恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編
「・・・優作さんが本気だってことは話の様子から伝わってきました。ただ有希子ちゃんはそれでいいのか?」
「・・・私もそれでいいと思ったわ。そこまで聞かされたのに新ちゃんがそれでもって道を選んだんなら、もう新ちゃんが自分でやりたいって言ったんだから本当の意味で自分がそうするってしないと、新ちゃんはそうしたことの責任を理解しないままにいくことになるだろうって思ったから・・・」
「・・・そうか。そこまで言うんならもうこれ以上聞きはしねーよ」
ただそこで小五郎が口数が無くなっていてうつ向いていた有希子にどうなのかと問い掛けると、辛そうながらも覚悟はしていると視線を向けながら返してくる姿にもう聞かないと返す。
「お、お父さん・・・新一がそんなことになるかもしれないのに、お父さんはそれを見過ごすの・・・!?」
「優作さん達が言ったろ。それは新一がもしもそうしたらの話であって、そうするとは決まった訳じゃねーよ。それにお前は元の体に戻った後で新一に辛い目に合って欲しくないみたいに言ったが、むしろそれくらいしなかったら新一の性格的に何だかんだで後で謝れば許してくれるだろうみたいに思って、危惧されたような行動をしかねない可能性が高くなると思うぞ。蘭も擁護してくれたんだからまたどうにかなるって・・・だがそうなりゃ今度こそ新一は色々な意味で終わりになるだろうな。探偵としてだけでなく人としても選んじゃいけねーことをやっちまったって事でな」
「うっ・・・」
蘭はそんな小五郎に今の話に納得したのかとばかりに涙声で抗議染みた言葉を向けるが、むしろさっきの話からの処遇を素直に進めた方がいいと平然と語るその中身に言葉を詰まらせた。小五郎の言っている事はもしもの可能性を引き起こさないようにする可能性を減らすには、確かに嫌でも効果はありそうに思えると。
「・・・言いたいことを少なからず毛利さんが代弁してくれたが、新一の行動を抑制すると共に新一には自身の行動を改めてもらいたいと思ったからこそ言ったような処置を取ると決めたんだ。だからこそ蘭ちゃんは辛いと思うかもしれないが、新一が元に戻れたとしても探偵として私達が助けを出さないことを承知してもらいたい・・・もう次にやれば本当に私達は新一を見捨てざるを得なくなる程の事を、新一自身がやってしまうと選択するのだと理解してもらうためにもだ」
「っ・・・それは新一にはそうは言うけど、本当にそんなことはしないとかってことにはしないんですよね・・・?」
「蘭ちゃんは辛いだろうが、そうするつもりはないよ。新一が本当に一人でやりたいにやれるという気持ちがあるならそうしろと突き放す為というのは勿論だが、言葉だけの脅しだと新一に思わせてしまうこともだが本当にそこまで私がしないといったような気持ちが態度に滲むことも有り得る・・・これに関しては譲るつもりはないよ」
「っ・・・分かり、ました・・・そういうことなら、私も我慢します・・・」
「・・・ありがとう、蘭ちゃん。そう言ってくれて」
優作がそんな小五郎の発言から自身の考えに沿っていると続けていき、蘭はせめてというような言葉を口にしていくがそれは出来ないと返され・・・もうどうしようもないと理解してとうとううなだれながらそれらに従うと返し、優作は微笑を浮かべながら一つ頷いた後に声をかけてセフィロスに視線を向けると同じように微笑を浮かばせる形で頷き返した。これで成功だというよう。
・・・そこからの話は新一の事がまとまって蘭が大人しくなったことで、すんなりと進むことになった。『江戸川コナン』については優作夫妻が転校するという形で処置するから小五郎達の元からは去っていったというようにするとなったし、セフィロスもここまで来た上で事情を知った事や上からの命令もあって新一の追う男達の捜査についても参加するということにするということを話したことでだ。
ただそこで蘭から新一と定期的に連絡を取り合えないかと嘆願されたが、そこに関してはすぐに却下された。新一を預かってもらっているところの都合もあるが、一応優作夫妻にセフィロスはまだしも小五郎に蘭は余計なことをせず黙っていてもらうことを前提に何もしないと約束してもらっているのに、新一と連絡を取り合いたいというのは色々と筋が通らないということになるからと。
そんな返しに蘭は非常に不本意そうな顔をしていたがその声を覆す事は出来ず、以降はもう後はセフィロス達に委ねるしかないとなった。その男達の事もそうだが、新一の事についても・・・
