恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 後編

・・・『江戸川コナン』として『工藤新一』が毛利家に潜り込んでいたのが優作達にバレ、引き剥がされた上で小五郎や蘭と話をしてから数ヶ月という時間が経って、まずは結論から言うなら新一は元の姿に戻ることが出来た上で組織を壊滅させることに成功した。

まず元の体に戻れた件に関しては新一を公安に引き渡してからしばらくした後で、新一を小さくした薬を作った人物が新一がハッキリと死亡したとニュースに出てこなかった事を覚えていた上で、その時は組織に裏切り者だろうと閉じ込められていたことから自殺しようとして薬を飲んだが、新一同様体が小さくなった上で新一も薬を飲まされたという報告されていたからもしかしたら新一も生きているのかもしれない・・・と考えて小さくなった体のおかげで逃げ出せたことと、その逃げ出した先が新一がいるかもしれないということから工藤邸を目指してきた所を優作達が見付け、色々と話し合った結果としてセフィロスを通じて公安に引き渡したのである。

この公安に引き渡しということに関しては薬の作成者と話し合った中身もあるが、工藤邸で作成者を匿わなければならない絶対的な理由が無かったことにあった。作成者からして工藤邸には新一の生死を確かめに来たのであって別に工藤邸に庇護を求めに来たわけでもなく、優作達も無理に工藤邸に引き留めなければならない理由はなかったのだ。むしろセフィロスが作成者が事情はどうあれ離反したならこそ公安に保護してもらうのが妥当と言ったから、公安に保護してもらうといった流れにしたのである。その方が余計なことにならずに済むだろうからと。

そうして作成者が公安の元に行った上で詳細は省くが様々な困難を経て薬のデータを手に入れると共に、ある酒を誤って新一が飲んで一時的に体が戻ったというきっかけがあったから解毒薬が作れたという奇跡的な偶然があった。特にその酒に関してが無ければ解毒薬が出来たかどうかも怪しかったということを考えれば、本当に奇跡的と言うしか無かったと言えるだろう。

その上で組織の壊滅に関してだが、こちらに関してはセフィロスの所属している機関と公安が協力していったことにより時間は多少かかったものの、二つの機関が協力しあったことにより組織は瓦解していくことになった。特に組織を追い込むのに大きな活躍をしたのはセフィロスであった。

これはセフィロスの能力が高かったというのは勿論ではあったのだが、公安とセフィロスの所属している機関と内密に協力しあっているというのが大きな理由であった・・・これは公安が組織を追う為に手段を問うつもりはないという姿勢は一見は見せつつも、日本のみの捜査機関である公安は外国に行くのが難しい事もあるのだが、ちょこちょこと入り込んでいる他国の機関の人間と協力しようと切り出されなかったこと以上に公安側が協力してくれと切り出さなかったからだ。

切り出さなかった理由に関しては様々あって公安の代表格の人物のこだわりというか、外国の機関に対する敵対心であったり日本に対して排除したいという気持ちがあることから、自分達から協力してくれなんて頭を下げるという発想が無かったのである・・・だが今回の件に関しては新一の事があったことに加えて、セフィロスの所属している機関が公安の代表者が一番嫌う人物の所属する機関と違う事から協力しあうと選んだのである。特にまだしばらくは新一は大人しくはしてくれるかもしれないが、下手に時間をかけて組織を壊滅できずに元に戻れないまま新一を優作達の所に帰したならまた勝手に組織を追うために行動しかねないことも有り得ると考えれば、もうこの際ということで早めに解決しようとセフィロス達と協力していこうとなったのである。

ただそれで二つの機関が協力しあうなんてことは公言出来ないし仮にしたとしたなら組織も警戒することになるから、密かに協力しあう形を取ったのだがこれが中々にいい効果が出たのである。主に日本以外で動く組織の拠点や面々に対してだ。









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