「・・・あの、少し時間はありますか？前に話した事に関してまたお聞きしたいことがあるんです・・・」
「ん？いーよ、俺で役に立つんならね」
ただそこで意を決したように話をしたいと切り出す蘭に、男はヘラりと笑いつつあっさり了承した。




















・・・それで蘭は男を連れて近くの公園へと向かい、新一とのことや園子と話したことを説明した。



「ふ～ん・・・そういったことがあったのね・・・」
「そうなんですけどあの、どう思いますか？新一や園子の言ったことに関して・・・」
・・・それで男がベンチに座って蘭がその前に立つという形で話をしていった。
そうして話が終わって男が分かったというように声を漏らし、蘭が不安げにどう考えたのかと問い掛けると男はガリガリと頭をかく。
「ん～・・・後はもう時間が解決する事だと思うよ」
「時間・・・？」
「嬢ちゃんのお友達からちゃんと考えるようにって言われたんでしょ？でもそうして一応友達から納得して話を聞いてった筈の嬢ちゃんがそうして悩んでるのって、多分その新一君の事を判断するための材料がそんな多くないからなんだろうなって思うけど、何だかんだで新一君ってのは時々じゃあるけど顔を見せたりとか電話してきたりするんでしょ？」
「まぁそれは・・・」
「うんうん。その上で聞くけど今すぐだとか後一週間や一ヶ月みたいに早くどうするか決めなきゃいけないみたいな期限とか理由ってないんでしょ？」
「・・・それも確かにそうですけど・・・」
「ならいいじゃん・・・嬢ちゃん的には早く結論を出して心の荷物を降ろして、楽になりたいんだと思うんだ。でもこの問題に関して変に早く解決するみたいなことをしようとすると、お友達が言ったように誰かがこうしたらいいみたいなのに従った時みたいな結果になるんじゃないかって思うのよ。結局それでどっちになるにせよ早くどうかを決めても、新一君が帰ってくるまでモヤモヤするんじゃないかって思ってね」
「っ・・・確かに早く決めてもそうなりそうですね・・・」
そのまま男が口にしていったのは時間が必要と言った上で色々なことであって、それらに蘭は否定を返せなかった。事実も混ざっていた上で早く決めてもいいことはないというよう。
「でしょ？だから時間が必要って言いたいの。新一君がいつに戻ってくるかは分からないけどそんな風に時々会ったり電話したりしてくるくらいだから、その時の態度だったり発言なんかからどうなのかっていうのを自分の気持ちやら考えやらを照らし合わせていけば、少なくとも今よりはどうするかって風に気持ちやら何やらをちゃんと新一君が戻ってくるまでの時間でゆっくりまとめられると思うよ」
「・・・ちゃんと新一が戻ってくるまで、ですか・・・」
「話を聞いた感じだと今追ってる事件とやらをどうにかするまで、たまに会えてもまたどっかに行くんじゃない？だったらもうその事件の事は完全に解決したって言われるまでは戻ってこないって思った上で、同時にそれは考える時間だって思うくらいの方が待つ時間も少しはマシな気持ちになると思うしね」
「・・・確かに、そう思った方がいいと思いました・・・どうせ新一はそんなすぐに帰ってくるような気はしませんでしたから、もうその時間を考える時間にあてれるって思う方がいいんじゃないのかなって・・・」
更に男がいかに戻ってくるまでの時間を考えることに使った方がいいかを軽く話していくと、蘭も納得と言った様子を浮かべていった。新一はそう早くは帰ってこないというのは確かに朧気ながらに感じたことだからそうする方がいいと。









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