「・・・横から失礼するが、こうして三人は二人に謝りたいということもあってここに来たのだが、同時に俺もそうだが新一を引き取った所からして二人に頼みたいこともあるからここに来ました。それは新一関連の事に関してを口裏を合わせる形で黙っていてほしいということです」
「・・・それは新一があんな姿になったこともだが、その男達の事を表に広められた場合の危険性があるから黙っていてほしいということか・・・」
「そうなります・・・奴らの事は俺も知っていますが、下手に奴らにとって不都合な事をしようものなら奴らは手段を問わない報復行動に出ます。標的を殺せるなら周りに誰がいようと構わないと爆弾を仕掛けるといった事をして、無差別テロのように見せて自分達に疑いをかけられないようにするといったように手段を選ばないようにしてです」
「っ・・・そんなことになりゃまずいとかそんな簡単に言えることじゃねぇし、俺や蘭がその対象になる可能性が非常に高くなるから安全の為にも黙っておくしかないってことか・・・分かった、そんなことにはしたくねぇしそっちの邪魔をする気もねぇからそうさせてもらう」
「ありがとうございます」
ただそういった空気の中でセフィロスは口裏を合わせてほしいことと組織が取りかねない行動の危険性を話していき、それらを聞いた小五郎は苦い顔をしつつそうすることを了承して頷いたのを確認して微笑を浮かべるのだが・・・次は蘭だと向けた視線で蘭の顔が複雑さを滲ませるものだということに気付く。
「あの・・・新一はこれからどうなるんですか？その、新一が私達を騙していたしその男の人達を追いたいから私達をまた騙し続けてでもそうするって言ったからこうなったのは分かるんですけど・・・新一を連れていった人達は新一を元の体に戻すようにしてくれるのかもですけど、元の場所に帰すようにしてくれるんですか？」
「あぁ、君は新一のその後についてが不安だということか。ならその事についてはこれから話をしようと思っていた所だ」
そんな蘭は新一はどうなるのかというように意を決したように口にしていくのだが、その重さに反比例するよう今から話すとセフィロスは平然と返す。
「一応組織に関してを追う傍らでその薬のデータが得られるようにはするとの答えはもらえてはいる。だが一つ君だけではなく毛利さんにもちゃんとこうだと認識しておいてほしいが、データが手に入ったとしても戻れるとイコールで繋げるような事にはならないというように思ってくれ・・・どういうことだと思うかもしれないがそういった犯罪者を追う機関の人間達が荒事に対応する力はあっても、いわゆる研究職のようなことをするような機関でもないし人材でもないということからだ。そして仮にその薬のデータを研究者に見せてどうにか体を元に戻すような何かを開発出来ないかと頼んでも、その何かが開発出来ないという可能性は十分に有り得るどころか・・・むしろ無理な可能性の方が高いと見た方がいいだろう」
「なっ！？どうしてそんなこと言うんですか！？」
「新一が辛うじて耳にしたその薬の事についてだが、その薬は毒の成分が出ない毒薬として開発された試薬といったような物だったとのことだ・・・それだけ聞くなら何が問題なのかと思うかもしれないが、本来普通の薬を作る際に必要な過程はどれだけの効果があるのかを確認するために試験の人員だ。だから時たま薬のモニターを応募するような広告も出るが・・・話を戻すとここで問題になるのが例えその薬のデータを手に入れたとしてもどうやって体を元に戻すのかの手掛かりになるのか以上に、新一を元に戻すためのデータ取りの為のモニターを募ることなど到底出来ないということだ。元々が毒薬として作られたという薬を新一が死ななかったからというだけで他の人間が死なないと決定している訳ではないし、仮にモニターになってくれて死ななかった誰かがいたところで元に戻れる為の薬が出来なかったなら新一だけではなく、その誰かも含めて元に戻れないという二次被害が出たという結果になるんだからな」
「っ！！」
そうしてセフィロスは新一が元に戻れない可能性についてを言うのだが、そんなこと許せないとばかりの盛大な怒りを蘭は向けてきた為に現実的にこういった問題がある・・・それらを挙げられていったことに、怒りに満ちていた筈の蘭は顔を青くして盛大に息を呑んだ。特に最後に言われた新一の為に他の人を犠牲に出来ないと言われてだ。









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