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「・・・私もそれでいいと思ったわ。そこまで聞かされたのに新ちゃんがそれでもって道を選んだんなら、もう新ちゃんが自分でやりたいって言ったんだから本当の意味で自分がそうするってしないと、新ちゃんはそうしたことの責任を理解しないままにいくことになるだろうって思ったから・・・」
「・・・そうか。そこまで言うんならもうこれ以上聞きはしねーよ」
ただそこで小五郎が口数が無くなっていてうつ向いていた有希子にどうなのかと問い掛けると、辛そうながらも覚悟はしていると視線を向けながら返してくる姿にもう聞かないと返す。
「お、お父さん・・・新一がそんなことになるかもしれないのに、お父さんはそれを見過ごすの・・・!?」
「優作さん達が言ったろ。それは新一がもしもそうしたらの話であって、そうするとは決まった訳じゃねーよ。それにお前は元の体に戻った後で新一に辛い目に合って欲しくないみたいに言ったが、むしろそれくらいしなかったら新一の性格的に何だかんだで後で謝れば許してくれるだろうみたいに思って、危惧されたような行動をしかねない可能性が高くなると思うぞ。蘭も擁護してくれたんだからまたどうにかなるって・・・だがそうなりゃ今度こそ新一は色々な意味で終わりになるだろうな。探偵としてだけでなく人としても選んじゃいけねーことをやっちまったって事でな」
「うっ・・・」
蘭はそんな小五郎に今の話に納得したのかとばかりに涙声で抗議染みた言葉を向けるが、むしろさっきの話からの処遇を素直に進めた方がいいと平然と語るその中身に言葉を詰まらせた。小五郎の言っている事はもしもの可能性を引き起こさないようにする可能性を減らすには、確かに嫌でも効果はありそうに思えると。
「・・・言いたいことを少なからず毛利さんが代弁してくれたが、新一の行動を抑制すると共に新一には自身の行動を改めてもらいたいと思ったからこそ言ったような処置を取ると決めたんだ。だからこそ蘭ちゃんは辛いと思うかもしれないが、新一が元に戻れたとしても探偵として私達が助けを出さないことを承知してもらいたい・・・もう次にやれば本当に私達は新一を見捨てざるを得なくなる程の事を、新一自身がやってしまうと選択するのだと理解してもらうためにもだ」
「っ・・・それは新一にはそうは言うけど、本当にそんなことはしないとかってことにはしないんですよね・・・?」
「蘭ちゃんは辛いだろうが、そうするつもりはないよ。新一が本当に一人でやりたいにやれるという気持ちがあるならそうしろと突き放す為というのは勿論だが、言葉だけの脅しだと新一に思わせてしまうこともだが本当にそこまで私がしないといったような気持ちが態度に滲むことも有り得る・・・これに関しては譲るつもりはないよ」
「っ・・・分かり、ました・・・そういうことなら、私も我慢します・・・」
「・・・ありがとう、蘭ちゃん。そう言ってくれて」
優作がそんな小五郎の発言から自身の考えに沿っていると続けていき、蘭はせめてというような言葉を口にしていくがそれは出来ないと返され・・・もうどうしようもないと理解してとうとううなだれながらそれらに従うと返し、優作は微笑を浮かべながら一つ頷いた後に声をかけてセフィロスに視線を向けると同じように微笑を浮かばせる形で頷き返した。これで成功だというよう。
・・・そこからの話は新一の事がまとまって蘭が大人しくなったことで、すんなりと進むことになった。『江戸川コナン』については優作夫妻が転校するという形で処置するから小五郎達の元からは去っていったというようにするとなったし、セフィロスもここまで来た上で事情を知った事や上からの命令もあって新一の追う男達の捜査についても参加するということにするということを話したことでだ。
ただそこで蘭から新一と定期的に連絡を取り合えないかと嘆願されたが、そこに関してはすぐに却下された。新一を預かってもらっているところの都合もあるが、一応優作夫妻にセフィロスはまだしも小五郎に蘭は余計なことをせず黙っていてもらうことを前提に何もしないと約束してもらっているのに、新一と連絡を取り合いたいというのは色々と筋が通らないということになるからと。
そんな返しに蘭は非常に不本意そうな顔をしていたがその声を覆す事は出来ず、以降はもう後はセフィロス達に委ねるしかないとなった。その男達の事もそうだが、新一の事についても・・・
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