると蘭ちゃんとの関係性については夫婦という形ではなく、高校の頃の二人がくっつくかくっつかないかの時のような距離感が新一からすれば一番心地好いというかちょうどいいと思っているんじゃないかと私は感じるんだ。何故ならそれが新一からして一番楽しかった頃であると共に、親としてであったり家族の長としての責任であったりといった面倒な事を考えることなくいられる時間であっただろうからだ」
「・・・そう言われると、確かに職業としての探偵になって楽しそうにはしてはいますけど、昔程楽しそうかってまで言われるとそんな感じはしないように私にも見えます・・・」
そんな二人に重々しくもそう考えた理由についてを話していく優作に、蘭も重々しく納得といった声を漏らしていく。新一が楽しかっただろう頃は大人になってからではなく、高校生の頃ではというように。
「・・・確かに新一は職業としての探偵に就いた上で、功績に関しては十分に出してはいるんだろう。だがれっきとした探偵になったことで高校生の頃と違って大人として自由にやれない部分から、どこかしらのやりにくさを感じている部分はあるだろう。現に仕事となってどういった契約をして仕事として成立させたであるとか、金銭のやり取りといった流れの事に関しては面倒だとよく私達にも嘆いていたよ」
その上で優作はいかに新一が職業探偵となったことにより、煩わしいと思っているだろう事に関してを口にしていく。






・・・優作が言ったが新一は基本的に新一の思うような探偵稼業を行うことが好きであって、別に事務的な手続きであったりまでもを好きな訳ではない。現に新一はそういったやりたくないことについてを面倒だと度々優作達などに愚痴ったりしてきた。面倒な事は全部誰かがやって自分は自分の思う探偵稼業だけをやりたいというよう。

しかし大手の事務所に所属せず単独で事務所を構えることにした新一の都合のいい事に付き合う者はいないというか、何だかんだで小五郎も一人で事務所を切り盛りしてきたという事実を考えれば新一もやりたくないことではあるが、自分でやるしかないと動いてきたが・・・そういったしがらみやらがなく楽しくやれていた時期が高校生の頃だったのであると優作は見たのである。その時が新一からすれば余計な事を考えずに済めた時期でもあると。









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