恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編

「今の例を聞いただけでも分かったと思います。その男達の存在ややったことが明らかになるのがどれだけまずいことなのかに、そういった厄介事が奴らにはいくらもあり・・・新一の性格上やる気を復活させる可能性は有り得ることからその男達を追うのを諦めてもらうため、今こうして貴方達に話をしていることも含めてその例えについてを受け入れてもらっている所に話をしてもらうようにと言っています。もう貴方達は何も知らない訳ではない上で、それでもと仮にその男達を新一の思うように出来たとしてもそういったように表沙汰に出来ない事が多いから、もし男達の事を明かしたとしたなら賞賛ではなく世間は間違いなく混乱していただろうからそれは出来ることではない・・・と」
「・・・確かにそういう事を考えりゃそいつらの事もそうだし新一の体の事なんか尚更言えたもんじゃねーから、もう俺達に話をしてるだとかそんな風な事は出来ねーって言っといた方がいいだろうが・・・そうすることによってもう新一が何も出来ないようにすることが、新一を甘やかさないってことになるのか。あいつの自由にもうさせないようにすると・・・」
今はあくまでも一例を挙げただけだが他のことも含めて厄介だから対策を取っている・・・そう語るセフィロスに小五郎は納得すると共に甘やかさないという意味を理解したとの声を漏らした。そういうことかと。
「そういうことです。前までの二人なら何だかんだ言いつつも新一なら大丈夫だと思うであったり納得が出来るようにやらせようとしていただろうと言いましたが、俺が先にしたような話をしたこともあって最早新一のやりたいようにやらせることは望まれないと二人は言ってくれました。もし元の体に戻ることが出来たとしてもですが、出来なかったとしてもと」
「待ってください・・・元の体に戻ることが出来たとしてもっていうのもそうですけど、戻れなかったとしてもってどういうことなんですか・・・?」
そうしてセフィロスが二人の気持ちや決定についてを語っていくのだが、蘭が途中で戻れなくてもの部分にどういうことかと不安げに聞いてきた。
「・・・先に話したが二人はもし元の体に戻れなくてもその覚悟はあるが、もしそうなったとしたなら二人は新一の事を行方不明という形にした上で、『江戸川コナン』を自身らの養子に迎えることにという形にするとのことだ」
「えっ!?な、何でそんなことを!?」
「単純に元に戻れないとなれば『工藤新一』をどうするのかということに加えて、今新一を受け入れている所がその男達をどうにか出来たとしてもそう出来なくても、時間が経てばいつまでも新一の身柄を引き受ける理由などない上で、二人もいつまでもそこに新一を引き受けてもらうのは良くないと見てだ。特に引き受けてもらっている所からすればしばらく預かっておくのはまだしも、これから先もずっと死ぬまで訳アリの新一を預かるなんて事が色々な意味で出来るわけではないからな。だからそこと話をした結果として時間にしてみれば君達が三年に上がるまではその男達をどうにか出来てない時は新一を預かるが、そこから先は新一にかなり制約をかけた上で二人が新一を『江戸川コナン』として引き受けるとなるが・・・もしそれから更に時間がかかっても男達をどうにか出来ないか、それこそもう元に戻れないとなったなら先に言ったような処置を取るということにしたんだ。そうでもしなければ『工藤新一』がいつまでも戻らないならどうなったのかという話が以降に出てくることは十分に有り得ることもそうだが、何より・・・時間が経って新一が成長すればするほどに何故『江戸川コナン』と『工藤新一』はここまで似ているんだというように話題になる可能性がどんどんと高くなっていくだろう。だからそう言われたとしてもただ似ているだけというように通すには、そのような形で新一を『江戸川コナン』だというようにするくらいしかないんだ。親戚だからであるとか他人の空似というように言えば流石にいくら瓜二つの顔であったとしても、高校生と小学生の年齢差が見受けられる存在をイコールの同一人物だと繋げる者なんか普通に考えるならいる筈がないからな」
「そ・・・そういうこと、なんですか・・・」
その様子にセフィロスは二人がいかに『工藤新一』と『江戸川コナン』についての処置を取るつもりでいるのかに、その理由はどういうものなのか・・・それらを語っていくと、蘭は呆然としたような様子を浮かべるしかなかった。途中で批難めかせたように理解出来ないといった声を上げたが、理詰めでまずい事態になることを避けるためといった中身の話にそんなことを考えていたなんてというのが分かる様子で。









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