子を持てば親として、大人として成長するか?
「酷いと思うか?だが毛利さんの言うことは私達も正しいと思ったからこそ、新一の事を手伝わないと決めたんだ・・・ろくに家に帰りもしないし行事であるとか顔見せが必要であるといったような事に関して、スケジュールを合わせようとする事なんかほとんどないしろくに顔を見せもしないような人物を手伝うなんてよくないとな」
「いやいや!顔なんて合わせなくても俺が元気だってのは探偵としての活動の事から分かるだろ!?」
「元気かどうかの話じゃない。新一からすれば長いこと顔を合わせてなくても昔からの関係は変わらないというように言いたいのかもしれないが、長い間顔も見せないし会いにも来てくれない人物を信用や信頼など出来るかということだ・・・子育てや家事に協力しないどころか家にもほとんどろくに帰らないし、むしろ自分の為にと都合のいい支えを求めてくるような人物の事などな」
「なっ・・・!?」
「言い過ぎだと言いたいんじゃないか?だが事実だ。今のままではないとは言え、そのように二人は言っていた。これは紛れもない事実だ」
「う、嘘だろ・・・!?」
しかし優作はそんな新一に容赦することなく話を進めていき、もう二人は新一を信じないと言っていたとの返しに愕然とするしかなかった。
・・・互いに会わなくても関係は変わらない。一見聞くならそれはさぞ美談のように思えることだろう。だが新一の場合はあまりにもそれが甘えに過ぎることを理解していなかった。自分はこうしたいんだし優作達からも自由にしていいんだからと言われたから、そうすることが正しいのだとばかりに増長する形でだ。
現に新一は家に帰って口煩く言われるのも嫌ってだろうが、自分のことは色々と伝わるだろうからと正月だったりお盆といった親戚が集まるといったイベントにすら顔を出すことなんてしてこなかったし、なら自分から小五郎達の元に顔を出したりとかいうことがあったかと言えばそれも皆無であった。新一からすれば用事もないし大して変わりもないだろうからと見てだ。
だがそうしてろくに顔合わせをしない上に蘭達から家に帰らず好き勝手やっているだけだと聞かされれば、普通に考えれば好意など築かれる筈もない。むしろそういったように勝手にやられればやられる程、好意が駄々下がりするのは目に見えた物だった。だからこそ小五郎達はもう新一の事を信じないと言ったのである。
「そしてその二人の言葉に私達も賛同した。無論蘭ちゃんも込みでだ」
「そっ!?そんな・・・!!」
「有り得ない、と言いたいのかもしれないが・・・パッと言うだけでもこの十年ちょっとの時間でろくに家のことや楓の子育てにほとんど関与もせず、ろくに帰りもしない放蕩な男に対する気持ちがいつまでも続くと思うのか?それもこうしてほしいとちゃんと説明もせず、ただ蘭ちゃんならこうしてくれると勝手に思い込むような相手に対しての気持ちがだ」
「ぐぅっ・・・!?」
だがまだ続くとばかりに自分達だけでなく蘭の気持ちも離れていると強調して話していく優作の言葉に新一は苦悶の声を漏らすのだが、その様子に悲しげに首を横に振った。
「・・・今こうして話してみて改めて思うよ・・・私達がそもそもお前が高校に入る時に一人で生活するようにとしたのが間違いであったのと共に、あの組織をお前の思う形で壊滅させる事が出来たのがこの事態を招いたんだろうとな・・・」
「なっ・・・!?」
「心外だと言いたそうな反応だが、あの組織の件でお前が自分のやり方や取った行動は間違いではないと自信を持ったんだろうと確信出来たんだ。自分のやることや判断したことは間違いじゃなかった・・・だからこれからも自分は間違いを犯さないというように思うようになったんじゃないかとな」
「そっ、それは・・・そんな、ことは・・・」
そうして後悔といった響きの声を漏らす優作に新一は否定したそうに声を上げかけたが、すぐに続けられた問い掛けに言葉を詰まらせる形で否定を返すことが出来ずに視線をさ迷わせるしかなかった。
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「いやいや!顔なんて合わせなくても俺が元気だってのは探偵としての活動の事から分かるだろ!?」
「元気かどうかの話じゃない。新一からすれば長いこと顔を合わせてなくても昔からの関係は変わらないというように言いたいのかもしれないが、長い間顔も見せないし会いにも来てくれない人物を信用や信頼など出来るかということだ・・・子育てや家事に協力しないどころか家にもほとんどろくに帰らないし、むしろ自分の為にと都合のいい支えを求めてくるような人物の事などな」
「なっ・・・!?」
「言い過ぎだと言いたいんじゃないか?だが事実だ。今のままではないとは言え、そのように二人は言っていた。これは紛れもない事実だ」
「う、嘘だろ・・・!?」
しかし優作はそんな新一に容赦することなく話を進めていき、もう二人は新一を信じないと言っていたとの返しに愕然とするしかなかった。
・・・互いに会わなくても関係は変わらない。一見聞くならそれはさぞ美談のように思えることだろう。だが新一の場合はあまりにもそれが甘えに過ぎることを理解していなかった。自分はこうしたいんだし優作達からも自由にしていいんだからと言われたから、そうすることが正しいのだとばかりに増長する形でだ。
現に新一は家に帰って口煩く言われるのも嫌ってだろうが、自分のことは色々と伝わるだろうからと正月だったりお盆といった親戚が集まるといったイベントにすら顔を出すことなんてしてこなかったし、なら自分から小五郎達の元に顔を出したりとかいうことがあったかと言えばそれも皆無であった。新一からすれば用事もないし大して変わりもないだろうからと見てだ。
だがそうしてろくに顔合わせをしない上に蘭達から家に帰らず好き勝手やっているだけだと聞かされれば、普通に考えれば好意など築かれる筈もない。むしろそういったように勝手にやられればやられる程、好意が駄々下がりするのは目に見えた物だった。だからこそ小五郎達はもう新一の事を信じないと言ったのである。
「そしてその二人の言葉に私達も賛同した。無論蘭ちゃんも込みでだ」
「そっ!?そんな・・・!!」
「有り得ない、と言いたいのかもしれないが・・・パッと言うだけでもこの十年ちょっとの時間でろくに家のことや楓の子育てにほとんど関与もせず、ろくに帰りもしない放蕩な男に対する気持ちがいつまでも続くと思うのか?それもこうしてほしいとちゃんと説明もせず、ただ蘭ちゃんならこうしてくれると勝手に思い込むような相手に対しての気持ちがだ」
「ぐぅっ・・・!?」
だがまだ続くとばかりに自分達だけでなく蘭の気持ちも離れていると強調して話していく優作の言葉に新一は苦悶の声を漏らすのだが、その様子に悲しげに首を横に振った。
「・・・今こうして話してみて改めて思うよ・・・私達がそもそもお前が高校に入る時に一人で生活するようにとしたのが間違いであったのと共に、あの組織をお前の思う形で壊滅させる事が出来たのがこの事態を招いたんだろうとな・・・」
「なっ・・・!?」
「心外だと言いたそうな反応だが、あの組織の件でお前が自分のやり方や取った行動は間違いではないと自信を持ったんだろうと確信出来たんだ。自分のやることや判断したことは間違いじゃなかった・・・だからこれからも自分は間違いを犯さないというように思うようになったんじゃないかとな」
「そっ、それは・・・そんな、ことは・・・」
そうして後悔といった響きの声を漏らす優作に新一は否定したそうに声を上げかけたが、すぐに続けられた問い掛けに言葉を詰まらせる形で否定を返すことが出来ずに視線をさ迷わせるしかなかった。
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