恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編

公安はあくまでも日本での活動がメイン・・・その為に公安の代表でありスパイとして組織に入り込んでいる人物は命令があれば怪しまれないためにも外国に出ることはあるが、その他の面々は基本的に日本人ばかりであることもあって外国での活動は望まれないことであった。

だがセフィロス達と協力するということで海外での活動に関して、海外にいるセフィロスの機関の者達に任せてセフィロスと公安は日本で活動すればいいという形になったのである。それもスパイとして海外でこういった事をしているだとかここに拠点があるだとか、コードネーム持ちが動いているといった情報を流す形でだ・・・そしてそれらの結果として組織の弱体化に繋がることになったのであり、いくらかの拠点を潰したり幹部を捕まえる事が出来たのである。本来各自で動いていたならそんな風に情報が手に入ったとしても、拠点を潰したりコードネーム持ち達を捕まえたりとトントン拍子とはならなかっただろう。これは密かにとは言え二つの機関が協力しあったからこその結果であり、大きな前進であって組織からしたら予想外に焦りを生み出す結果となった。

そうなるまでは組織が足がつきそうになった拠点はすぐに証拠隠滅した上で棄却するなりしたり以前に、そもそも組織の拠点を制圧するといったことをされたことがほぼほぼ無かった。これは組織がそういった拠点についてを隠すのがうまかったというのもあるのだが、実は捜査機関同士の協力なんて有り得る筈がないという考えがあったことが何よりであった。

・・・これは組織を追って壊滅させたいという気持ちだけは機関を越えて一致しているが、それでなら何故協力しあわないのかと言えば機関同士は敵対している訳ではないにしても、友好的な関係という訳でもない上で確実に組織を追っているという確証があるわけでもないといった様々な要素から、協力を申し出ようなんて風になることがなかったのである。そしてそれを理解していたのは組織を追う機関以上に、追われていた側の組織の方だった。建前やら面子やら様々なしがらみを抱える機関が足を引っ張り合うことはあっても、それらを乗り越えて協力することなんて有り得ないだろうと。

しかしきっかけはともあれ二つの機関が裏で協力しあう形で行動していった事で、予想外のダメージを食らっていった組織は焦りを浮かべた。そんな裏の協力関係を知らないこともあるがそのようにされたことがなかったことから、どういうことだという混乱が起きる形でだ・・・この辺りは裏から弱みを握るなり暴力で言うことを聞かせたり邪魔者を排除したりするように攻撃の形を取るのもだが、自分達は攻撃されないようにと逃げたりもし何か問題事が起きれば自分達に追求が来る前にとトカゲの尻尾切りのように見捨てる事を組織は得意としてきたのだが、尻尾切りをする前に拠点を抑えられたりコードネーム持ちが何人も捕らえられる事など前代未聞のことであり・・・それらで慌てふためく様子を見てきた公安の代表者とセフィロスが話し合った結果として、実際は組織は打たれ弱かったのだというように考えたのである。自分達の思うように出来なかったら動揺して、冷静でなんかいられないといった様子から。

そんな冷静さを失った組織は焦りと共に付け入る隙を見せるような行動を取るようになり、時間はかかったがそれらを取っ掛かりとしてセフィロス達は組織を壊滅させていったのである。









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