隣の芝が青いことの意味

「・・・まぁ新一の事についちゃもう関わってこねぇってんならいいが、オメーらから見て英理もそうだが蘭はどういった結論を出すと思う?」
そんな新一に対する話を区切りとしようと小五郎は次に、英理達がどう考えるだろうかと二人に問う。蘭が英理の元に行った結果、どうなるかの予想を。
「・・・僕は妃さんに蘭は意地と言うか、自分達から頭を下げたくないと考えると思います。僕達にそそのかされたと言ってもこんなことを言い出したのだから、元に戻るなら相当に謝ったり色々してもらわなければ割が合わないといったように考えられる形でです」
「・・・やっぱりそっち方面になるか・・・」
まずはとカミーユがその問いに答えるのだが、その中身に予想通りだと小五郎は頭に手を当てる。自分の事を絶対にただでは許すような考えにはならないだろうと。
「俺も同じ考えですが、そうなるに至る過程としては二人が毛利さんに対する愚痴なり文句なりを互いに言い合い、それで意気投合といった形で二人が結束するからだと思います。こういった場合は異性相手なら色々と性の差からがっちり噛み合うことはあまりありませんが、同性の場合は同性だという安心感から色々とさらけ出す事が出来るようになります。ましてや二人は親子であり、失礼な言い方と承知で言うなら共に毛利さんに不満を持つ身・・・そうなるのにさして時間はかからないかと思われます」
「あーーー・・・そう聞いちまうと、蘭は俺から離れるって選択する事も有り得るかもしれねぇって感じてきたな・・・半年って風に話はしたが、そのまま英理の所に行くって言い出す形でよ・・・」
「その可能性は高いでしょうが、蘭が本気で自分が毛利さんに妃弁護士との仲の改善に取り組みたいと考えるなら行動をちゃんと起こすでしょう。そこは蘭次第の部分の為、俺達が問答をしてもあまり意味はないでしょうね」
「蘭次第、か・・・どう考えて動くんだろうな、本当に・・・」
続いてルルーシュが同意しつつ蘭達がどういった感じになるかを述べた上で蘭次第と述べた事に、小五郎は複雑そうに漏らす。覚悟はしているとは言ったが、やはり娘がどう思って行動するか・・・親としては色々と考えてしまうために・・・






「・・・毛利さんが妃弁護士達と復縁出来る実際の確率はどれくらいだと見てる?ルルーシュ」
「小数点以下レベルだ。妃弁護士に毛利さんと元の関係に戻るつもりが一切ないという訳ではないだろうが、自分から戻りたいと切り出すことは自身のプライドからまずないだろうし、蘭の怒りによりなおのこと戻ってたまるものかと考えるだろう。むしろ蘭の言葉により蘭を自分が引き取り、それこそ土の味が分かるほどの土下座をしても一度や二度では許しはしないだろう。そしてそういった形で元の形に戻った所で以降も毛利さんはその負い目を背負わされてろくな発言権も与えられなくなり、家庭内の地位など無いに等しい物になる・・・そうなれば不満を溜めた毛利さんの言葉に端を発して、また別居だとか離婚だとかの話になる。そこまでの過程も含めて考えれば完全に大丈夫だなどと断言など出来ないどころか、今の内に別れてもらった方が互いの為になるだろう」
「だろうな」
・・・それで小五郎の所からの夜の帰り道を歩く中、真剣なカミーユの問い掛けにルルーシュもまた真剣な様子で饒舌に返していきその中身に納得する。二人には別れてもらった方がいいと。









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