子を持てば親として、大人として成長するか?

・・・そうして善は急げというよう優作達は新一と話し合いの機会を設けて、これからは今までのようにスケジュールを管理しないからこちらの言うことを守れるなら仕事を好きに受けていいというように告げると、新一はそういうことならとすぐに即断した。この辺りは新一からしたら仕事を自由に出来ないからこその鬱憤があったからであって、そうでないなら別に優作達が近くにいようがいまいがどうでもよかったからだ。

だから新一は嬉々として仕事に取り組むと共に事務所の上で寝泊まりしてほとんど家に帰らない生活をすることになるが、そうしていく内に何で蘭は掃除も洗濯もしに来ないのかと言ってくることが何回かあった。だがその度にそうすることが条件だったろうと言われ続け、不満タラタラといった様子でもういいと引き下がると共に工藤の家に帰ることはより少なくなった。新一としては何だかんだ言いつつも蘭が自分の活動を支えてくれると思っていたのに、本気でそんなことしないという姿勢にすねる形でだ。

そんな新一に関して蘭達は知らん顔をしつつ楓の成長の方に目を向けて可愛がっていった。小学校に入ってからはより一層バスケットに熱中することになって、高学年に入る辺りにはミニバスケのチームに入るようになるのだが、そこで楓はバスケの才能があることを見せていって蘭達を喜ばせた。才能がなくてもいいというように思ってはいたが、小さいなりにもあれだけの事が出来るのはすごいと分かった為に。

しかしその反面で学校での勉強に関してあまり重要に思っていないといった節があることや、バスケの試合で自分勝手な単独プレーに走りやすい傾向があることにその辺りは矯正しようと蘭達は動いた。特に単独プレーをする傾向が強いことに関してを優作は強く危惧してだ・・・この辺りはあまり興味はなかったとは言えアメリカにいる際は本場のバスケであるNBAの試合を誘われる形で何回か見ることがあった優作は、そんな単独プレーにばかり走る選手は上には行けないというような話を聞いたし実際それだけのレベルの高いプレーを見てきたからこその危惧だった。

だから勉強もだがバスケに関しても色々と言っていくのだが、その結果として勉強が出来るようになったこともだがバスケもチームプレーを良くするようになった。特にバスケに関しては言葉数こそは多くないものの、チームの為にプレーするその姿勢と実力もあって六年生になったらキャプテンに任された程であった。

そんな結果に蘭達も大喜びしたのだが、中学高校と上がった時も楓はバスケの選手として一躍存在感を見せることになった。身長はバスケを長いこと続けてきたからか187という恵まれた体格になり、そのプレーに高校に入る前にはバスケの強豪校からの推薦での入学をいくつも願われることになった。そしてその推薦の中から楓はあまり遠くに行きたくないという理由から、東都の強豪校に入ることにした。そしてそのまま入った高校でも楓は存分にバスケをプレーし、工藤楓の存在ここにありと示していった。

そんな風に楓が動いていく中で将来的にNBAの選手になりたいと切り出した時には、蘭達はすぐに賛成した。今の時点でも楓のプレーは高校生日本代表に選ばれるくらいには注目されている上で、実際に国際交流の為の試合でもその存在感を見せたのは優作達も見てきたからそうしたいなら援助すると快く応じたのである。

そんな風に楓の将来の夢を支えると決め、楓が高校最後の大会を終えた後に優作は自分の知識やコネを総動員する形で楓のサポートをしようと動いていくのだが、そこに現れたのが新一であった。









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