恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編

「あぁ、済まない。言葉が足りなかった・・・正確に言うなら私達は新一が探偵になる為の手助けやら何やらを一切やらないという事だよ」
「えっ・・・ど、どういうことですか・・・!?」
だが続けられた微笑からの訂正の言葉に蘭は驚き、たまらず何でと漏らしていた・・・新一が探偵を目指しているのもだがそれを優作達も応援しているのが蘭の認識だったのに、それを手助けしないとハッキリ言い切ったことに。
「これは先程の話の延長線上のような形になるが、金だけを出して一人で自由に暮らすようにとさせてしまったことが良くなかった事をセフィロスの話から理解した・・・その上でもし新一が元に戻れた場合の事を話し合ったんだが、そこで出てきたのがそこまで自分でやりたいという形で私達にまで黙る形で動いてきたんだから、元に戻れて尚探偵活動をしたいと言うならもう自分でどうにか一人でやりくりして以降は動くようにしろというように言う・・・といった結論に至ったんだよ」
「なっ・・・そ、それって新一の事を見捨てるって言うんですか・・・!?」
「そうは言っていないよ。学校の学費も出すし私達も遠出を避けて家で暮らすようにするから食事も出すし、家から追い出すといったことはしないが・・・探偵活動に関係することだけはどんなに協力してくれと懇願されても断るということだ」
「っ・・・そこまで、する必要があるんですか・・・!?」
それで続いた優作の話の中身に蘭は新一を見捨てるのかと批難気味に声を上げるが、探偵活動限定であるとキッパリ言い切ったことに何故と怒りを我慢しながらの声を向けると・・・優作と有希子は複雑そうな表情に変わった。
「・・・蘭ちゃん。君は新一の事は好きかい?」
「なっ・・・い、いきなり何を言うんですか優作さん!?」
「これは君が新一が何をしていたのかを知って尚、新一に対しての仕打ちは酷いというように言うその理由を聞きたいから聞いているんだ。そういったことを言う君は好きだからという気持ちから、今まで新一がやってきたことについてを聞いても庇い立てするのかとね」
「そ、それは・・・その・・・」
だがそこから優作が新一の事が好きだから庇うのかと問い掛ければ、蘭は怒りが一気に消える形になりながら恥ずかしそうに頬を赤らめモジモジとし出すのだが・・・明らかに優作の言ったよう好きだということもだがだから庇ったと分かる様子に、小五郎はたまらずというよう顔に手を当てて顔を覆った。
「・・・実際に言葉として答えて欲しいとは言わないよ。でもこの問題は君だけじゃなくこの場にいる皆の問題であって、その中には私達も含まれているし毛利さんも当然その中にいるんだが・・・毛利さん。私達や新一のことについてを今までの話からどのように思いましたか?これには私達にもそうですが蘭ちゃんに対しても遠慮であるとか、遠回しに言わずに答えていただきたいのですが・・・」
「・・・なら遠慮なく言わせてもらいますが、今までの話を聞いた分じゃ優作さん達は本当に新一を自由にさせちまってた事を後悔してどうにかしようと考えてるんだってのは伝わってきました。だから二人に関しちゃ本当に今の話のようにしてくれるんなら俺としちゃ構わないと思ってますが・・・蘭、お前に関しちゃもう目も当てられねぇとしか思えなかった・・・ここまで新一の為にと思うなんてってな・・・」
「お、お父さん・・・!?」
優作はそういった小五郎を見た上で話を進めてどう思ったのかと問い掛けるのだが、そこで手をどけた上で優作達はいいと言った上で蘭についてになった瞬間、また手を顔に当てる形で盛大にしたように声を漏らす姿に蘭は信じられないとばかりの声と顔を向けた。









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