恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編

「・・・繰り返し同じようなことを言うようだが、俺は不幸自慢をするためにそう言ったんじゃないし俺自身そういった自分の身の上についてはもう自分の中でそういうものだと受け入れている。だがそう言う前の二人は俺の身の上を聞いてそういったように思ったとの事だ。自分達が新一に願ったことは新一も望んだからとは言っても、言ってしまうなら金はやるから後は勝手に生きろと見捨てるような物では・・・とな」
「「っ・・・!」」
だがそれで優作達がそう聞いてどう感じて思ったのか・・・その事をセフィロスから聞かされて、二人は苦い顔をより苦そうにしてしまった。本来の二人ならここでそんなことないと否定していただろうが、受け入れているというように言っているが親に捨てられたという衝撃的な事実を前に立ち直れないままにいたからこそ、それらの言葉をただ受け入れざるを得ない状態だった為に。
「そんな二人に対して俺が言ったのが前に言った事だ。こういう時には感情論から何かを言うんじゃなく、周りの常識に照らし合わせた方が色々といいと思ってな・・・そしてその結果はお前達も知っての通りというわけだ」
「っ・・・だから父さん達はあんたの言葉で帰ってくるって選択したっていうのか・・・!」
「不満そうだな。まぁ俺の言葉がなければ二人が日本に同じタイミングで戻ってきたかどうかは分からないが、仮にお前が元の体に戻るまで二人が戻らなかった場合お前は毛利さんを利用出来るだけ利用し、そして正体も何も明かさずろくに後始末もしないままに放置していたんじゃないか?」
「なっ・・・!?」
セフィロスはだからこそそんな二人に必要だと思ったことについて話をしたと告げると新一は怒りが沸いたとばかりに気を持ち直して睨み付けるのだが、もしもの可能性についてを問われ瞬時に絶句した。
「心外だというような顔をしているが、組織の事について表沙汰にしてはならないことが多すぎる事ばかりであることもそうだが、志保や公安といった面々と協力出来なければ元に戻ることはおろか奴らと対峙することも出来なかったと言わざるを得なかっただろう。どうした所でお前一人で組織壊滅などな」
「っ・・・それとこれと何の関係があるんですか・・・!?」
「要はその時にお前が組織を壊滅させただとか事情を話したいと毛利さんやマスコミに明かしたいと言っても、公安などからそんなこと許される筈もないと言われるということだ。そんなことを強行しようとするならならお前の口を封じるしかないとなって、結果としてそれに納得して黙るか納得出来ないとなったなら・・・無理矢理にでもお前は黙らざるを得ない状態にされていただろうな。両親に毛利さん達に何も言わずに一人でどうにかしようと息巻いていたならこそ、今まで協力体制にあった者達はお前個人の気持ちからくる言い分など聞く耳を持つ必要はないという形で口を塞ぎに来てだ」
「「っ!?」」
そうしてセフィロスがあくまで一人にこだわったならに、それで組織壊滅を為して事実を話そうとしたなら・・・そう語るその中身に、新一もだが蘭も大きく目を丸くした。そんなことをされるまでなのかと。
「・・・それほどのことをされるのかというような反応だが、それほどのことだということなんだ。奴らに関してを表沙汰にしてはならないということもそうだが、何より二人が関わらずお前がお前の思うように自分でやれたならという事を仮定したとしたなら、そうなるというようにしかならんだろうとな」
「なっ、何で・・・」
「それが自分で責任を負うということだ。お前の思うように自分だけでやりたいと我を貫いたならのな」
その反応についてを取り上げつつこうなるだろうと言い切るセフィロスに呆然とした声を漏らすしかない新一に、責任だと告げる。自分だけでやることについてのと。









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