ズレてこそ見える物があり、考え方は変わる

・・・探偵として頑張ろうとし過ぎるその姿に気味悪がられる一方で、好意的ではない態度で接していた学校側に蘭や園子も考えるようになっていった。もう新一があんなに頑なになっているのは精神的に何かあるからではないのかというよう。特に蘭はおざなりに接してもあそこまで自分にこだわり続ける様子に次第に恐怖を感じるようになっていった。

だから学校側もだが蘭も小五郎を経由する形で優作達に連絡するのだが、その中身に二人も大丈夫と流すことが出来ず帰国する事を選ばざるを得なかった。特に蘭が性的な意味で襲われるとかそんな機会を狙われているような気配は感じないけど、だからこそ蘭の気持ちをかつてのように振り向かせる為だけに必死になってる様子がむしろ恐ろしさを感じる・・・というような事を言っていたと小五郎から伝えられたことで、二人としてももうこれはまずいと考えたから戻ろうと決めたのである。

それで二人が工藤邸に戻って新一の様子を見つつ話をしたりしていくと共に、その様子についてを新一に内緒で精神科の先生に話していくのだが・・・そこで早く受診するようにさせるようにと先生から言われたのである。かなりの確率で新一に精神的な問題がある可能性があるというように言われてだ。だから今探偵として家を離れている新一だが、家に帰って翌日になれば病院に連れてかれるという未来が待っていることなど知らないのである・・・






「・・・ま、もうこの辺りでいいかな。見たいと思った物は予想以上って形で見れたし、本来有り得ない歴史を作ったエネルギーは回収出来た・・・これで俺の力は増した。礼を言わせてもらうぜ、工藤新一君?まぁ聞こえちゃいねぇだろうがな」
そんな男はシルクハットから手をどけつつ感謝はしていると言いつつも嘲るような笑みを改めず、懐から懐中時計を取り出すと次の瞬間には何もそこにはいなかったよう男は姿を消し去っていた・・・






・・・蘭の心変わりにきっかけを与えた男の名は杳馬、または存在を消された神であるカイロスである。そんな杳馬が蘭に介入したのは単なる善意ではなく本来の未来を変えることによって生まれたエネルギーを回収することにより、自身の力を以前以上に強化するためであった。今度こそ兄や他の神々に対しての復讐を為し遂げる為に。

だからその為に周囲に影響を及ぼす力を持った者達の関係を変えることで、その力の強化の倍率を上げる為に新一達の関係をうち壊す事を企てたのであった・・・杳馬からすれば新一という事件に関わることが運命とすらなっている人物の未来を変えればそれだけの力を得られると思ったから、それだけの理由でうち壊そうと・・・





















・・・そんな杳馬の事など誰も気付かないままに時間は進むのだが、嫌々ながらも強引に精神科に連れていかれた新一は案の定という形で精神に異常があるというように診断された。当人は自分は正常であってそんなものは間違いだというように言いはしたが、そんなことは間違いだとか誤差の範囲とは到底言えない真っ黒としか表現出来ないレベルにあると言えると。

そんな診断に新一は嘘だとわめき散らした上で自分は間違ってないというように優作達と言い合いになったのだが、もう優作達もこれは駄目だと諦めざるを得なくなると共に・・・後日にならアメリカの知り合いの病院で見てもらって大丈夫なら新一の事を大丈夫と判断するから付いてこいと、優作達は新一を連れていった。その後日までの間で密かにもう学校を退学させると共に、向こうで療養の為に長い間を暮らす用意をする形でだ。

そうして新一を騙す形で日本を出た優作達はアメリカでカウンセリングを新一に受けさせるのだが、そこでもハッキリと黒と出たこともそうだがそうだった場合に信じないと逃げられた場合の事を考慮して、新一のパスポートは先に預かった上で自分達の信頼する所に送ってあるから日本に単独で帰ることは出来ないようにしている・・・と言われた新一はそこまでするのかと唖然としながら、療養することを受け入れざるを得なくなったのである。自分は大丈夫だと信じてやまないのに、療養を受けて大丈夫とお墨付きが出なければ日本に帰れない生活を送ることを・・・


















・・・そうして数年が経つのだが新一のカウンセリング治療がうまく行かない中、優作達の元に連絡が来た。それは英理から蘭が結婚したとの連絡であり、新一と違って仕事と蘭のどちらにも真摯に向き合う好青年だとの中身であり、それが新一や自分達との実質的に完全な決別を告げる物だと優作達は感じ取った。結婚式に知り合いとしても呼ばれてないし新一にはもうこれからも関わるつもりもないから、そちらでこのことも含めて新一の事はどうにかしてほしいと・・・






END









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