ズレてこそ見える物があり、考え方は変わる

「はいはい、もう分かったでしょ新一君も・・・蘭は本気っていうかもう考えをまとめちゃったの。貴方と今後付き合っていくかどうかに関してをね。だから新一君が理解出来るかに諦められるかどうかは知ったことじゃないけど、もう今は引きなさい。ここでグズグズされてもそろそろホームルームの時間になるんだから」
「園子・・・クソォッ!」
そんな中で近くにいた園子がもういいだろうというように引くように言うのだが、そんな声に新一はたまらないとばかりに教室から走り去っていった。
「・・・ゴメンね、園子」
「気にしなくていいわ。あぁいった風に言わなかったら新一君が黙ってられるかって色々言ってきただろうし・・・でもあんな形で教室を出ていくまでとは思わなかったわ・・・」
その姿を見てから蘭が園子に謝るが、気にしないとは言うが教室の出口を見つつ新一に対して呆れたといったように漏らす。あんな形でいきなり逃げ出す形を取ると言葉通り思っていなかったというよう。



















・・・その後、蘭は園子と共に新一との事についてをクラスメートに謝ると共に、もう蘭としては簡単に言える程度に新一の事は吹っ切ったからこそあぁなったと話すと、クラスメート達は意外そうな反応もあったがどちらかと言えば納得といったような反応を浮かべた者達が多かった。これに関しては新一が長い間学校にも通わず行方不明の時間が長かった事から、蘭が愛想を尽かすというような考えになるのも無理はないと判断する者達がいたからだ。

それで次第にクラスメート達は蘭を受け入れていくようになったことにホッとするのだが、蘭が家に帰ると小五郎から優作さん達から連絡を受けたという話をされた。中身としては学校に行って新一が蘭にこう言われたという中身を急遽電話されたんだが、どういうことかという物だったと・・・そしてその時にもう蘭としては新一に関して見切りをつけたことは親として察していた上で、あんたらからしたら新一が心配でどういうことかと連絡してきたんだろうが、子どもの喧嘩ならぬ子どもの恋愛に親が出るような事をするなと返して電話を終わらせたとのことだった。

そんな小五郎の返しにらしくないと笑う蘭に小五郎自身も軽く笑うのだが、そんな微笑のままに小五郎はもう優作さん達が何か言ってくるなら俺が対応するが、新一から諦め悪くすがるような事を言われた場合も俺に頼りゃいい・・・と言ってきた事に蘭は先程よりらしくないと驚いたのだが、優作さん達の電話を受けてというのもそうだが新一がそんな蘭の事を簡単に諦める筈がないと思ったからとの何とも言いがたそうな小五郎の返しに、思わず「あぁ・・・」という声を漏らすしかなかった。特に新一に関してはいそうですか、なんて一言で納得するような物分かりがいいような人物ではないのは蘭も改めて感じた為に。

ただそういったように言われはしたものの、蘭も出来る限りは自分で対処していくと笑顔で返した。新一がお父さんが心配するような手段を取ってくる事はまずないと思うし、自分がもういいって風に言ったんだから自分がやるのが当然だと思うからと。

そんな蘭の迷いの見えない様子に小五郎も安心というように頷き、なら優作達にも新一にも納得してもらうまで頑張るぞと告げ以降を過ごしていった。蘭を諦めきれない新一の気持ちと向き合う日々を。









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