子を持てば親として、大人として成長するか?

・・・れっきとした職業探偵として旗揚げした新一だが、以前からの活動の流れがあったから仕事はすぐに来て忙しい生活を送ることになった。そんな生活の中で蘭の妊娠が発覚したことに、新一達は喜ぶ事になって新一はより一層仕事に励むようになった。

ただそんな風に仕事に殉じる物だから蘭は新一と時間を取ることなんて出来ず、妊娠期間の辛い時期を小五郎か英理の元で大抵過ごすことになり、新一も申し訳ないと言いつつ仕事が忙しい事から事務所の上を寝床として使い、工藤の家に帰らないし連絡もろくにしない時期がほとんどだった。

ただそれでも時間は経って無事に楓を産むことが出来たことは出来たのだが、新一は出産の立ち会いの時には仕事があって間に合わず後に病院に来て笑顔を見せることになるのだが・・・その後は仕事が忙しいということで顔を見せても短時間というくらいで蘭が退院となった時も小五郎が迎えに行く形になり、その上で一応工藤の家で暮らしていたのだが本当に新一が家に帰ってくる事が少なかったことに楓の面倒を見ることもほぼ無かったことから、蘭は小五郎の元に今は楓と共に身を寄せているのである。もう新一に親としての役割をやらせたり任せることは色々と不可能だと見て。






「・・・ただもうそんなことを言ってもしゃあねぇ。取り敢えず後で優作さん達に連絡するようにする」
「あの、実は私も優作さん達から連絡されたんだけど、その中身が優作さん達に電話で新一は自分達は大丈夫だって言ったらしいの・・・」
「は?あいつ、家のこととか楓のこととか何もしてないってことを言わずにか?」
「うん・・・ただそれで優作さん達は不審に思ったのか私に連絡してきたから、それで今こうなってるって話をしたら流石に私に色々負担を押し付けすぎてるのを自覚してないって言ってたよ・・・」
「良かったぜ・・・流石にあの二人まで新一寄りだったらふざけんなって怒鳴る所だったぞ」
「うん・・・だから私もホッとしたよ」
そんな中で小五郎が優作達に連絡をと思い立ったように切り出すが、蘭から出てきた言葉から発展した流れに二人はまだマシな考えなのだと共に安心したよううなだれる。
「ただ二人からはもうちょっと我慢してやってほしいとも言われたの・・・新一としては父親になったこともあって仕事を頑張らなきゃって思ってるのもあると思うから、毛利さん達にも迷惑をかけていると思うけれど少し大目に見てくれって・・・」
「・・・あー、何とも言えねーこと言われたな・・・でもまだ楓が産まれてから一年も経ってねーんだから、仕事をちゃんとやんなきゃってなってるだけってのも否定は出来ねーってのもな・・・わーったよ。取り敢えずは蘭が我慢するんなら俺も英理に言う形を取って我慢する。ただしばらくこの状況が続くかどうかで話は変わってくるからお前も慎重に動け。特に二人目を作ることに関しちゃ絶対に早まんなよ」
「ふ、二人目って・・・で、でも分かった。今の感じが続くんならそんな簡単に二人目なんて望んじゃいけないこと・・・」
しかしそれでもまだ我慢をというように言われたと口にする蘭に小五郎も仕方ないと言うように了承するが、代わりにと二人目の事を釘を刺すように言ったことに蘭は恥ずかしげになりながらもすぐに表情を曇らせながら頷いた。今のままが続いたなら二人目を授かってもただ自分達だけが辛いだけになると感じて・・・




















・・・そうして蘭達はしばらくの時間を我慢しながら過ごしていくのだが、新一の行動に改善といった様子は現れることはなかった。この事に関して一応というか優作達側にも話して新一をどうにか出来ないかと連絡したのだが、それで優作達が実際に新一と会うようにして話をしても仕事が忙しいから・・・とその証拠であるスケジュールの書かれたカレンダーを見せられたことで嘘ではないことを認知するのだが、全く家に戻る気の見えない予定の詰まり方にちゃんと家にいる時間を作るようにするよう優作達も口酸っぱく言い含めた・・・だが蘭達なら大丈夫と大してダメージだとか思うものを感じたところも何もないといった返しに、さしもの優作達も怒りを覚えながら新一の元を去って小五郎達の元を訪れた。









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