「・・・そういうことだ。君は今新一のおかげで仕事が増えたというように言っていたし、そこまでになってないのなら問題ないというような言い分があるかもしれないが、新一の思うように進んでいたらその時に毛利さんの状況は散々な物になっていただろう。ただ一応そこまでの事態にならなかったことに関しては毛利さんも工藤さん達も良かったというようには話し合ったが、その反面で毛利さんはもう自分は新一もそうだが蘭のことも諦めるというように言った上で、工藤さん達も仕方無いと受け入れたんだ」
「なっ・・・お、おっちゃんはまだともかく、父さん達はどういうことだよ・・・！？」
「その辺りは毛利さんも毛利さんでだが、二人もお前達が変わらない様子で過ごしてきたのを見てきたからこその判断だ。特に毛利さんからしてみたらお前が連れていかれてからもそうだが、戻ってきてからは尚更にお前に傾倒して庇う蘭の姿にそれまで何度も言い争いをしてきたのもあって、もう蘭を説得だとか説教する意味なんてないと思ってもう自分を巻き込まないならそれで後は好きにすればと諦めたというか、諦めざるを得なかったといった所だったとのことだ」
「えっ・・・じゃ、じゃああの時お父さんが急に話してる最中にいきなりもういいって言ったのって、私達の事を認めたんじゃなくて・・・逆に私達の事を諦めたの・・・！？」
「っ・・・！」
そうしてまとめるように話を進めていく中で新一が慌てて優作達が認めた事を信じられないというように言うが、続いた小五郎の諦めの瞬間についての話に蘭が戦慄して顔を青ざめさせながらあの時の事かと漏らすと、本当の事なのかと同じように顔を青くする。
「君も予感しているだろうが俺達もあの毛利さんの様子から、嘘に誤魔化しなんか一切ない本音のみで話しているということは感じ取れた。そして二人も新一が戻ってきてからの蘭とのつきあい方の様子を見た上で新一に色々と言っていたが、結局改善の様子が見られなかったことから毛利さんを是が非でも説得するのは無理・・・というか自分達も諦めざるを得ないという心境になっているから、それでとなったとのことだ」
「と、父さん達がそんな風に俺達の事を・・・！？」
「毛利さんも毛利さんで蘭に対して親としての務めから話をしていたが、工藤さん達もお前に話をしていただろう。お前の身の振り方であるとか蘭とのつきあい方についてだ・・・お前も心当たりがない訳じゃないだろうし、その時に二人の言葉を受け入れたのか？」
「そっ・・・それ、は・・・っ・・・！」
そしてそう感じたのは自分達も同じで同意した・・・セフィロスがそう話していくと新一は信じたくないとばかりに声を漏らすが、お前も話をされている筈と言うと段々とその事に気付いていって言葉を失っていった。
(・・・予想はしていたが、やはりこの姿を見ると二人に色々と言わずに済ませたのは正解だったな・・・)
そんな姿にセフィロスは改めて内心で考える。やはりこんな二人に様々な事を何も言わなくて正解だったと。






・・・セフィロスや優作達が新一達に対して秘密にしている事はいくつもあるが、それらをまとめる形になるような代表的な事が何かと言えば・・・優作達から小五郎への多額な慰謝料だったり様々な意味を含めた金の内密な譲渡であった。









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