ズレてこそ見える物があり、考え方は変わる

・・・テレビ越しに自分がどういった犯罪組織に出会ったのかにそれらを追うために時間を使い、そして壊滅に至らせたのかについてを語っていく新一の話の中身を受けてそういうことから新一は離れて動くと選んだ事に新一らしさを感じるのだが、その新一らしく組織を壊滅させたことを誇りと言わんばかりに笑顔を浮かばせた姿にこれで新一が戻ってくるんだと喜ぶより先に・・・また自分は前のように新一と過ごすとか向かい合う事が出来るのかというような気持ちを抱いた。

ただ勿論というか新一が帰ってくることに否やがあるわけではないし嬉しいと思う部分があるのは確かなのだが、ズレの事についてを深く考えていった事から蘭は感じたのである・・・規模が違っても事件が起きるような事があるだとか、怪しいことがあると感じればそちらに躊躇いなく首を突っ込み、自分を待たせることを選べる新一の事をまた待つようなことを自分は出来るのかと。

今度はそんなことは起きないだとかあんなのは滅多にないことみたいな風に新一は言うだろうし、普通の事件くらいすぐに俺が解決するみたいに言うことも蘭は想像が出来る・・・だがもう長いことズレについてを考えてきた蘭からしたら、そんなことに毎度毎度付き合うのかというような気持ちになったのである。テレビに映る以前と変わらないままの自信満々の様子の新一にそんなことを言われて自分はそうするのかに、そうしたいのかというよう・・・



















・・・そんな風に蘭が思いつつも時間が進んで新一が蘭の元にこれでまた元のように暮らせるからというように挨拶に来た。だがその時の蘭は新一の事をまだ最終的に決めきれてないこともそうだが、毛利家にいきなりコナンの親の文代・・・に変装した新一の母の有希子が現れ、仕事が落ち着いたからコナンを迎えに来たのですが今まで預かってくれてありがとうございましたと言って、もう夫がコナンを連れていったから荷物を引き取りに来ましたし後の処置はこちらでやりますとさっさとコナンの荷物を持っていって、お別れも言えずにサヨナラとなったことによるショックを少なからず引きずっていた。

新一がそんな様子にどうしたのかと聞くのだが、コナンの事についてを話すとそういうことなら仕方ねーよと若干気まずそうに言って終わらせようとしたのと共に、そういったショックで図らずも新一の事で悩んでいるんじゃないといったように印象付く事になった。下手な誤魔化しは必要ないというようにだ。

だからもう晴れて元の立場に戻ることになった新一からすれば予想していた展開としては蘭が自分に抱き付いてきて改めて告白をし、それに蘭が頷いてハッピーエンドになるというように想像していたのだが、コナンの後片付けを先にしないと色々面倒になるからとした行動が裏目に出たというように考えるしかなかった・・・現実は新一に対しての複雑な想いもあるから蘭がそんな様子になっているとは知らずだ。

それでその場では一応一端また明日からよろしくと新一は帰っていくのだが、蘭はその姿を見届けて複雑な気持ちを晴らすことは出来なかった。そしてその上で時間は進んでいく中で新一が戻ってきた日常を開始することになるのだが、その中でコナンだけでなく何人かの面々がコナンが離れていったのをきっかけとするよう、同じような形で米花町を後にしていった事に複雑な気持ちを抱きながら過ごしていった。何かこの一斉な消えかたは何かがあったのではないかというように思いながら。









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