子を持てば親として、大人として成長するか?

「・・・この事に関してはお前が高校に上がる時に新一なら大丈夫だというように判断した私達が言っていいことじゃないと言われても甘んじて受け入れるしかないが、それでも中学を卒業するまでは私達はお前にちゃんと愛情を注いで向き合ってきたという自負はある。だがお前はどうだ?楓もそうだが蘭ちゃんや私達に向き合うことなくずっと好きなように活動してきたんだぞ。それが親として正しい在り方だと言えるか?」
「そ、それは・・・その・・・」
そこから自分達も一時期非がある行動を取っていたと言いつつもいかに独り善がりな行動を新一が取ってきたのか・・・そう投げ掛ける優作の言葉に、新一は視線をさ迷わせながら否定の言葉を探そうとしていた。
「・・・少しは堪えたようだがもう今更だ。今からちゃんと父親としてだったり夫としてしっかりするだなんて事をしようとしたところで、楓はアメリカに行くし蘭ちゃんもお前が心を入れ替えるだなんて言った所で信用することはまず有り得ないだろう・・・楓が小学に上がってからの十年以上お前は自身の態度は間違ってないと信じて疑わず、ろくに顔を合わせることも話をしようともしなかった。そんなお前が親としてどうにかしたいなんて気持ちになった所でもう楓は家どころか日本から巣立つんだから意味はないんだ」
「っ!・・・そ、そんな・・・」
「そういうわけだ・・・だからもう私達はお前が探偵としてやろうとすることを否定はしないが、その代わりもうお前に関わるつもりもない。後は好きにすればいい」
「っ!待ってくれ!だったらせめて、楓と話をさせてくれ!」
「・・・何?」
そうして無情な話を突き付けてこれで終わり・・・そういった流れにして席を立ち上がった優作だが、焦った新一からの楓と話をとの言葉に怪訝そうに眉を寄せる。
「今までの話からして楓は俺に会ってからじゃないとアメリカに行かないなんていうような気持ちにはなってないんだろうと思う・・・ただそれでも俺も楓の親なんだ!だから今更って言われるかもしれないけど、最後の言葉くらいはかけたいって思ったんだ・・・!」
「そういうことか・・・なら聞くがこの後の予定は空いているか?」
「あぁ!大丈夫だ!」
「なら行くぞ」
そこから新一が今までにない程の熱意を持って楓に会いたいとの意志を口にし、この後でいいならと確認して肯定が返ってきたことに二人は揃って店を後にしていった。




















・・・そうして優作と新一は歩いて時間を少しかける形で工藤邸に帰っていった。尚この歩くというのはいきなり新一が楓と話したいことがあるから一緒に帰って来るということに関してを蘭ちゃん達にちゃんと知らせた上で、向こうにもいきなり来られるよりはマシだというようにしたいとの優作の気遣いだ。

ただそういった事など今なら蘭も大丈夫と思っていた新一も、細かな配慮が足りてなかったと反省する事になりつつ工藤邸にまで足を進めた。






「っ・・・久しぶりだな、楓・・・(デケェ・・・187あるって聞いてたけど、家系的にそんなでかい人がいない系譜だったと思うんだけどな・・・)」
「ウス、久しぶりッス」
・・・そうして工藤気のリビングに入り横に蘭をつけた楓の前のソファーに座った新一。ちなみに優作はそんな新一の隣のソファーに続くよう座った。
ただ久しぶりに直で見る楓のでかさに内心で驚きを浮かばせるが、楓は大して気にした様子もなく返す。









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