子を持てば親として、大人として成長するか?
・・・優作が口にしたことは楓が生まれる前の事であって、その時新一はとある事件に巻き込まれたことによりその事件を起こした首謀者達を捕まえる為に独自でいて独力で動くことにした。ただその際に親である優作達に事情がバレざるを得なくなり、一度新一を安全な場に連れていこうとしたがそれは新一が頑として聞き入れなかったことから、優作達は仕方無いと新一のやることを許容した上で時折手助けもしてきた。
そしてその結果として簡単に言うなら新一はその人物達を捕まえてハッピーエンドといったようになったのだが、それが新一が自分の行動や考えたことは間違いではなかった・・・むしろ俺が動かなければあいつらはいつまでも裏社会に蔓延っていただろうという自信に繋がったのだと、優作は見たのである。
ただこの自信に関してはあながちというか全くの大袈裟ではないということが、よりややこしい問題にさせていた・・・その代表的な例に関しては新一が動かなければその人物達を追っていたいくつもの公的な機関が一時的にでも協力していたなんて有り得なかっただろうことだ。
これに関しては新一が繋ぎとなっていなければその機関達が協力なんてしないどころか、むしろ足の引っ張り会いをしていただろう一幕が何度も何度もあったからだ。だがそんな中でどこの機関にも所属しない新一だからこそ様々な機関の者達は協力するように動くようになっていった・・・もし新一がいなければ今頃こうして全員で勝利を味わうことなど出来なかった、むしろこの中の面々の何割かは確実にこの場にいられなかっただろうというように終わった時に言われる形でだ。
だからこそ新一としてはそういった言葉もあって自分のやってきたことは間違いではなかったと思うようになった・・・というのが優作の言葉であり、そのまま自信を持ち続けてきたことが良くなかったと言っているのである。
「・・・なぁ新一。お前はお前の思うよう一人で奴らに立ち向かうと共に、あの人達と同じ目的を胸に活動出来たことは間違いではなかったと思っているんだろう。事実あぁいうように出来たんだからと・・・そしてそのままお前は生きていって蘭ちゃんと結婚して楓を授かるに至ったが、そこから先お前のやったことは親としてこうあろうではなく、自分が探偵として在ろうとする事が親として在ることに繋がると思っていたんだろう。それ以上に自分が立派な親であると示せる行動などないというようにだ。違うか?」
「っ・・・そ、そうだよ・・・なのに蘭もおっちゃんもおばちゃんも、それに父さんや母さんはちゃんとしろって言ってきたから何でなんだよって思ってきたんだ・・・」
「・・・新一。自分はこういう人間だと分かっているだろうし自分のやることは正しいという気持ちを持つこと自体はないことじゃない。だが・・・」
「お前の言っていることはかつて私達の庇護の元にいたことを否定する物だ。私達が愛情を込めて育ててきた筈のそれまでの行動なんか、今の自分のように分かってくれるんだろうと思っているということから無駄だったと指し示すような形でな」
「っ!?」
・・・更に優作が静かに話を推し進めていくのだが、自身も言っていて辛いといったように自身らの教育を否定するものだと言ったことに、新一は今までにない形で顔色を一気に悪くさせてしまった。否定したいけれど否定出来ないことを自分で言ってしまったことに気付く形でだ。
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そしてその結果として簡単に言うなら新一はその人物達を捕まえてハッピーエンドといったようになったのだが、それが新一が自分の行動や考えたことは間違いではなかった・・・むしろ俺が動かなければあいつらはいつまでも裏社会に蔓延っていただろうという自信に繋がったのだと、優作は見たのである。
ただこの自信に関してはあながちというか全くの大袈裟ではないということが、よりややこしい問題にさせていた・・・その代表的な例に関しては新一が動かなければその人物達を追っていたいくつもの公的な機関が一時的にでも協力していたなんて有り得なかっただろうことだ。
これに関しては新一が繋ぎとなっていなければその機関達が協力なんてしないどころか、むしろ足の引っ張り会いをしていただろう一幕が何度も何度もあったからだ。だがそんな中でどこの機関にも所属しない新一だからこそ様々な機関の者達は協力するように動くようになっていった・・・もし新一がいなければ今頃こうして全員で勝利を味わうことなど出来なかった、むしろこの中の面々の何割かは確実にこの場にいられなかっただろうというように終わった時に言われる形でだ。
だからこそ新一としてはそういった言葉もあって自分のやってきたことは間違いではなかったと思うようになった・・・というのが優作の言葉であり、そのまま自信を持ち続けてきたことが良くなかったと言っているのである。
「・・・なぁ新一。お前はお前の思うよう一人で奴らに立ち向かうと共に、あの人達と同じ目的を胸に活動出来たことは間違いではなかったと思っているんだろう。事実あぁいうように出来たんだからと・・・そしてそのままお前は生きていって蘭ちゃんと結婚して楓を授かるに至ったが、そこから先お前のやったことは親としてこうあろうではなく、自分が探偵として在ろうとする事が親として在ることに繋がると思っていたんだろう。それ以上に自分が立派な親であると示せる行動などないというようにだ。違うか?」
「っ・・・そ、そうだよ・・・なのに蘭もおっちゃんもおばちゃんも、それに父さんや母さんはちゃんとしろって言ってきたから何でなんだよって思ってきたんだ・・・」
「・・・新一。自分はこういう人間だと分かっているだろうし自分のやることは正しいという気持ちを持つこと自体はないことじゃない。だが・・・」
「お前の言っていることはかつて私達の庇護の元にいたことを否定する物だ。私達が愛情を込めて育ててきた筈のそれまでの行動なんか、今の自分のように分かってくれるんだろうと思っているということから無駄だったと指し示すような形でな」
「っ!?」
・・・更に優作が静かに話を推し進めていくのだが、自身も言っていて辛いといったように自身らの教育を否定するものだと言ったことに、新一は今までにない形で顔色を一気に悪くさせてしまった。否定したいけれど否定出来ないことを自分で言ってしまったことに気付く形でだ。
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