恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編
・・・セフィロスはクラウド達が自分、いや正確にはもう一人の自分となったセフィロスを止めてくれたことについてを心から感謝した。詳細は省くが自分が知った事実は間違っていたことを知り、その時にはもう一人のセフィロスは自身の手から離れてどうしようもない事になってしまったのだ。
そんなもう一人のセフィロスを止めたのがクラウドを代表とした面々なのだが、そんなクラウドやその仲間達も様々に問題や苦悩を抱えながら動いてきている姿を見てきた・・・その姿にセフィロスは自分や友二人の状況が色々と違うとは言っても、こういったような交流があればどうにかなったのではないかと思わずにいられなかった。例え友二人の状況というか状態が変わるかと言われれば無理だっただろうが、それでも精神的には大分マシにはなっていたのではと。
・・・その点では三人目の友とセフィロスからは呼べた存在がいなかったら自分も二人の友ももっと酷い状況になっていた可能性が高いと今なら思うが、だからこそ友であり仲間・・・あるいはクラウドにとってのティファのような恋人の存在が自分にもいたならと考えたこともあった。自分と共に歩んでくれた上で、愛する女性が隣にいてくれたならと。
まぁその辺りの事に関しては前世ではセフィロスと近い位置で話せる女性など仕事関係くらいしかおらず、プライベートでは英雄という呼び名で呼ばれるくらいの有名人だったこともあってセフィロスを憧れの対象だとかのファン目線で見るような女性ばかりで、セフィロスを理解した上で並び立って苦楽を共に出来る女性などいるはずも無かったのはどうしようもない事だった。
その点で新一にとっての蘭は新一の事を理解して共に並び立っているかのように一見は見えるが、その実はただ新一が新一らしくないことになるという事を自身も嫌だから、ただ共に抵抗しているだけで本来こうあるべき・・・というセフィロスから告げられた言葉を闇雲に否定しているだけに過ぎなかった。
「・・・そういったように考えてみると、恵まれた環境にいて恵まれた能力を持っていても人として望ましい成長をするとは限らないということか。むしろそういったように恵まれた環境に居続けるであるとか享受してきたならばこそ、普通という価値観を当てはめれば逸脱しやすくなるのだろう・・・新一達に限った話ではなくな・・・」
更にセフィロスはそこから人としての在り方についてを漏らしていくのだが、そうする中で見ていた手で顔を覆った。言葉を口にする中で頭の中に思い浮かんできた顔達に対しての様々な思いから・・・
・・・恵まれた環境や能力を持てば人として望ましい成長をする、とは限らない。前世では考えられなかった事だが、今のセフィロスは優作達との交流を始めてから前世のことも含めて考えるとそうだというように考えていった。それは自身もそうだが前世の両親も所属していた組織の上層部の面々達の事を思い返してだ。
今思い返してもセフィロスは父親を含めた組織の上層部の顔触れに、気分が良くなることはなかった・・・自分達の利益や欲望を満たす為に数多の犠牲を生み出したのにも関わらず、自分達に罪はないどころかそれらの犠牲を当然の物だと悲しむどころか笑っていたのだ。それが前世の世界全てで名を馳せている世界トップの組織の上層部であり、富や権力を持つ者達であった。恵まれた環境や能力にあれば人として立派だなんて論法が通じるのなら世界でトップの人格者となる筈なのに、実態はそんな者達ばかりという形だ。
だからセフィロスは恵まれた環境や能力が立派な人間を作るとは限らないと考えた訳である。無論全員が全員そうだと決め付けている訳ではないが、新一もそうだが蘭も立派な人間だというようにはセフィロスは思っていなかった。流石に前世の組織の上層部程酷くはなくてもだ。
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そんなもう一人のセフィロスを止めたのがクラウドを代表とした面々なのだが、そんなクラウドやその仲間達も様々に問題や苦悩を抱えながら動いてきている姿を見てきた・・・その姿にセフィロスは自分や友二人の状況が色々と違うとは言っても、こういったような交流があればどうにかなったのではないかと思わずにいられなかった。例え友二人の状況というか状態が変わるかと言われれば無理だっただろうが、それでも精神的には大分マシにはなっていたのではと。
・・・その点では三人目の友とセフィロスからは呼べた存在がいなかったら自分も二人の友ももっと酷い状況になっていた可能性が高いと今なら思うが、だからこそ友であり仲間・・・あるいはクラウドにとってのティファのような恋人の存在が自分にもいたならと考えたこともあった。自分と共に歩んでくれた上で、愛する女性が隣にいてくれたならと。
まぁその辺りの事に関しては前世ではセフィロスと近い位置で話せる女性など仕事関係くらいしかおらず、プライベートでは英雄という呼び名で呼ばれるくらいの有名人だったこともあってセフィロスを憧れの対象だとかのファン目線で見るような女性ばかりで、セフィロスを理解した上で並び立って苦楽を共に出来る女性などいるはずも無かったのはどうしようもない事だった。
その点で新一にとっての蘭は新一の事を理解して共に並び立っているかのように一見は見えるが、その実はただ新一が新一らしくないことになるという事を自身も嫌だから、ただ共に抵抗しているだけで本来こうあるべき・・・というセフィロスから告げられた言葉を闇雲に否定しているだけに過ぎなかった。
「・・・そういったように考えてみると、恵まれた環境にいて恵まれた能力を持っていても人として望ましい成長をするとは限らないということか。むしろそういったように恵まれた環境に居続けるであるとか享受してきたならばこそ、普通という価値観を当てはめれば逸脱しやすくなるのだろう・・・新一達に限った話ではなくな・・・」
更にセフィロスはそこから人としての在り方についてを漏らしていくのだが、そうする中で見ていた手で顔を覆った。言葉を口にする中で頭の中に思い浮かんできた顔達に対しての様々な思いから・・・
・・・恵まれた環境や能力を持てば人として望ましい成長をする、とは限らない。前世では考えられなかった事だが、今のセフィロスは優作達との交流を始めてから前世のことも含めて考えるとそうだというように考えていった。それは自身もそうだが前世の両親も所属していた組織の上層部の面々達の事を思い返してだ。
今思い返してもセフィロスは父親を含めた組織の上層部の顔触れに、気分が良くなることはなかった・・・自分達の利益や欲望を満たす為に数多の犠牲を生み出したのにも関わらず、自分達に罪はないどころかそれらの犠牲を当然の物だと悲しむどころか笑っていたのだ。それが前世の世界全てで名を馳せている世界トップの組織の上層部であり、富や権力を持つ者達であった。恵まれた環境や能力にあれば人として立派だなんて論法が通じるのなら世界でトップの人格者となる筈なのに、実態はそんな者達ばかりという形だ。
だからセフィロスは恵まれた環境や能力が立派な人間を作るとは限らないと考えた訳である。無論全員が全員そうだと決め付けている訳ではないが、新一もそうだが蘭も立派な人間だというようにはセフィロスは思っていなかった。流石に前世の組織の上層部程酷くはなくてもだ。
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