子を持てば親として、大人として成長するか?

「さて、早速だけど楓と何を話そうって言うの新一?楓も暇じゃないの・・・向こうに行って大学入学をするに辺りどの大学を選ぶかだったり、どこら辺に住むのがいいのかだったりを優作さん達と一緒に決めてかなきゃならないんだから」
「分かってる・・・だから言うことを言わせてもらったら俺は出ていくから」
ただ蘭が余計な事を話す時間はないと明らかに新一に対する信頼の無さの伺える様子に、新一は理解しているといって立ち上がり・・・楓に頭を下げた。
「・・・すまなかった、楓。親として俺はちゃんとやれてるつもりだったけれど、実際はそんなことと真逆な事ばっかりしてきたっていうのは父さんの話から良く分かった・・・ただそれでも俺はお前の事を息子として愛しているのは事実だし、お前が向こうでも活躍出来るように祈りたいということを伝えておきたかったんだ・・・すまなかった。そしてこれで言いたいことは言い終わったし、もう邪魔になりたくないから俺は戻るよ」
「あっ・・・新一・・・」
そしてそのまま頭を下げながらいかに自身が考えたかを明かしていき、謝罪を述べた後に頭を上げて晴れやかな表情を浮かべながら新一は場を後にしていった。蘭のなんと言っていいか分からないと困惑した声など耳に入ってないというように。






「・・・あら?新ちゃん、もう行っちゃったの?」
「あぁ。元々言いたいことを言ったら早く帰ると約束しての帰宅だったからな」
「そういうとこは昔のまんま変わっていないわね」
「あぁ。だからこそ蘭ちゃんも楓も感じているだろうが・・・一見は聞き分けが良かったりはしても、本質的に前と変わってないとしか思えないから新一のことは信用出来ないよ」
それで有希子がコーヒー二つを手に場に来るが新一がいないことに気付きつつ座っていた所に座り、コーヒーを受け取った優作と話し合うのだがナチュラルに新一はもう信用出来ないと返す。
「現に新一は邪魔にならないためにとは言え、一切他の事に関しての何らかの話題を口にしようといったような気配など微塵も出さなかった。言いたいことがあったからそれを言えて満足だったと言われてしまえばそれまでと言いたい所だが、そんなことは一切しようともせずな。これに関しては今までの話から楓に対しての気持ちやら考えが生まれはしたものの、それは私が色々と楓の事を言ったから出てきたものであって、楓の事について深く言及しないように話をしていたら、そもそも先程のように謝りたいなんて発想すら出てこなかっただろう」
「・・・現にさっきも顔を見せようとなったのも優作さんの言葉があったからであって、そうじゃなかったら私の事をどうにか出来なかったことに優作さんと喫茶店で別れてからガックリ肩を下げながら帰っていったのは目に浮かびますね」
「あぁ、私もそう思うよ。そしてそんな新一が何故あぁなったのかは最早探偵だからとかそんなことは関係無く、自分のためにしか動けないからなんだよ。むしろ新一が自分は探偵だ探偵だとうそぶいてその他の物から目をそらして動こうとすればする程に、結果として新一は探偵として以外の事柄を些末な物だと思うようになった・・・普通の家族のように仲のよい時間を過ごしたり会話を交わすといった交流することについて、新一はそんなことないと否定するだろうがもう自分には探偵の為の時間が大事なんだからというお決まりの自己弁護をする形でだ」
「「「・・・」」」
そしてその理由は家族に対しての家族への無関心さやいかに探偵としてしか考えてないのかにあるかを話していき、蘭達は驚きはしないものの改めて新一に呆れたといった様相を浮かばせていた。もう三人にとって優作の話は決して大袈裟などでないただの真実だろうというようにしか思えないからと。










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