ズレてこそ見える物があり、考え方は変わる

ただここで優作達がそんな中で小五郎から続けて蘭に我慢を願うだけの貴方達のことも含めて大丈夫だなんて思わないから、新一に貴方達にはこれからもまだ学校で顔を合わせるだったり何か別の用があるなら会うのは仕方無いけれど、もうやり方だとか考え方を変えるつもりもない新一にも優作達にも付き合いたくない・・・と言われて優作達は衝撃を受けて帰らざるを得なかったとのことだった。どうにか何とか見直されるように返したいし新一達の関係について食い下がりたいと思う気持ちはあったが、もう生半可な言葉や前のようにという事では小五郎は説得のしようがないと見るしか出来ないと。

そこまで優作達がハッキリともう無理だと感じて引いたことに新一は相当な衝撃だったが、優作達から蘭が諦められないなら今の新一のやり方を変えなければ蘭もだが小五郎も納得してくれないのが容易に想像がつくから、そうするかもう蘭を諦めるかのどちらにするを真剣に考えるべき・・・そう二択から選ぶしかないと優作から言われて、新一は更なる衝撃と共に優作ですらもその二択しか考えられないのかというように愕然とするしかなかった。

・・・ただそんな二択を提示された新一が選んだのは、二つの内どちらかではなかった・・・


















「んははっ!随分と探偵活動を頑張ってんな!工藤新一君!」
・・・とある立派な建物の中で繰り広げられる事件の解決劇。
それを窓越しに高い木の枝にベッドに体を預けるように身を置いていた蘭に何度か会って言葉を投げ掛けてきた男は、以前には被っていなかったシルクハットに手を置きつつ、窓越しに見える新一を見ながら盛大に笑いを漏らしていた。本来なら新一達からも見える位置にある木からであって、本来なら笑い声も盛大に聞こえるくらいなのにそんなことを気にせず・・・そして実際に気付かれてないという状態でだ。
「しかしあんな結論を出すとは俺も予想がつかなかったぜ!嬢ちゃんの心をまた引き寄せる為に今まで以上に探偵活動を頑張って、その活躍で嬢ちゃんを骨抜きにしようなんてな!」
そんな男はまた笑いつつ独り言を楽しそうに漏らしていく。新一が出した結論についてを。






・・・蘭について諦めるかどうかについてを優作達から投げ掛けられた新一は、どうするかについてをしばらく悩むことになった。探偵としての活動を緩めたくないが、かといって今までのようになんてことをしても蘭の心は戻ってこない・・・そういったように新一が考え抜いて出した結論が何かと言えば、今まで以上に探偵として頑張っていくと共にその功績や俺の姿を知ってもらうことで、蘭の心を再び引き寄せるという物だった。

ただそういった考えを聞いた優作達は最初こそは蘭の事を諦める苦渋の決断をしたと思ったのだが、その功績で振り向かせる為と聞いて二人も思わず聞き直してしまった。本人としてはこれしかないと第三の選択肢を見出だせたと思ったことだろう案だが、いかに新一の自主性を優先しようとしてきた優作達ですら・・・明らかに新一からして都合が良すぎる自分のやりたいことを止めずにいられる考えだと思わざるを得ない考えだとしか思わなかった為に。

だからこそ優作も有希子も流石にその辺りについてその考えは新一にとって都合が良すぎるとは告げたのだが、前は何だかんだで俺を蘭は許してくれたんだから探偵として今まで以上に活躍すれば蘭も見直してくれると俺は信じてる・・・と都合がいい云々ではなく自分が探偵として甘かったからこうなったから甘さを無くせばどうにかなると頑なに言う新一の様子に、さしもの優作達ですらならそうしてみればいいと投げるように返すしかなくなっていた。もう新一はどちらともを取れる選択肢を取りたいとしか思わず、見出だした最高の結論を否定されてもそんなことはないと否定し返す以外に無いことを優作達も感じてしまって、説得は無理と感じてしまう形で・・・









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