恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編
・・・新一が探偵=ヒーローという図式を持って動くのは物語の中にあるホームズの事を小さい頃から本で見てきたからであり、憧れであると共に同等かそれ以上の存在になりたいというように思いながら育ってきた。それこそ誰にも頼られて愛される上で、いかなる困難も打破していく探偵となるようにだ。
そうしてそういった憧れから高い目標を掲げてきたことから新一は自分で探偵としてやれることはやることにこだわることに加え、尚且つそれで能力が伴っていたことから自身の思うような探偵になれていっていると思えるような成果を出してきたのだが・・・なまじそういった形で成功してきたからこそ新一は誰かに咎められるであるということが無かったのである。ただ新一より頭が回る優作からはまだ詰めが甘いというように言われることもあったが、それでも間違いであるというように否定はされなかった。
だからこそというか新一は探偵として更に成長しようとは思ってはいても、人間として成長はしようとは一切考えてこなかったのである。いや、正確に言うなら自分はもう人間としては十分に立派であるとか探偵として成長することと同義と見ているといった所だろう・・・それだけ新一の中にある探偵像は大きいと見れるのだが、探偵としての能力が高くなる事で人間として成長していると見ているのだろう・・・しかしそれは全く別物だとセフィロスから話を聞いたことにより、前ならいざ知らず今なら優作達はそう思えた。
むしろそうした探偵として知識を得て事件を解決するなり謎を解いて成長しているというだけで、人間としては背格好は成長はしても精神面は停滞していると言っても過言ではなかった。自分の思うように探偵としてやれてきた分から、自分がやりたいようにやることが自分にとっても他者にとっても正しいことだとイコールで繋げるように考えていく形になり・・・それこそ小五郎達に何も言わずに騙して利用することが最善ということもだが、阿笠は人に言わない方がいいと言ったということに阿笠は味方として動いていると言っても、優作達までもに話を通そうとせず独力でやろうとする形を取ると選んだのである。それが独り善がりのやり方ではなく、最善だと疑わない形と思ってだ。
そしてそんな新一だからこそもしそれこそ阿笠以外に秘密を保ったままで元の体に戻れて組織を壊滅させることが出来たとしたなら、小さくされる前のように探偵としてマスコミや自身の周囲に自信満々にそれらの経緯を明かしていっただろうことが想像出来るが・・・それは様々な面から許されないだろうとセフィロスからの言葉があったのである。
「・・・そこから先は俺から話しますが、そんなことをするのは到底許される事ではありません。色々と理由はありますがその男達の事を表沙汰にした時に明るみに出たらまずいことがあまりにも多いことが一番になります」
「あまりにも多いって、どういうことだ?」
「今話題に出ているのは新一の事なので新一のことから挙げますが、単純に体を小さくしたという薬についてです。これに関してが明らかになったならまず確実にその薬の改良型を求めるような動きが出てくるのが想像されます・・・出来る限り死ぬ可能性を減らした上で若返りが出来る薬を作れと、薬のデータを手に入れた上でそれの改良の為にと誰とも知れない誰かを実験にするという動きが」
「「っ!」」
それでセフィロスが自分が話すと新一に勝手をさせられない理由はいくつもあると小さくした薬についてを代表例に挙げ、小五郎と蘭は起こり得る可能性についてにたまらず息を呑んだ。その可能性のあまりの残酷さに。
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そうしてそういった憧れから高い目標を掲げてきたことから新一は自分で探偵としてやれることはやることにこだわることに加え、尚且つそれで能力が伴っていたことから自身の思うような探偵になれていっていると思えるような成果を出してきたのだが・・・なまじそういった形で成功してきたからこそ新一は誰かに咎められるであるということが無かったのである。ただ新一より頭が回る優作からはまだ詰めが甘いというように言われることもあったが、それでも間違いであるというように否定はされなかった。
だからこそというか新一は探偵として更に成長しようとは思ってはいても、人間として成長はしようとは一切考えてこなかったのである。いや、正確に言うなら自分はもう人間としては十分に立派であるとか探偵として成長することと同義と見ているといった所だろう・・・それだけ新一の中にある探偵像は大きいと見れるのだが、探偵としての能力が高くなる事で人間として成長していると見ているのだろう・・・しかしそれは全く別物だとセフィロスから話を聞いたことにより、前ならいざ知らず今なら優作達はそう思えた。
むしろそうした探偵として知識を得て事件を解決するなり謎を解いて成長しているというだけで、人間としては背格好は成長はしても精神面は停滞していると言っても過言ではなかった。自分の思うように探偵としてやれてきた分から、自分がやりたいようにやることが自分にとっても他者にとっても正しいことだとイコールで繋げるように考えていく形になり・・・それこそ小五郎達に何も言わずに騙して利用することが最善ということもだが、阿笠は人に言わない方がいいと言ったということに阿笠は味方として動いていると言っても、優作達までもに話を通そうとせず独力でやろうとする形を取ると選んだのである。それが独り善がりのやり方ではなく、最善だと疑わない形と思ってだ。
そしてそんな新一だからこそもしそれこそ阿笠以外に秘密を保ったままで元の体に戻れて組織を壊滅させることが出来たとしたなら、小さくされる前のように探偵としてマスコミや自身の周囲に自信満々にそれらの経緯を明かしていっただろうことが想像出来るが・・・それは様々な面から許されないだろうとセフィロスからの言葉があったのである。
「・・・そこから先は俺から話しますが、そんなことをするのは到底許される事ではありません。色々と理由はありますがその男達の事を表沙汰にした時に明るみに出たらまずいことがあまりにも多いことが一番になります」
「あまりにも多いって、どういうことだ?」
「今話題に出ているのは新一の事なので新一のことから挙げますが、単純に体を小さくしたという薬についてです。これに関してが明らかになったならまず確実にその薬の改良型を求めるような動きが出てくるのが想像されます・・・出来る限り死ぬ可能性を減らした上で若返りが出来る薬を作れと、薬のデータを手に入れた上でそれの改良の為にと誰とも知れない誰かを実験にするという動きが」
「「っ!」」
それでセフィロスが自分が話すと新一に勝手をさせられない理由はいくつもあると小さくした薬についてを代表例に挙げ、小五郎と蘭は起こり得る可能性についてにたまらず息を呑んだ。その可能性のあまりの残酷さに。
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