子を持てば親として、大人として成長するか?
「・・・お父さんにお母さんも楓とよく会うから分かるでしょ?この子、テレビでバスケットの試合を見てからずっとバスケットに興味津々なの。何か見たいのって言ったらアニメとか子ども向けの番組なんかじゃなく、バスケットの試合って言うのよ」
「あぁ。最初はまさかバスケにって思ったが、実際にバスケのことになるとかなり楓も喜ぶからな」
「でも新一君は自分や優作さんの事があるから、推理小説を勧めようとしていたわね。こんな小さな子どもに・・・」
「うん・・・でもこんな小さな子がそんなの喜ぶわけないでしょって言ったのに、新一は自分がそうだったんだからっていう姿に思っちゃったの・・・もし二人目が出来たら新一は今度は自分の子どもだから推理が好きな子にしたいだとかって思ってて、楓にもバスケなんか運動神経を良くする為だけにやるもので推理好きになってほしいんじゃないかってね・・・」
そのまま遠い目をしながら楓に対してではなく新一に対しての呆れを語っていく蘭に、小五郎も英理も何とも言いがたげな表情になるしかなかった。新一が望む物はそれこそ蘭が言ったような物ではと感じたために。
・・・楓がバスケットに興味を持ったことに関して、新一を除いた面々は揃っていい兆候だというように感じていた。別に危ない事に興味を示している訳ではないし、優作としても別に自分のに限らず推理小説に興味を持ってほしいだなんて考えていない。だからバスケットに興味を持つことはチョイスとしては渋いとは思うが、それでもいいことだと共通で認識していた。
しかし新一は自分の子どもで優作の孫なのに何で推理小説に興味を持たないんだと、見当違いの事を考えた上で楓に対して寝物語にしようとばかりに推理小説を読ませようとしてきた。だが二~三歳の子どもがそんな推理小説を理解するなんて出来ない上に、その押し付けがましい行動に楓は新一を避けるようになっていったし、蘭も優作達もまだ子どもなんだからというようにたしなめた。
そんな蘭達に俺は喜んだのにというように新一は言ったのだがその様子を思い出し、蘭は二人目をと言われた後で考えたのである・・・楓の時は自分が関わらなかったから自分のようにならなかったんだと思った上で、二人目が出来たなら今度は推理が好きで探偵が好きな自分のような子どもにしたいと考える可能性はかなり高いんじゃないのかと。
だから蘭はこの場は毛利家の面子だけにするためということから優作達はいないが、優作達にも事前に話しているのである。新一が二人目の子どもを欲しいと言ってきたけれど、十中八九自分のような子どもにしたいと新一は考えるだろう事に付き合いたくないし、未だに親としての自覚がない新一と二人目を作ることなんて考えられないと。そして優作達はそんな考えを尊重すると返したのである。そんな考えの為に子どもの可能性を狭めるようなことはしてはいけないと思うし、蘭ちゃんも新一と夫婦の営みをしたくないというように感じているのに無理をさせたくはないと。
「・・・だから私としてはもう新一との子はこの子だけにしようと思うの。バスケをやるならやるでいいし他の道を選ぶならそれでいいって思うけど、それを新一がこうしたいって思いで作ったレールを無理矢理行かせたくないし、もし二人目を作ったらそれこそそんな子どもにしたいって最初から動こうとするかもしれない・・・だから二人目は作らない代わりにその子の分の愛情だとかを楓に向けることもそうだし、新一の無理な要望には付き合わせないようにしようってね」
「・・・うん、私はそれでいいわ。貴女がちゃんと責任を取るように動くというならね」
「ただ何かありゃ俺らに遠慮無くいいな。俺達も何かありゃ手伝うからよ」
「ありがとう、二人とも・・・」
だからこそ・・・と自分の決意を迷い無く語っていく蘭に、英理も小五郎も快いといった言葉を返していき、その優しさにホッとしたような笑みを浮かばせた。親として、祖父母として蘭や楓の味方についてくれるという決意を受けて。
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「あぁ。最初はまさかバスケにって思ったが、実際にバスケのことになるとかなり楓も喜ぶからな」
「でも新一君は自分や優作さんの事があるから、推理小説を勧めようとしていたわね。こんな小さな子どもに・・・」
「うん・・・でもこんな小さな子がそんなの喜ぶわけないでしょって言ったのに、新一は自分がそうだったんだからっていう姿に思っちゃったの・・・もし二人目が出来たら新一は今度は自分の子どもだから推理が好きな子にしたいだとかって思ってて、楓にもバスケなんか運動神経を良くする為だけにやるもので推理好きになってほしいんじゃないかってね・・・」
そのまま遠い目をしながら楓に対してではなく新一に対しての呆れを語っていく蘭に、小五郎も英理も何とも言いがたげな表情になるしかなかった。新一が望む物はそれこそ蘭が言ったような物ではと感じたために。
・・・楓がバスケットに興味を持ったことに関して、新一を除いた面々は揃っていい兆候だというように感じていた。別に危ない事に興味を示している訳ではないし、優作としても別に自分のに限らず推理小説に興味を持ってほしいだなんて考えていない。だからバスケットに興味を持つことはチョイスとしては渋いとは思うが、それでもいいことだと共通で認識していた。
しかし新一は自分の子どもで優作の孫なのに何で推理小説に興味を持たないんだと、見当違いの事を考えた上で楓に対して寝物語にしようとばかりに推理小説を読ませようとしてきた。だが二~三歳の子どもがそんな推理小説を理解するなんて出来ない上に、その押し付けがましい行動に楓は新一を避けるようになっていったし、蘭も優作達もまだ子どもなんだからというようにたしなめた。
そんな蘭達に俺は喜んだのにというように新一は言ったのだがその様子を思い出し、蘭は二人目をと言われた後で考えたのである・・・楓の時は自分が関わらなかったから自分のようにならなかったんだと思った上で、二人目が出来たなら今度は推理が好きで探偵が好きな自分のような子どもにしたいと考える可能性はかなり高いんじゃないのかと。
だから蘭はこの場は毛利家の面子だけにするためということから優作達はいないが、優作達にも事前に話しているのである。新一が二人目の子どもを欲しいと言ってきたけれど、十中八九自分のような子どもにしたいと新一は考えるだろう事に付き合いたくないし、未だに親としての自覚がない新一と二人目を作ることなんて考えられないと。そして優作達はそんな考えを尊重すると返したのである。そんな考えの為に子どもの可能性を狭めるようなことはしてはいけないと思うし、蘭ちゃんも新一と夫婦の営みをしたくないというように感じているのに無理をさせたくはないと。
「・・・だから私としてはもう新一との子はこの子だけにしようと思うの。バスケをやるならやるでいいし他の道を選ぶならそれでいいって思うけど、それを新一がこうしたいって思いで作ったレールを無理矢理行かせたくないし、もし二人目を作ったらそれこそそんな子どもにしたいって最初から動こうとするかもしれない・・・だから二人目は作らない代わりにその子の分の愛情だとかを楓に向けることもそうだし、新一の無理な要望には付き合わせないようにしようってね」
「・・・うん、私はそれでいいわ。貴女がちゃんと責任を取るように動くというならね」
「ただ何かありゃ俺らに遠慮無くいいな。俺達も何かありゃ手伝うからよ」
「ありがとう、二人とも・・・」
だからこそ・・・と自分の決意を迷い無く語っていく蘭に、英理も小五郎も快いといった言葉を返していき、その優しさにホッとしたような笑みを浮かばせた。親として、祖父母として蘭や楓の味方についてくれるという決意を受けて。
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