恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編

この様々なという部分に関して一つ一つ説明するなら、まず慰謝料に関しては阿笠からの発案であるとは言え新一が何も知らせず毛利の家に入り込んでいた事を謝罪すると共に、その際にかかった生活費だとかを支払うための物であった。この辺りは新一が後にその金を支払う事など全く考えてなかっただろう上で、精々が全部終わったら軽く謝ればいいというのが容易に想像がつくが・・・セフィロスからの話もあって自分達が慰謝料を支払うと決めたのだ。

ただ慰謝料以外にも理由があるが、その理由の一つには小五郎に対しての口止めの為の料金という意味合いも含められていたのである・・・一応というか小五郎もだが蘭も新一の状態についてを前からの関係性や自分達もまずい事になりかねないから広めるつもりなどないのだが、端から見れば新一に利用されてきた事は不快感という不安要素から話を秘密をぶちまけかねない可能性も有り得る・・・ということから口止め料も含めた金を支払う事にしたのだ。これはセフィロスや降谷達へ向けた対外的な処遇で、信用させるための処置である。

ただその二つよりも重要な要素がその支払った金に対しての意味がある・・・それは何かと言えば、小五郎に蘭を諦めてもらう事についてを覚悟してもらう為という事であった。これに関してはその時にどうなるかは確定はしていないにしても、新一と蘭の関係や考え方次第ではもう二人の事について諦めてもらった方がいいと優作達も苦渋の末に考えて出した結論だと告げたのである。

その様子に小五郎はどういうことかと聞くのだが、優作達が言いにくそうにしながらもあれだけ新一の事を擁護する蘭ちゃんの姿を見た後だと、もう蘭ちゃんが新一と離れる事は考えられない上でこのまま行けば二人は結婚する可能性が高いと見ているが・・・もしそうなれば自分達は新一を助けるつもりはないが、そこで蘭ちゃん可愛さに毛利さんに新一も含めて助けるようなことをしてほしくないから言ったと返した。

そんな優作達のらしくないながらも本当に新一に対して取る処置にブレを出さないようにするために考えたといった様子を受け、小五郎も様々な葛藤はしたもののもし蘭達が変わらずそのままであったなら良くないと考えたからそうする・・・と頷いたのである。蘭のあの姿を見たからこそ言えることとしてあのままであったなら優作さん達に厳しい処置を取られていることだけを不満に思い、自分にどうにかしろと求めてくるだろうけどそんな事をしたら良くないと思ったからそうすると。

そうして小五郎も覚悟を決めてそうするといった答えをもらえたのだが、だからこそ優作達はそうしてくれるというなら慰謝料の諸々を蘭達に伝えないこと及びそれらを渡さないと約束するようにしてほしいと言った。そんな諸々の金のやり取りがあったと二人に知られたなら色々と台無しになりかねないし、そんな金があるなら自分達への支援をするか・・・最低もう親子の関係が切れてもいいからその金を手切れ金として渡せと勢いで言い出しかねない可能性もあるからと。

そんな言葉に小五郎も絶対に言わないし金は渡さないというようにすると返したことで、その分の料金も上乗せして渡すことになった上でセフィロスにこの事は黙っているようにしてくれと言われたのを受け入れたのである。立場上仕事の一環だから優作達からの金をもらうことはしないと言った上で、優作達の間での取り決めはセフィロスからしてもこれからの事を考えれば是非とも必要だと見た為に。

・・・そしてその判断が決して間違いではないと思えるような結果が、今のセフィロスの前にいる二人の様子なのである。自分達の置かれた状況にただ不満を持つばかりで、親達が考えていることに関してを一切考えていない様子に。









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