恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編
「・・・久しぶりだな。と言ってもそちらは俺に文句を言わずにはいられない、といったような様子だな」
「「っ・・・!」」
・・・セフィロスが泊まるホテルの一室にて。
そこで椅子に座るセフィロスは対面上に並んで座る新一と蘭に微笑を浮かべながら言葉をかけると、気に入らないとばかりに敵意を込めた視線を浮かべる。
・・・新一がいるのはともかく蘭までもがいるのは何故かと言えば、新一がセフィロスの元に行くというのを聞いて蘭も付いていくと切り出したからだ。新一が色々と言いに行くというなら私も行くとヤル気満々な様子でだ。その様子に新一もならと頷いて共に来たというわけである。
「俺に文句を言いたいという気持ちがあるのは分かるし、二人からは時々新一の様子については連絡を受けていた。大分参っているようだとな」
「よくもそんなことを笑いながら言えますね・・・俺がキツいという事に関してを・・・!」
「そうですよ・・・少しは新一に申し訳ないとか元のようにしようというような気にならないんですか・・・!?」
「やれやれ・・・相当に嫌われたようだな、俺は」
そんな二人に軽く話し掛けるセフィロスだが、揃って気に入らないといった返しをしてきたことに苦笑気味に首を横に振る。
「まぁいい。小さくなった体についてはまだしも、元々から二人が日本に帰ることやそこから新一に対して取るべき態度はこうだというように話をするべきだと言った時から、俺が新一に嫌われるだろう事は想像出来ていたからな」
「それはそうだろ!どういう経緯で父さん達と知り合ったかやそう言ったのかは聞いたが、他人のあんたがうちの事にとやかく言う権利なんてないだろ!」
「二人にとやかく言ったつもりなんてないさ。ただ俺はどうして日本人である二人が日本を離れて暮らしているのかを聞いた上で、俺の身の上話から二人に言ったような事を言ったに過ぎないからな」
「・・・身の上話?」
そうして気にしてないというように言葉を続けるセフィロスに新一は尚も気に入らないと激昂していくが、身の上話という単語に蘭共々どういうことかと眉を寄せる。
「工藤家についてばかり俺が聞いていたから、二人から俺の家族についてを聞かれたからこう答えたんだ。俺が記憶を持つようになった時には両親は既に俺の元にはいなくて、施設暮らしをしていて家族と共に過ごした事などないとな」
「「っ!?」」
だがそこでアッサリと明かした自身の境遇についてに、今までセフィロスを敵視していた二人は驚愕を表情に浮かべて静止してしまった。ポンと話されるには重い生い立ちについてを聞いたことに。
「気にしないでくれ。不幸自慢をするためにそんなことを言ったんじゃないし、もうその事は俺は受け入れている。ただそう聞いたからこそあの二人は俺からの話を受け入れた部分もあると言っていたがな」
「・・・そう聞いたから?」
「要はそういった身の上についてを聞いて例えお前がしっかりしているからだというように見たからと言っても、まだ大人の立場に立っていないお前に金をやるだけやって放置するのは親としての務めを果たしていないのではないかと考えたとのことだ。まだ親の庇護が立場的には必要な筈の新一を金だけ置いて放置するのは、俺の親がやったようなことを形を変えてやっているのではないかとな」
「「っ・・・!」」
そんな二人の様子を見つつ穏やかに微笑を崩さないままに話を進めていくセフィロスだが、その話の中身が反比例するように重い物であることも加わって二人は否定を返せずに苦い顔を浮かべるしかなかった。自分ならだとか新一なら平気だといったことを本来なら言っていただろうが、セフィロスの身の上を聞いてどう言えばいいのかというよう。
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「「っ・・・!」」
・・・セフィロスが泊まるホテルの一室にて。
そこで椅子に座るセフィロスは対面上に並んで座る新一と蘭に微笑を浮かべながら言葉をかけると、気に入らないとばかりに敵意を込めた視線を浮かべる。
・・・新一がいるのはともかく蘭までもがいるのは何故かと言えば、新一がセフィロスの元に行くというのを聞いて蘭も付いていくと切り出したからだ。新一が色々と言いに行くというなら私も行くとヤル気満々な様子でだ。その様子に新一もならと頷いて共に来たというわけである。
「俺に文句を言いたいという気持ちがあるのは分かるし、二人からは時々新一の様子については連絡を受けていた。大分参っているようだとな」
「よくもそんなことを笑いながら言えますね・・・俺がキツいという事に関してを・・・!」
「そうですよ・・・少しは新一に申し訳ないとか元のようにしようというような気にならないんですか・・・!?」
「やれやれ・・・相当に嫌われたようだな、俺は」
そんな二人に軽く話し掛けるセフィロスだが、揃って気に入らないといった返しをしてきたことに苦笑気味に首を横に振る。
「まぁいい。小さくなった体についてはまだしも、元々から二人が日本に帰ることやそこから新一に対して取るべき態度はこうだというように話をするべきだと言った時から、俺が新一に嫌われるだろう事は想像出来ていたからな」
「それはそうだろ!どういう経緯で父さん達と知り合ったかやそう言ったのかは聞いたが、他人のあんたがうちの事にとやかく言う権利なんてないだろ!」
「二人にとやかく言ったつもりなんてないさ。ただ俺はどうして日本人である二人が日本を離れて暮らしているのかを聞いた上で、俺の身の上話から二人に言ったような事を言ったに過ぎないからな」
「・・・身の上話?」
そうして気にしてないというように言葉を続けるセフィロスに新一は尚も気に入らないと激昂していくが、身の上話という単語に蘭共々どういうことかと眉を寄せる。
「工藤家についてばかり俺が聞いていたから、二人から俺の家族についてを聞かれたからこう答えたんだ。俺が記憶を持つようになった時には両親は既に俺の元にはいなくて、施設暮らしをしていて家族と共に過ごした事などないとな」
「「っ!?」」
だがそこでアッサリと明かした自身の境遇についてに、今までセフィロスを敵視していた二人は驚愕を表情に浮かべて静止してしまった。ポンと話されるには重い生い立ちについてを聞いたことに。
「気にしないでくれ。不幸自慢をするためにそんなことを言ったんじゃないし、もうその事は俺は受け入れている。ただそう聞いたからこそあの二人は俺からの話を受け入れた部分もあると言っていたがな」
「・・・そう聞いたから?」
「要はそういった身の上についてを聞いて例えお前がしっかりしているからだというように見たからと言っても、まだ大人の立場に立っていないお前に金をやるだけやって放置するのは親としての務めを果たしていないのではないかと考えたとのことだ。まだ親の庇護が立場的には必要な筈の新一を金だけ置いて放置するのは、俺の親がやったようなことを形を変えてやっているのではないかとな」
「「っ・・・!」」
そんな二人の様子を見つつ穏やかに微笑を崩さないままに話を進めていくセフィロスだが、その話の中身が反比例するように重い物であることも加わって二人は否定を返せずに苦い顔を浮かべるしかなかった。自分ならだとか新一なら平気だといったことを本来なら言っていただろうが、セフィロスの身の上を聞いてどう言えばいいのかというよう。
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