ズレてこそ見える物があり、考え方は変わる

・・・突発的でいて意味の分からない考えに一見したら思うかもしれないが、実は以前に一度同じようにコナンが新一ではないかと疑っていたことがあった上で、実際にそうではないかとコナンに聞いたのだ・・・だがその時にたまたま現れた新一の母親である有希子からそんなことはないと言われたことで、流石に考えすぎたかというようになった。

だがその考えはそもそも有希子が新一と口裏を合わせたからではないかという考えが出てきたこともあり、実は本当にコナンは新一ではないかと疑うようになっていったのだ。というよりもう新一じゃないとこれまでの事を考えると有り得ないんじゃないかと。

だがそういったことを考えていく内に自分が新一だということを打ち明けてほしいという気持ちもあったが、同時に蘭はこういうようにも考えるようになっていった・・・新一と自分の考え方のズレは思っていたレベルをかなり超えた物ではないかという事を。

元々は新一が事件を追うために動いていることを寂しくもらしいと思うくらいで待つことを考えるくらいだった。だが男と話してからそれが良くないことだったのではと思い始めてしまった・・・だがそれが新一が実はコナンだったというなら前提そのものが崩壊することもそうだが、ズレ云々の話ではなくなるとすら蘭は思っていた。何故なら新一は何も言わないばかりか偽名を名乗り自分や小五郎や周りを騙す形で、自分達の近くにいるということなのだ・・・これが単なる考え方の違いだとかズレで済ませられるような物ではない事くらいは蘭もすぐに考え付いた。言ってしまうならば自分達は新一に裏切られたのかということになると。

だがそういったように考えてもまだ新一の事を信じたいと言った気持ちは捨てきれないし、前に否定されたのもあって新一から事実を明らかにされたいという気持ちを抱いていた。だから蘭は自分はもう貴方の事には気付いているといった風に振る舞う形で、新一の方から自分にそう切り出してほしいと態度で示すことにしたのである・・・本当に探偵だというなら自分の態度からそうだと察してほしい上で、もういい加減本当の事を話してほしいと・・・


















・・・そんな風に蘭はコナンを試すような態度を取っていったのだが、しばらく時間が経った後で結論から言うならコナンは新一ではないかと見ていたのは自身の勘違いだというように結論が出た。それは何故かと言えば新一が現れた時にコナンが同じ場所にいるという、自身の考えを覆される証拠が出てきたからであった。

この事に前の事も含めて流石に突拍子もない考えだったというように反省すると共に、少しの時間を新一が戻ってきた生活を過ごす事になったのだが・・・それは少しと言ったよう、とある事件が起きたことで新一はその事件の解決に向かうと共に、その事件が解決したらまた追っていた事件の方に向かうとコナンに伝言を託し、蘭の元を去っていったのである。

・・・蘭は久しぶりに新一と顔を合わせて話せたり一緒に過ごしたことに関しては掛け値抜きに嬉しかった。今までの不審な気持ちやら考えやらは様々にあったが、好きな男と本来望んでいた穏やかな時間を過ごせたこと自体は。

だが事件が起きたというように周りから聞こえてきた時から明らかにそちらが気になると言った様子になっていき、蘭は行ってくるようにとその背中を押す形を取った・・・以前ならその姿にらしいと微笑ましく見送るようにしただろうが、その時には苦笑いになるのを何とか表面上は微笑になるよう抑えるくらいにする形になってだ。

そしてしばらく経って事件は解決してコナンが事の経緯を説明に来た時、コナンを相手にしているからあくまで優しく対応をしていったが・・・その心中ではハッキリと新一に対しての気持ちやら考えやらが変わっていくのを蘭自身感じていった。









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