「一応言っておくがそれでモニターが現れなかったからといって絶対に新一が戻れないと限ったわけではない。ただ新一を元に戻すためにで他の人達を犠牲や踏み台にして新一が元に戻ったなら、その人達の犠牲は当然の物だというように肯定してはならないしそうさせるつもりもない・・・だからこそ三人とも先に話してはいるが、時間が進んでもし新一がそのような形で元に戻れなくても仕方無い物だと受け入れるとのことだ」
「えっ！？ど、どうして！？」
そんな蘭へと一応の注釈はつけるが優作達と新一が戻れない可能性について話をしているとセフィロスは述べるが、二人に対して信じられない物に対する声と目を向ける・・・だが優作と有希子の二人は揃って静かに首を横に振った。
「・・・私達も新一に元に戻ってほしくない訳ではない。だがセフィロスからの話を聞いた事で元の体に戻れない場合についての覚悟はしなければならないと思ったんだ。戻れる可能性の方が低いというセフィロスの言葉もあって、絶対に新一は元の体に戻れると信じ続けるのは却って良くないとな」
「そう聞いて私も博士ももしも本当に元に戻れなかったならというようには覚悟もすることにしたの・・・勿論新ちゃんが元に戻れたならそれに越したことはないわ。でももうどうしても駄目だとなったならの事も考えていないと、その時が来たら辛くなると言われてね・・・」
「そんな・・・！」
「蘭。これに関しちゃ二人の言ってることの方が正しい・・・もし元の体に戻れたってんなら思いっきりぶん殴ってやりたいとは思っちゃいるが、それでも元の体に戻れるならその方がいいと俺は思ってる。だけどそうならないならもう認めないと逆に辛くなるだけだってのが目に見えてるから、そうするって決めたんだろうが・・・蘭。お前はそんな判断をするなんて冷たいみたいに思ったのかもしれねーが、二人がそんな冷たい訳ねーだろ。むしろ二人の方がそうなった時にそういう形で納得しなきゃ辛くなる以外になくなるだろうからそう考えようと思った筈だ・・・何せ新一は二人にとっちゃ愛する子どもなんだからな」
「っ・・・！」
二人はそこからもう考えは決まっているといったように辛さを滲ませつつ返していって蘭は何とか言おうとしたが、そこで小五郎が真剣に割って入った上での言葉に息を呑んでひきつった表情を浮かばせた・・・新一の事を恋心的な意味で好きで想いは強いという自負はある蘭だが、優作達は親という立場にあるからこそ愛する子どもである新一を諦めなければならないかもしれないと覚悟していると理解し・・・立場は違えどどれだけ苦しい選択をしたのかを感じて。
「・・・そういうわけだ。だから君にも二人を見習うというような言い方は良くないかと思うが、そうしてほしい」
「い・・・言いたいことは分かります・・・けどそうして新一を見放すような事を二人がするなんて・・・」
「それに関しては私達の責任だろうと言われる事は承知の上ではあるし、新一に元に戻ってほしくない訳ではない・・・ただセフィロスから話を受けて日本に戻ると決めたのは親としての務めを果たさないといけないと思ったのと同時に、もう必要以上に新一を甘やかさないようにしようと思ったからなんだよ」
「え・・・？」
そこまで話してセフィロスが後は頷いてほしいと静かに投げ掛けるのだが蘭はそれでも新一を諦めきれないというように食い下がるが、そこで優作が自分達がいかに考えたのかを語っていく中身に理解出来ないといったような声を漏らした。









.