「まぁ一応はそういったような依頼に関しては『江戸川コナン』がいなくなった後は相当に減ったらしいが、それでも時に殺人事件なんかに発展することがあったらしくその時は工藤さんにすぐに連絡して何とか事なきを得たようだが・・・その事から毛利さんは今仕事で大分苦労している上で、その事に関しても工藤さん達は何度も謝ってきたとのことだ。そんな状況にしてしまった事についてをな」
「そ、そんなことまで父さん達は頭を下げて行動していたっていうのか・・・」
「で、でも新一がウチに来なかったらお父さんに仕事なんか来なかったんですよ・・・」
「そこに関しては今がまだマシなだけだから言えることだ。もし二人が帰るのがもっと遅くなるだとか新一の目的が達成されるまで毛利さんを利用する形でいたなら、その時がいつになるかはともかくとしても毛利さんの名声が高まることもそうだがそこにはもう『江戸川コナン』は存在しないし、何より何も話されていなかったなら工藤さんに毛利さんが助けを求めるという行動に出ることが出来ていたと思うのか？」
「「・・・っ！」」
ただそれでも一応今は何とかなってはいるが影響を多分に受けているといったように話す中身に新一は唖然とするが、蘭が尚も何とかなってるならいいだろうと反論してきたことにもしも新一の望むようになっていたならどうなっていたか・・・そう想像するようにセフィロスから言われると、二人は揃ってハッとしてしまった。気付きたくなかった事実に気付いてしまったというよう。
「そう。今は工藤さん達と事情を共有しあっているし日本にいるからそういった話を出来るが、もしそうなっていたなら毛利さんからしたら工藤さんに助けを求めるという発想などまず出てこなかっただろう。更に言うなら新一は元に戻る際の経緯もあって完全に一人で元の体に戻るであるとか、組織を壊滅させるなど出来る筈はなかったのは承知しているだろうから言わせてもらうが・・・その時に新一が事実を言いたいといったように切り出したとしても、組織の事を部外者に明かすことは許さないしそうしたなら毛利さんもだが新一も相当なペナルティを課されていただろうことから、まずどうなった所でより不幸な未来にしかならず毛利さんの苦境に関してをどうにかすることなど出来なかっただろうな」
「「っ・・・！」」
セフィロスはそんな二人にハッキリとした言葉でこういった未来になっていただろうと突き付けるように口にしていき、それらに二人は苦い顔を浮かばせるしかなかった。反論をしたくてもその材料が見えない上に、小五郎があまりにもキツくなる光景を否定出来ずに。






・・・二人がこうもセフィロスの言葉に反論出来ない理由の大半は、新一が思うように出来ていれば何事もないどころか大団円になると信じて疑わず、厳密にシミュレーションしようなどという考えなど一切無かったことにある。これに関しては信じるからこその盲信が産み出した結果であって、ある意味では当然の結果とも言えるだろう。

だがそんな新一が行動すればハッピーエンドなんて展開になると決まったわけではないと、一番新一の行動により影響を受けた小五郎を筆頭に有り得ないと見たのである。小五郎に優作達にセフィロスがじっくりシミュレーションして話し合った結果としてだ。そしてだからこそ小五郎と優作達の間では決して新一達に言ってはならない取り決めがされていて、セフィロスも今こうして話をしているが決して二人には話してはならない秘密を隠しながら話をしているのだ・・・









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